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「キャンプ」をテーマとしたMET GALA 2019が話題を呼びました

 5月6日(現地時間)、ニューヨークのメトロポリタン美術館で「キャンプ」をテーマとした2019年のMET GALAが開催され、錚々たるセレブたちが、それぞれの「キャンプ」を表現したファッションでレッドカーペットに登場し、注目を集めました。
 
 MET GALAは、世界三大美術館の一つに数えられるニューヨークのメトロポリタン美術館(the MET)のコスチューム・インスティテュート(服飾研究所)が毎年夏にファッションにまつわる展覧会を開催するにあたり、資金調達のため、展覧会のオープニング・イベントとして開催する華やかなファッションの祭典です。米『Vogue』誌の編集長、アナ・ウィンター(『プラダを着た悪魔』の鬼編集長のモデルとなった人)が1995年に始め、世界的セレブたちが一堂に会してその豪華ファッションを披露し、世界中の注目を集める毎年恒例のイベントになっています。そのレッドカーペットは、デザイナーが作品を発信する最高の機会ともなっていますし、ニューヨークが誇るゲイテイストなイベントの一つにもなっています。 
 
 MET GALAは毎年テーマ(お題)が設定されています。2018年は「天国のボディ:ファッションとカトリックのイマジネーション(Heavenly Bodies: Fashion and the Catholic Imagination)」、2016年は「手仕事×機械:テクノロジー時代のファッション(Manus x Machina: Fashion In An Age Of Technology)」というテーマでした。
 そして昨年10月、注目の2019年のテーマが「キャンプ:ファッションについてのノート(CAMP: Notes on Fashion)」となることが発表されました(スーザン・ソンタグの『Notes on ”Camp”』へのオマージュであるとともに、ストーンウォール50周年を迎えるにふさわしいテーマであると言えます)
 メトロポリタン美術館ディレクターのマックス・ホラインは、「ハイアートとポップカルチャー双方へのキャンプの大きな影響をひもとく展覧会になる」「キャンプの変化を辿り、重要な要素に光を当てることで、この大胆なスタイルが持つアイロニックな感覚を体現し、美や審美眼に関する従来の考え方に挑むと共に、美術史・ファッション史上でこの重要なジャンルが果たしてきた決定的な役割を確証する」と語りました。
 ホストは、レディー・ガガ、ハリー・スタイルズ、セリーナ・ウィリアムズ(テニス選手)、アレッサンドロ・ミケーレ(グッチのクリエイティブ・ディレクター)が務めました。準備委員会には俳優のブラッドリー・クーパーやライアン・レイノルズ&ブレイク・ライブリー夫妻、チャドウィック・ボーズマン、ルピタ・ニョンゴ、ジェニファー・ロペス、デザイナーのトム・フォードやドナテラ・ヴェルサーチェらも名を連ねています。
 そのような布陣で創り上げられた今年のMET GALAのレッドカーペットには、錚々たるセレブたちが思い思いの「キャンプ」を表現するファッションで登場し、史上最高にゲイテイストなものになり、SNSなどでもたいへんな話題になりました。なにしろ「キャンプ」がテーマですので、あっと驚くようなファッション、メイク、演出がたくさん見られたからです。以下、特に素敵だった衣装/意匠をご紹介します。

 
 まずは、今年のホストの一人であり、すでに常にファッションへのアティテュードが「キャンプ」であったと言えるレディー・ガガ。たくさんの執事を従えて巨大なピンクのドレスで登場したかと思うと、なんと、レッドカーペット上で七変化ならぬ四変化してみせる(最後はランジェリー)という演出で、主役の名をほしいままにしたのでした。

 
 それから、2月のアカデミー賞授賞式にエレガントかつクィアなタキシード・ドレスで登場し、大絶賛されたビリー・ポーターが、今回は、屈強な男たちが担ぐ(みなさん、ブロードウェイのキャストだそう)輿に乗って太陽神として登場し、地上に降り立つと、全身ゴールドの鳥のような衣装の羽を広げてみせて、喝采を浴びました。
 
