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京都府亀岡市議選でトランスジェンダーの候補がトップ当選 

2019年01月28日

 1月27日に投開票された京都府亀岡市議選で、戸籍の性別を男性から女性に変更したMtFトランスジェンダーの無所属新人、赤坂マリアさんが、2270票を得てトップ当選を果たしました。赤坂さんは「同じ境遇で悩む人たちの希望になりたい」と語りました。

 赤坂さんは、大阪府高槻市出身で、子どものころから男性であることに違和を覚えていました。転機が訪れたのは、飲食店の管理職として多忙を極めていた27歳の時。自動車の居眠り運転で壁に激突し、3日間の意識不明となり、九死に一生を得ました。「これからは自分らしく生きよう」と決意し、性別適合手術を受けました。大阪でショーパブやバーを経営し、事故のリハビリを兼ねて習ったダンスを生かし、タレント活動も始めました。
 10年前に祖父母の介護のため亀岡市に移住しました。そして、自身の介護経験から、2013年にサービス付き高齢者住宅の経営を始めました。一方で、街の見回りの活動、子どもや高齢者に100円で食事を提供する催しなどに参加し、地域との関わりを深めました。その中で知り合った若者たちが、市外に転出していく現状に危機感を持ちました。
 「たくさんの人を呼び込んで街を盛り上げ、誰もが楽しく暮らせる街に」。昨年3月、市議選への立候補を決めました。女性として出馬するため、戸籍の性別を変えました。
 選挙では自転車で市内一円を回りながら、人を呼ぶイベントのアイデア、高齢者も楽しめる施設の計画などを訴えたそうです。
 赤坂さんがずっと心に刻み続けてきたのは、生きづらさゆえに自殺したLGBTの友人たちのことです。「田舎ではLGBTと知られたら後ろ指を指される。そんな街を変えていきたい」。誰でも悩みを相談できる「マリアの部屋」を自分の事務所に作り、将来は市役所にも窓口を設けたいと思っているそうです。
 27日の22時40分ごろ、事務所で支持者に囲まれ、赤坂氏は「地盤が無いなか、みなさんのおかげで多くの支持をいただくことができた」と涙ぐみながらお礼を述べました。「私はパワーもある。人脈もある。亀岡に人を呼び、できるだけ早く高齢者が楽しめる居場所をつくる。今日を亀岡の新しいスタートにしたい」と力強く語りました。

 LGBT自治体議員連盟によると、現在、全国にLGBTの地方議員が8人いて(前田邦博文京区議、上川あや世田谷区議、石坂わたる中野区議、石川大我豊島区議、細田智也入間市議、舘内孝夫滝川市議、小原明大長岡京市議、東友美町田市議)※、赤坂さんは9人目となります。
 
※保坂いづみ根室市議は、市長選に出馬されたため(結果は残念でした)、現在は市議ではありません。


 
LGBTの候補、市議選トップ当選 「同じ境遇悩む人の希望に」(京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20190128000022

LGBT公表の赤坂さんトップ当選 京都・亀岡市議選(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190128/k00/00m/040/103000c

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