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【追悼】現存する最古のゲイディスコ「NEW SAZAE」のママ、紫苑さん

2018年06月16日

 二丁目の老舗ゲイディスコ「NEW SAZAE」のママとして30年以上にわたってお店を切り盛りしてきた紫苑(シオン)さんが、6月13日、亡くなりました。享年64歳でした。
 
 「NEW SAZAE」は1966年から二丁目で営業している「ディスコ」で(クラブではありません)、場所は一度変わっていますが(そのタイミングで「SAZAE」から「NEW SAZAE」に改名)、今年52周年を迎えるという老舗中の老舗です。日本のゲイディスコ/クラブの中でも最古でしょうし、二丁目に現存するゲイのお店の中でも最古かもしれません(ただし、今の「NEW SAZAE」はゲイのお店というよりも、女装した方やノンケさん、外国人の方など、いろんな方が入り乱れています)。足を運んだことがある方もいらっしゃるかと思います。
 
 週末の「NEW SAZAE」は、いつ行っても、懐かしのダンスクラシックや80年代のヒット曲、PWL、ユーロなどでイェイイェイ盛り上がる、往年のディスコを知っている方にとってはたまらないお店です(ちなみに紫苑さんがいちばん好きな曲はVILLAGE PEOPLEの「MAGIC NIGHT」だったそうです)。紫苑さんはいつ行っても、きちんとメイクをしてハデな衣装を着て、ママとして、お店の顔として、お客さんをテキパキさばいていました。機関銃のようなトークで楽しませたりするわけではありませんが、何度も行っていると自然と顔をおぼえてくれて、友達のように接してくれたり、どんなお客さんも受け入れ、わけへだてなく接し、もめごとなどがあれば仲裁し、誰でも安心して楽しめるような空間をつくっていました。ディスコというものがどんどんなくなっているなか(あるいは、二丁目のお店だってなかなか50年続くということが難しいなか)「NEW SAZAE」がこれまで続いてきたのは、紫苑さんの人柄による部分も大きかったと思います。
 
 6月15日に行われた葬儀には、平日の昼間であるにもかかわらず、約100名もの方々が集まったそうです。その人望の篤さを物語っています。
 
 都築響一さんが以前、紫苑さんにとったロングインタビューが[追悼・紫苑ママ]という追悼記事にまとめられています。ぜひ読んでみてください。

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