 そして、俳優のエズラ・ミラーのトリック・アート的なメイク(MIMI CHOIというアーティストの作品)も話題に。目の部分が開いた仮面をつけて登場し、これを外すと、7つの目が顔に描かれているという趣向。タキシードはバーバリーです。

 ドラマ『アグリー・ベティ』でおなじみのマイケル・ユーリーは、半分女性、半分男性という古典的な…しかし、よく見ると、メイクは右側が女性、ドレスは左側が女性、しかし、ヒールは右側に、といった、複雑にひねりの効いたファッションになっていました。
 
 ブロードウェイで5つもの劇場を監督するプロデューサー、ジョーダン・ロス。一見シンプルな衣装ですが、広げて中を見せると、舞台建築のプリントが出現。これはステキ!
 
 ルポール先生こそは、女王の貫禄を見せつけるような、これぞドラァグクイーン!というゴージャスな姿での登場が期待されたことでしょうが、なんと、男装でした。このような、ドラァグクイーンによる「スカシ」もキャンプと言えるかも?

 
 ケイティ・ペリーはシャンデリアのドレスでした(アフターパーティでは、ハンバーガーになっていました)

 モデルのカーラ・デルヴィーニュ。レインボーだし、ヘッドピースのてんこ盛り加減がドラァグクイーンっぽくて素敵です(載ってるのはバナナ、目玉焼き、目玉のキャンディ、入れ歯みたいなオブジェなど)

 セリーヌ・ディオン。ヘッドピースの羽根のボリューム感、頑張ってますね。

 カーディ・B。ただゴージャスなだけじゃなく、よく見ると、乳首や女性器の周囲がシースルーになっているところがポイントです。

 今をときめくジャネール・モネイ。さすがです。

 デザイナーシリーズです。
 今回あまり注目されなかったようですが、デザイナーのリチャード・クインのルックはドラァグクィーンっぽくて、素敵です。右はモデルのリリー・オルドリッジ。ラバーを着てるところがイイですね。

 ジャンニ・ヴェルサーチ亡きあと、ブランドの「ヴェルサーチ」を引き継いだドナテッラ・ヴェルサーチェ。「Divine(神)」の文字は、ドラァグクィーンのディヴァインへのオマージュでしょうか。
 
 先日めでたく同性婚したマーク・ジェイコブス(左はリタ・オラ)。女性性と男性性をわかりやすくミックス。ペディキュアまで塗っています。
 

 このGALAで華々しくスタートした展覧会「CAMP: Notes on Fashion」は、例えばビョークが着ていた白鳥のドレスだったり、これまでいろんなデザイナーが生み出してきたキャンプな作品が一堂に会する、たいへん素敵な展覧会になっています。ニューヨークを訪れる方はぜひ、メトロポリタン美術館でご覧ください。
 
展覧会「CAMP: Notes on Fashion
会期:〜9月8日
会場:メトロポリタン美術館


 

2019年『METガラ』のテーマは「キャンプ」 ソンタグが提唱した美学(CINRA)
https://www.cinra.net/column/201810-campmet

レディー・ガガ、メットガラ(METガラ)のレッドカーペットで驚愕の四変化を披露(ELLE)
https://www.elle.com/jp/fashion/celebstyle/a27383080/lady-gaga-pink-dress-met-gala-2019/

METガラ2019開幕! “キャンプ”的ユーモラスな装いのセレブたち。(VOGUE JAPAN)
https://www.vogue.co.jp/celebrity/stylewatch/2019-05-07/met/cnihub

メットガラ2019のテーマを正しく解釈し、最も成功したセレブは誰だった? 専門家がジャッジ!(HARPER'S BAZAAR)
https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/red-carpet/a27399990/met-gala-theme-camp-who-got-it-190508-lift1/

7つ目の妖怪、エズラ・ミラー!? MET GALAのレッドカーペットはド派手だ(GQ)
https://www.gqjapan.jp/fashion/news/20190507/met-gala-camp

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