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「プライドハウス東京」がキックオフ、大会終了後はLGBTユースが安心・安全に過ごせるセンターへ

2018年09月07日

 昨年、グッド・エイジング・エールズの松中権さんが東京五輪での「プライドハウス」の設置に向けて本格始動というニュースでお伝えしていたように、2020東京大会におけるLGBT(セクシュアルマイノリティ)の交流・情報発信の拠点となる「プライドハウス」の設置に向けて準備が進められてきましたが、9月6日、正式に「プライドハウス東京」について記者会見が開かれました。市松模様の大会エンブレムを手掛けた野老朝雄さんによるロゴがお披露目されたほか、LGBTへの理解を深める教育や文化、参加型スポーツイベントなども行われること、複数の企業や団体が連携して運営する形を目指すことなどが発表されました。大会が終わった後の「プライドハウス東京」は、LGBTのユースが安心・安全に過ごせる「居場所」となるような常設のセンターを目指すということも発表されました(素晴らしい!)
 
 日本のスポーツ界では現状、カミングアウトしている選手はほとんどいませんが、企業による支援や、差別を禁じる法整備を目指す動きも出てきています。
「スポーツは互いを知り理解を広げるためにすごく良いと思いますが、残念ながらアメリカの調査などでは、LGBTの子どもたちが学校で嫌いな場所は体育館、運動場、更衣室などスポーツにまつわる場所が多く、体育の授業や部活動の参加率も低いことがわかっています。世界にはそうした若者が悩んだときに訪れる常設のLGBTセンターなどがありますが、日本にはなかなかない。若者がいつでも安心して集える場所をつくりたい」と、松中権さんは語ります。
 元フェンシング女子日本代表選手でFtMトランスジェンダーの杉山文野さんは「当事者がカミングアウトするのはまだまだ難しい。だからこそアライアスリートの方々のように、周囲がLGBTフレンドリーなんだという情報を発信していけばいいんじゃないでしょうか。海外ではLGBTに対するポジティブな動画メッセージを配信するチームや、チームの公式グッズとしてレインボーグッズをつくっているところもあります。そうしてウェルカムな空気を“見える化”していくのが大事なことだと思います」と語りました。
 記者会見には、JaNP+の元代表の長谷川博史さん、現代表の高久陽介さん、ぷれいす東京の生島嗣さん、aktaのジャンジさん、SHIPのシンジさん、虹色ダイバーシティの村木さん、レイプクライシス・ネットワークの岡田実穂さん、研究者の三橋順子さんら、多くの当事者の方たちの姿もありました。


 
 以下、プレスリリースより抜粋して、情報をお伝えします。

 任意団体「プライドハウス東京」コンソーシアム(以下、コンソーシアム)は、2020東京大会のタイミングを、LGBTに関する情報発信を行うための最重要機会のひとつと捉え、セクター横断の28団体・個人・企業が連携し、その効果を最大化するためのプラットフォームとなることを目指します。特に、2020年以降、日本社会におけるレガシーとして「次世代のLGBTの若者たちのための安心できる居場所」を残すという団体の意志を込めて、パラリンピック最終日の2年前である、2018年9月6日にキックオフしました。
 
■「プライドハウス東京」は、2020年以降のレガシー創出を目指す
 
 コンソーシアムは、大会までの期間(TOWARD 2020)および大会期間中(UNITED 2020)において、様々な参加型プログラムや教育コンテンツ等を開発・実施し、より多くの方々にLGBTへの理解を深めていただくとともに、選手を含めた国内外から訪れるLGBTやその家族・友人・アライが安心して集い交流できる場を提供します。あわせて、大会の開催以降(BEYOND 2020)においては、上記期間にて集約・蓄積したLGBTに関するプログラムやコンテンツ等を活用し、総合的・継続的な情報発信を行い、LGBT、特に次世代の若者たちが安心・安全に訪れることのできる「居場所」としての、日本初の常設スペース「プライドハウス東京・レガシー」(仮称)の設立を目指します。

■多様性と日本らしさを象徴するロゴデザイン

 プロジェクト全体のロゴデザインは、2020東京大会エンブレムを手がけ、「つながり」や「多様性」をテーマとした作品制作を続けている、アーティストの野老朝雄氏が担当。次世代にとっての「未来」となる躍動的なハウスをレインボーカラーで表現し、日本を象徴する伝統色である藍色と組み合わせることで、東京から生まれるレガシーへの願いを託しました。また、今後、プロジェクトの広がりにあわせて、多様な分野で活動する複数のLGBT団体、D&Iやスポーツ等に関する団体、自治体・企業・個人による、持続可能な協働へと発展することを視野に、可変性を象徴するオリジナルのタイポグラフィも同時開発しました。

