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大阪市が同性カップルの市営住宅入居を承認し、11月から募集をスタート

2018年10月03日

 10月3日(6日からのレインボーフェスタの直前)、大阪市は市営住宅の11月の入居募集から同性カップルの入居も承認することを決めました。
 今年7月からスタートした「パートナーシップ宣誓証明制度」の受領証(証明書)を受け取っているカップルが対象だそうです(これまでに49組の同性カップルが証明書を受け取ったそうで、そのなかにはすでに市営住宅への入居を希望しているカップルもいるということです)
 
 大阪市条例では、市営住宅での同居は親族か内縁関係の夫婦を原則としており、そのほか市長が認める特例措置の規定もあるそうです。今回は、条例を改正するのではなく、この特例措置を適用する形です。

 公営住宅への同性カップルの入居については、こちらの記事でざっと歴史をまとめていますが、公社住宅(住宅供給公社が提供する住宅)に初めて同性カップルが入居できるようになったのは大阪府でした(2005年、大阪府議会で尾辻かな子府議(当時)が同性カップルの問題を取り上げたことから実現)
 低所得者向けのいわゆる公営住宅(県営住宅や市営住宅など)については、2011年の公営住宅法改正で、同居する親族がいない場合も入居できるようになりましたが、ほとんどの自治体で、単身ではなく誰かと同居する場合、同居者は親族に限るという条例の規定が残っているという現実があり、同性カップル入居の障壁となっていました。
 公営住宅への同性カップルの入居を初めて可能にしたのが、2015年の渋谷区のパートナーシップ条例です。続いて、三重県伊賀市と沖縄県那覇市も、同性パートナーシップ証明制度の導入に伴い、証明書を提示した同性カップルが(市が親族と見なすかたちで)市営住宅に入居できるようにしました。世田谷区も昨年、条例を改正し、自治体として4例目(条例に明記されるケースとしては2例目)となりました。今年に入って福岡市と東京都文京区でも認められています。
 今回、大阪市で認められたことで、全国で7例目、政令指定都市では2例目となります。
 
 法律で禁じられていないにもかかわらず、全国の7つの自治体以外に住んでいる同性カップルは公営住宅への入居が認められないという現実…。同性カップルは、そもそも不動産屋で同居を断られることもありますし(SUUMOで同性カップルOKな物件を検索できるようになりましたが、まだまだ物件は少ないです)、公営住宅へも入れてもらえず、パートナーが苦労して家を購入したとしても、パートナーが亡くなったらそれまで住んでいた家から追い出される可能性もあるのです(法的に親族と認められないため)…この差別的な状況が、一日も早く改善されることを期待します。
 
 


LGBTカップル同居認める 大阪市営住宅で11月の入居募集から(関西テレビ)
https://www.ktv.jp/news/articles/4558bc77b3b74f9abf797102cfe3729b.html

LGBTカップルもどうぞ、大阪(共同通信)
https://this.kiji.is/420155145940517985?c=110564226228225532

LGBTカップル、大阪市でも市営住宅の入居が可能に(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASLB35K1WLB3PTIL014.html

大阪市、LGBTカップル同居容認へ…市営住宅(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20181003-OYO1T50012.html


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