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世田谷区で同性カップルが区営住宅に入居できるようにする条例改正案が可決されました

2017年06月23日

 今年2月、世田谷区が同性カップルも区営住宅に入居できるよう条例を改正というニュースをお伝えしていましたが、6月22日、世田谷区議会でこの条例改正案が全会一致で可決されました。世田谷区は、今年11月にも入居の受付を始めたいとしています。
 
 LGBT支援に力を入れている世田谷区は、原則として「親族のみ」としていた区営住宅の入居条件について、同性のカップルも入居できるよう、条例の改正案を今年2月、区議会に提出しましたが、議会から「周知が不十分だ」などと指摘を受け、継続審議となっていました。
 その後、区が、区民およそ300人を対象に、同性のカップルも入居の申し込みができるようにすべきかどうかアンケートを行った結果、「そう思う」が57%と、「そう思わない」の10%を大きく上回りました。
 6月19日に開かれた区議会の委員会で、区の担当者は「LGBTの人たちにも門戸を開き、人権上、スタートラインを合わせるには改正が必要だ」と理解を求めました。このあと採決が行われ、条例の改正案は全会一致で可決されました。6月22日の本会議でも条例の改正案が改めて審議され、全会一致で可決されました。

 世田谷区住宅課の岩渕博英課長は「条例改正は、パートナーが同性である方々の人権上の配慮から、スタートラインを合わせるため提案したもの。誰もが安心して暮らし続けるための施策にご理解いただきたい」とコメントしています。
 
 公営住宅は、戦後まもない時期に不足していた、家族で入居できる住宅を公的に確保する目的で整備が始まったため、管理について定めた法律には、長年にわたって「同居する親族がいなければ入居できない」という規定が盛り込まれていました。この規定によって、婚姻関係がない同性カップルが公営住宅に入居できないケースがあり、国連の自由権規約委員会が「差別規定だ」などとして、9年前から政府に対し、たびたび撤廃を勧告していました。
 国は5年前にこの規定を撤廃し、地方自治体の裁量で入居者の要件を緩和できるように改めましたが、国土交通省がおととし調べたところ、86%の自治体では公営住宅の管理に関する条例に入居者を親族などに限る規定が残されていたということです。

 こうしたなか、一昨年、東京都渋谷区が「結婚に相当する関係」と認めて証明書を発行した同性のカップルについては公営住宅の入居を認める新条例を制定しました。その後、三重県伊賀市と沖縄県那覇市も、同性パートナーシップ証明制度の導入に伴い、証明書を提示した同性カップルも市営住宅に入居できるようにしました。
 今回の条例改正によって世田谷区は、同性カップルが公営住宅に入居できる自治体として4例目、条例に明記されるケースとしては2例目となりました。

 NHKのニュースでは、パートナーが同性である(婚姻関係と認められない)がゆえに公営住宅への入居を断られた経験がある男性の声が紹介されています。
 臨床心理士の大賀一樹さん(29)は、3年ほど前、パートナーの男性と都営住宅への入居を希望しました。当時は臨床心理士の資格をとるため勉強しながらの生活で、収入が不安定だったことから家賃を抑えたいと考えていました。しかし、「同性パートナーは家族としては認められない」という理由で入居できませんでした。大賀さんは、当時のことを「友人ではなく一人のれっきとしたパートナーだと自分では思っていても、世間的に認められないと残念な気持ちになった」と振り返っています。そして、今回の世田谷区の条例改正については「少しずつ変わっていくことはすごくうれしい。ただ、サポートできる場がまだまだ少ない。LGBTに対する理解がもっと進んでほしい」と語りました。




同性カップルも区営住宅入居可能 条例案可決へ 東京 世田谷(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170619/k10011022561000.html

区営住宅、同性カップルも入居可 世田谷区議会委が条例改正案を可決(産経新聞)
http://www.sankei.com/region/news/170620/rgn1706200006-n1.html

同性カップルが区営住宅に入居できる条例改正案可決 世田谷区(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170622/k10011027181000.html

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