■コレクティブインパクト型の協働を呼びかけ

 コンソーシアムは、日本社会により広くポジティブな影響をもたらすために、コレクティブインパクト型(行政、企業、NPO、財団、有志団体など立場の異なる組織が、壁を越えてお互いの強みを出し合い、社会的課題の解決を目指すアプローチ)の協働、自治体や企業によるプロジェクトへの参画を必須と捉え、特に、大会に関連する自治体や、大会公式パートナー企業に対する呼びかけを積極的に行います。また、チャリティイベントやクラウドファンディングなど、市民参加度の高い運営資金調達の方法や持続可能な組織体制を、企業からのサポートに加えて検討していきます。あわせて、LGBTへの理解を深め、前向きな発信やアクションを行うアライをスポーツ界に増やしていくために、著名なスポーツ選手の「アライ・アスリート」としてのアンバサダー参画を促すとともに、2020東京大会に関連する団体やスポーツ団体への働きかけを推進する予定です。

■2019年はじめ、チャリティマラソンを企画 

 年度内のスケジュールとしては、11月に「大会関連自治体・パートナー企業担当者向け説明会」、12月に「メディア・記者向け懇談会」、2019年1月〜3月には市民参加型のチャリティマラソン企画「レインボーマラソン東京」(仮称)を計画している。なお、今後の各所からの問い合わせの窓口とプロジェクトの全体調整を行う、コンソーシアムの事務局は、これまで「プライドハウス東京」の準備計画を行ってきた認定NPO法人グッド・エイジング・エールズが担い、プロジェクト代表は同団体代表でもある松中権さんが務めます。
 

◆◆「プライドハウス東京」コンソーシアム◆◆
 発足時(2018年9月6日)は、下記の28団体・個人・企業にて構成するが、今後、必要に応じて構成メンバーは追加・変更されます。それぞれの知見・経験・強みを活かし、いくつかのチームを形成して、プログラム等の開発・実施を行います。

■メンバー(団体17/個人4)
◎NPO法人akta(代表:岩橋恒太)
◎NPO法人 エティック(代表:宮城治男)
◎NPO法人 カラフルチェンジラボ(代表:三浦暢久)
◎認定NPO法人 グッド・エイジング・エールズ(代表:松中権)
◎NPO法人 グリーンバード(代表:横尾俊成)
◎認定NPO法人SHIP(代表:星野慎二)
◎NPO法人 GEWEL(ジュエル)(代表理事:村松邦子)
◎一般財団法人スポーツ&ライフ振興財団(代表:武田利也)
◎NPO法人 東京レインボープライド(共同代表:山縣真矢、杉山文野)
◎任意団体 にじいろかぞく(代表:小野春)
◎特例認定NPO法人 虹色ダイバーシティ(代表:村木真紀)
◎NPO法人 日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス(JaNP+)(代表:高久陽介)
◎認定NPO法人 日本ファンドレイジング協会(代表理事:鵜尾雅隆)
◎NPO法人 ぷれいす東京(代表:生島嗣)
◎任意団体 虫めがねの会(代表:鈴木茂義)
◎認定NPO法人ReBit(リビット)(代表:藥師実芳)
◎任意団体 レイプクライシス・ネットワーク(代表:岡田実穂)
◎NPO法人 レインボー・リール東京(代表:宮沢英樹)
◎遠藤まめた(LGBTの若者支援)
◎野老朝雄(アーティスト)
◎長谷川博史(雑誌編集者)
◎三橋順子(性社会文化史研究者/明治大学非常勤講師)

■アライ・アスリート(個人4)
◎大滝麻未(ニッパツ横浜FCシーガルズ/元日本女子サッカー代表)
◎熊谷紗希(オリンピック・リヨン/なでしこジャパン)
◎永里優季(シカゴ・レットスターズ)
◎向山昌利(ラグビー元日本代表/流通経済大学准教授/日本ラグビーフットボール協会普及育成部国際協力部門長)

■サポーター(企業3)
◎株式会社 丸井グループ(サポート内容:スペース開発/プラットフォーム提供)
◎株式会社 スポーツワン(サポート内容:スポーツイベント実施運営)
◎BASE Q (サポート内容:会場提供)


◆◆「プライドハウス東京」直近スケジュール(予定)◆◆
◎2018年11月:「大会関連自治体・パートナー企業担当者向け合同説明会」
◎2018年12月:「メディア・記者向け懇談会」
◎2019年1月〜3月:「レインボーマラソン東京」(仮称)
◎2019年4月:「プライドハウス東京」メインの設置場所等の発表


プライドハウス東京 公式サイト
http://www.pridehouse.jp


 
 

東京五輪で都内にLGBT拠点(共同通信)
https://this.kiji.is/410387158169601121?c=110564226228225532

東京五輪でLGBT拠点 国内初、交流や情報発信(SANSPO.COM)
https://www.sanspo.com/sports/news/20180906/oly18090619380001-n1.html

LGBTの学習経験あるスポーツ指導者は3割——選手も打ち明けづらい日本スポーツ界変えるには
https://www.businessinsider.jp/post-174728

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