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伝説的なスケートボーダーであるブライアン・アンダーソンがカミングアウト

2016年10月03日

 アメリカのプロスケーター、ブライアン・アンダーソンをご存じの方もいらっしゃると思います。1999年にスケートボード専門誌『スラッシャー』の「スケーター・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、同年にドイツで開催されたワールドカップで頂点に立ち、世界中のスケーターの間でアイコン的な地位を確立。自身の名を冠したNIKEのシューズなども販売されており、スケートボーダーからレジェンドとして崇められる存在。そんなブライアン・アンダーソンが、ゲイであることをカムアウトしました。ストリート・スポーツの著名人によるカミングアウトは、世界にインパクトを与えることでしょう。
 
 エッジの効いたコンテンツで世界中の若者から支持を得ているデジタルメディア「VICE」のスポーツ版「VICE Sports」に9月27日、「Brian Anderson on Being a Gay Professional Skateboarder」というドキュメンタリー動画がアップされました。その中でブライアン・アンダーソンは、初めて公に自身のセクシュアリティについて語りました。
「いつもホモって言葉を聞いてたから、若い頃の俺は、そのことについて話すのは危険だと感じていた」
「本当に怖かったんだ。もし15年前に公表してたら、世間の捉え方は違っただろうね」

 他のプロスケーターたちは、アンダーソンのことを「モンスターみたいにがっしりしている」「誰よりも男らしい人」「超絶にかっこいい」と評するそうですが、そういった外見が自らの性的指向を多くの人から隠してくれたと彼は言います。
「俺はデカくて、がっしりしたスケートボーダーなんだ」
「それを疑う人はいないだろうね。誰も何も思わなかっただろうよ」
「隠していることに対して、すごくイライラして怒っている自分もいた。そのことが、俺をスケートボードの上で、さらに野獣化させたんだ」

 アンダーソンは『ポパイ』に登場するブルートが好きだということに気づいた3、4歳の頃から、何かが違うと認識していたそうです。「フランネルシャツとあごヒゲのブルートは完璧だって思ったんだ。ブルートに夢中だったね」「あのキャラクターが好きだっていうのは面白いよ。だって、今も好きだから」

 スケートボード・ブランド「トイマシーン」の創設者エド・テンプルトンは、スケートボード界の人は、何年も前からアンダーソンがゲイであることを知っていて、噂が明るみに出た時に多くの人から電話がかかってきたと言います。「この世界の全員が知っていたけど、みんな本当にブライアンのことを愛してたから、ばれることがなかったんだ」と話すテンプルトンは、アンダーソンがゲイであることを「素晴らしい」と思い、初のトップ・ゲイ・スケーターとして宣伝しようとしたかもしれないとも語っているそうです(ちなみに、スケーターではほかにも、ジャレット・ベリーとティム・フォン・ヴェルナーもゲイであることをカムアウトしていますが、スケーターとしての功績はアンダーソンに劣るそうです)
 
 コックとして1週間に70時間働いていたプロスケーターになる以前のアンダーソンは、料理学校に行き、「年を取ったらやめて、人里離れた場所に住んで、家族にも誰にも何も教えない」ような生活を考えていたそうです。しかし、スケーターとして誰にも奪い取られないような成績を残したおかげで、安心感を抱くことができたと言います。「自分は第一にスケートボーダー、その次にゲイだと思っている」と、アンダーソン。「俺はスケーター。俺が知ってるのは、それだけなんだ」
 
 

伝説的プロスケーター、ブライアン・アンダーソンがゲイであることをカミングアウト(ローリングストーン日本版)
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/26740

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