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台湾で同性婚実現を祝う披露宴イベントが開催、2000人近くが喜びを分かち合いました 

2019年05月27日

 5月24日に台湾で同性婚がスタートし、最終的に500組以上の同性カップルが婚姻届を提出したそうですが、翌25日には、パレード会場としてもおなじみの台北・総統府前の凱達格蘭(ケタガラン)大道で大規模なウェディングイベント「同婚宴」が催されました。

 このイベントは、台灣伴侶權益推動聯盟という同性婚を求める活動をしてきた団体が「幸せをシェアし、勝利を祝うために」主催したものです。「同性婚・婚姻の平等に賛成し、サポートしてくれる人は誰でも歓迎です」という趣旨でしたので、実際に結婚の届けを出した同性カップルやそのご家族だけでなく、婚姻の平等のための闘いに尽力してきた方たちもたくさん、参加しました。
 広場にはテーブルがたくさん並べられ、鶏肉やエビの料理、餅など、台湾の伝統的な披露宴で出されるお祝いの食事が用意されました。結婚したカップルや招待者の幸福や長寿を願って、一品一品に縁起の良い名前がつけられていたそうです。
 熱気と喜びに包まれた披露宴は19時にスタートし、人気シンガーソングライターのアイ・イーリャンさんによるライブパフォーマンスや、ドラァグ・クイーン、GOGO BOYのショーが、会場を盛り上げました。
 メインイベントの一つとして、20組の同性カップルの合同結婚式が行われました。ウェディングドレスやタキシード、着ぐるみなど思い思いの衣装を着たカップルが、会場の人たちに見守られながらレッドカーペットを歩き、指輪を交換して愛を誓いました。愛する人と結婚ができるようになり、抱き合うカップルや涙ぐむカップルに、集まった人たちから大きな拍手や祝福の言葉がかけられたそうです。
 24日、15年の交際を経て結婚を届け出たという37歳の男性は、「一緒に老いていくなかで緊急手術などの際の同意書に署名ができないことが心配だったので、結婚できて本当に感動しています」と涙ながらに話していました。
 
 そんな方々を見守っていたのが、1986年に同性婚運動をたった一人で始めたレジェンドである祁家威(チー・ジアウェイ)さんです。祁さんは「実現して嬉しいです。だけどホッとしてはいません。今の法律はまだ不十分。また次の訴訟を起こすつもりです」と語ったそうです。
 今回の同性婚特別法では、カップル両者に血縁関係のない子どもの養子縁組ができない、国際カップルの場合はパートナーの国で同性婚が認められていなければ台湾でも結婚できない(つまり、日本人は台湾の人との結婚が認められない)という制約が残りました。
 祁さんはそういった問題の一つ一つを解決していくつもりだそうです。
「諸葛孔明の精神で頑張ります」
 
 台灣伴侶權益推動聯盟は、実は同じ場所で5年前にも披露宴を開いています。
 同団体の許秀雯さんは、こう語ります。
「2013年、伴侶連は平等な婚姻を求める法案を作って立法院に提出しました。その時に法案提出を祝って、同じ場所で同じような披露宴を、1200人のゲストを招いて開きました」
「その時に『いつか法案が通って同性カップルが結婚ができるようになったら、必ずこの場所に戻ってこよう』と、私たちは誓ったのです」
「だから私たちにとって、ここで披露宴を開くことは、象徴的な意思表示でもあります」

 披露宴の後半、ステージにたった許さんはマイクを握ってこう叫んだそうです。
「あと2年で民法を改正します!」
「あと10年したら、結婚以外の不平等もなくします!」
 
 この夜の参加者は約1600名に上り、会場に入りきらず、周囲でピクニックのような状態で参加していた方やボランティアの方なども含めると2000名近くになったそうです。
 きっとみなさんにとって幸せで、感動的な、一生の思い出になるようなイベントになったことでしょう。あらためて、おめでとうございますと申し上げたい気持ちです。
 

 

台湾 同性カップルたちが披露宴 同性婚認める法律施行で(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190526/k10011929581000.html

台湾で、同性婚を祝う「合同披露宴」。2000人近くが、総統府前で喜びを分かち合う(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/taiwan-ketagalan-boulevard-wedding-banquet_jp_5cea1e7ce4b00e03656f6f9b

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