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ダイヤモンド社からLGBTをフィーチャーした新雑誌『Oriijin(オリイジン)』が刊行

2017年03月22日

 2017年3月23日、ダイヤモンド社からLGBTをフィーチャーした新雑誌『Oriijin(オリイジン)』が刊行されます。
 『Oriijin(オリイジン)』は、世界と日本のLGBT(セクシュアルマイノリティ)を取り巻く状況の最先端をわかりやすく視覚的にお伝えしつつ、企業が目指す「ダイバーシティ&インクルージョン」の本質に迫る「ココロスタイル」の雑誌です。「ココロスタイル」とは、この雑誌の造語で、自分自身の考えや物事への姿勢に責任とプライドを持ちながら、相手の言動や価値観をリスペクトしていく多様なココロのあり方のこと。ワークスタイルやライフスタイルがあるように、人のココロそれぞれにもスタイルがあり、その人の価値観の拠り所となっています。「差別はよくない!」と叫ぶのではなく、ココロスタイルというやわらかな提案によって読者のココロに訴えていこうとするところに面白さがありそうです。
 内容は、井ノ原快彦さん、小島瑠璃子さん、ヒロシさん、小林幸子さん、渋谷区長の長谷部健さん、オーストラリア前駐日大使のブルース・ミラーさん、荻上直子さんらのインタビューをはじめ、「「ココロ」と「多様性」の時代を生きる」「世界各国&都市のLGBTフレンドリー」といった特集、エスムラルダさんのエッセイなど。実に多彩な記事が盛り込まれています。

 ダイヤモンド社は2012年に『週刊ダイヤモンド』誌上でLGBT特集を発表しています。企業が社内でLGBT支援に取り組む事例が豊富に紹介されていたり、パトリック・リネハンさんらのインタビューが掲載されていたり、全18ページに及ぶ充実した特集になっていました。と同時に、オンライン版で「LGBT――もはや、知らないでは済まされない――」という特設のページを設け、LGBTが多数登場する座談会やラリー・ティー(レディー・ガガのプロデュースにも携わったゲイの方)へのインタビュー、NYプライドのレポート記事などを次々に発表していきました。ビジネス誌がどうしてそこまで肩入れするの?と驚いた方も多かったのではないでしょうか。
 今般の新雑誌『Oriijin(オリイジン)』は、正面からLGBT(あるいはダイバーシティ&インクルージョン)を扱った、ほとんどLGBTマガジンと言ってよい内容かと思いますが、一般企業、しかもビジネス系出版社が、一般向けにこうした雑誌を刊行するというのはほとんど前例がなく(2005年〜2006年にタワーレコードのグループ会社・NMNLが『yes』というゲイコンシャスなカルチャーマガジンを刊行したケースはありました)、LGBTの歴史における一つのエポックと言えるのではないでしょうか。
 


Oriijin(オリイジン)
ダイヤモンド社

定価:本体907円+税

発行年月:2017年3月

『Oriijin(オリイジン)』とは?
2017年――米国ではトランプ政権が誕生し、日本を取り巻く世界もめまぐるしく変わっています。
しかし、いつの時代も、人にはそれぞれのココロ(心・こころ)があり、ココロとココロが対人関係を織り成し、社会をかたちづくっています。
……では、そもそも、ココロって何だろう?
企業が目指す「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)」の本質って何だろう?
いま、LGBTをはじめとしたセクシュアル・マイノリティの人たちを取り巻く状況は?
『Oriijin(オリイジン)』は、そうした情報を、分かりやすく、正しく伝えていく、暮らす&働くみんなの“ココロスタイル”の雑誌です。

“ココロスタイル”とは?
たとえば…昨今、LGBTという言葉が、まるでブームのように新聞やテレビで取り上げられています。
非LGBTの人たちが、LGBTをはじめとしたセクシュアル・マイノリティの人たちに目を向け、考えるのは良いことですが、けして「流行り(はやり)」で終わらせるものではありません。LGBTの人も、非LGBTの人も、誰もが等しく自分の「ココロ」を持っています。
自身の「性自認」と「性的指向」に基づいて、自分の考えや物事への姿勢にプライドを持ち、相手の言動や価値観をリスペクト(尊重)していく――それを、当雑誌『Oriijin(オリイジン)』では「ココロスタイル」と名づけました。
当雑誌にはLGBT当事者と非当事者を含め、たくさんの人たちが登場し、そんな「ココロスタイル」を語っていきます。

<目次>
巻頭インタビュー
井ノ原快彦 小島瑠璃子 ヒロシ 小林幸子

SPECIAL INTERVIEW
東京都渋谷区区長 長谷部健
オーストラリア前駐日大使 ブルース・ミラー

特集1
「ココロ」と「多様性」の時代を生きる
PART1:21世紀は、なぜ、「ココロの時代」なのか?
PART2:社会やビジネスで、注目される「多様性」
PART3:多種多様でしかありえないココロの本質
PART4:多様性としてのLGBTの現状
PART5:「ココロスタイル」を大切にする価値観
都道府県&市町村によるLGBT施策の最新動向

INTERVIEW
吉野聡産業医事務所 副代表 精神科産業医 梅田忠敬
株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役 兼 CEO 大野順也
東京大学大学院 総合文化研究科教授 岡ノ谷一夫

特集2
世界各国&都市のLGBTフレンドリー
差別の時代からLGBTフレンドリーな世界へ
世界のOriijinな都市ガイド
タイ――その「微笑み」は性の違いを超えて
フランス――愛と自由と芸術の国で花開いたLGBT
国際ジャーナリスト ドラ・トーザン
IGLTAグローバルアンバサダー アジア担当 小泉伸太郎

特集3
日本企業でも取り組みが加速 「PRIDE指標」という挑戦
【企業レポート】日本生命保険相互会社 ソフトバンク株式会社

人物クローズアップ
ココロのキセキ さだまさし
伝説の活動家・南定四郎という物語
ココロ伝える人 チェンジスト 池田奈保実

インタビュー
映画「彼らが本気で編むときは、」脚本・監督 荻上直子
特別収録
性的指向および性自認を理由とするわたしたちが社会で直面する困難のリスト(第2版)

読み物
【エッセイ】エスムラルダ 時代は短期間で、意外と大きく変わります。
【短篇小説】水沢秋生 「佐藤ともうします」

この人のココロスタイル
マイケル・クレモンズさん 原真理緒さん 森田亮輔さん

スペシャル対談
いま、社会が、企業が、多様性に向き合う意味
株式会社オークローンマーケティング 代表取締役社長 ハリー・A・ヒル
株式会社LGBT総合研究所 代表取締役社長 森永貴彦

LGBT(セクシュアル・マイノリティ)の人からカミングアウトを受けとめる心得

書籍で知る多様な生き方と愛し方
NPO法人共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク 代表理事 原ミナ汰

 映画で知る多様な生き方と愛し方
「キネマ旬報」前編集長 明智惠子

ココロカラー 暮らしに寄り添う「十人十色」の伝統色

ココロと向き合う、自分をみつける「占い」大全

INTERVIEW
心理占星術研究家・翻訳家 鏡リュウジ
日本占術協会常任理事 神野さち

雉(きじ)の気持ち ~あの昔話のあのキャラのいまだから語れるホンネ~

コトノハ[言の葉]インデックス

【COLUMN】
トランスジェンターの生徒に寄り添った高校教師の話
テレビの中の多様な出演者が視聴者に与えるもの…
企業がLGBT対応に必要とするものは何か?

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