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昨年、新たにHIVに感染していることがわかった方が1288人で、2005年以来初めて1300人を下回りました

2019年03月23日

 厚生労働省のエイズ動向委員会は、2018年の新規HIV感染の速報値を発表しました。新たにHIVに感染していることがわかった方の合計が1288人で、2005年以来初めて1300人を下回りました。すでに発症していたエイズ患者の方を除く新規感染者数は921人で、11年ぶりに1000人を下回った昨年(992人)をさらに下回りました。新規エイズ患者の方は367人でした。
 減少の原因は、現時点では不明だそうです。
 
 厚生労働省エイズ動向委員会の白阪琢磨委員長は「性感染症にかかったことがある人などは、保健所の無料、匿名での検査を積極的に利用してほしい」と話しています。

 同性間の性的接触については、新規HIV感染者は656人(71%)、エイズ患者が202人(55%)でした。異性愛者の方に比べて、発症する前に検査を受けてわかる方が多いという傾向は、以前から続いています。


 HIVに関しては、「日本におけるPrEPの現状と、今後への期待」でお伝えしたように、欧米でPrEPが劇的な効果を挙げていますが、ほかにも最近、治療の進歩に関するトピックがありましたので、ピックアップしてお伝えします。
 まず、毎日抗HIV薬を飲まなくても月1回の注射で済むような治療法が、来年の早い時期に実現する見通しとなりました。この注射剤が承認されれば、患者にとって治療に必要な日数が年間365日から12日に減り、毎日服用する煩わしさから解放されます(詳しくはこちら
 『ネイチャー』誌には、血液がんの治療のために骨髄移植を受け、HIVの増殖を防ぐ希少な遺伝子変異を持つドナーから幹細胞を提供されていた「ロンドンの患者」が、治療をやめてから19か月近くウイルスが検出されていないという報告が掲載されました。論文の主著者である英ケンブリッジ大学のラビンドラ・グプタ教授は、完治した1人目(「ベルリンの患者」)のケースを引き合いに出し、「同様の治療法を2人目の患者に施して寛解※を達成したことで、「ベルリンの患者」が特異ではなかったことが証明できた」と主張しています(詳しくはこちら

※寛解:全治とまでは言えないものの、病状が治まって穏やかであること。
 
  

 


去年のエイズウイルスの国内感染 1200人余り 3割はすでに発症(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190322/k10011857401000.html

エイズ感染、18年1288人 3割が発症後発見(日経新聞/共同通信)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4282152023032019000000/

新たにエイズ感染1288人…前年比101人減(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190322-OYT1T50245/

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