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同性婚訴訟(東京)第3回口頭弁論で原告のゲイの方が意見陳述「彼はかけがえのないパートナー」「私たちがお互いを思う気持ちは、男⼥の夫婦と何か違いがあるのでしょうか?」「他の⼈よりも劣った⼈間のように扱われる時代はもう、私たちの世代で終わりにしたい」

 同性どうしの結婚を認めないのは憲法に反しているとして、全国の同性カップルが各地の裁判所で国を訴えている一斉訴訟で、10月16日、東京地裁(田中寛明裁判長)の第3回口頭弁論が開かれました。(札幌でも第3回口頭弁論が開かれました。前日には名古屋でも)
 平日にもかかわらず、傍聴席は、この裁判を見守る当事者やアライの方々で満員となりました(定員78人の傍聴席に93人の申し込みがあり、抽選となったそうです)
 
 国側はこの日提出した準備書面で、婚姻は「伝統的に生殖と子の養育を目的とする男女の結合であった」と主張、日本国憲法24条において「両性」「夫婦」などの言葉が使われていることから、「婚姻の当事者が男女であることを前提」としており、「同性婚は想定されていない」と述べました。
 
 これに対して原告側の熊澤美帆弁護士は「男女間のカップルでも、子どもを生まないカップルもいれば、生めないカップルもいます。その一方で原告の小野さんや西川さんのように、同性どうしで子どもを育てている人もいます」と、家族が多様になっている現実を説明しました。
 寺原真希子弁護士は「国は『伝統的に生殖と子の養育を目的とする』という文書※を引用しています。しかし実はそのすぐ後に、『現在はそういうことは重要視されておらず、当事者同士や個人を尊重するようになっている』という趣旨の説明が書かれているのです」と指摘し、過去の文献から国にとって都合の良い部分を抜き出していると反論しました。
 そして、憲法の解釈はその「文言」のみから解釈するのではなく、個人の尊厳を守るという出発地点から、歴史や社会の変化、海外の状況などを踏まえて解釈する必要があると反論、憲法の制定当時は「同性婚が想定されていなかった」としても、同性婚や結婚そのもに対する社会の認識が変わっていることを踏まえて、憲法も解釈する必要があると述べました。
 さらに、同性婚を認めないことは、性的指向という自分ではコントロールできない属性によって当事者を差別していると指摘、国が同性婚を認めないこと自体が、同性愛者は「社会が承認するに値しない存在だというスティグマ」を生み、差別を助長する強いメッセージを発しているとしました。

※「新版注釈民法(21)親族(1) 総則・婚姻の成立・効果 -- 725条~762条」からの引用です。

 なお、裁判で提出されている書面が、こちらで読むことができるようになっています(ありがたいことです)
 
 今回の口頭弁論では、東京訴訟の原告団(5組10人の同性カップル)の一人であるただしさん(50)が、意見陳述を行いました。
「私は50歳になって初めて、母に『自分は男性が好きなんだ』と自分の性的指向を打ち明けました。
 母は、『私は前からわかっていたけど、あなたは学生の頃、女の人と付き合っていたじゃない…。もう、あなたは本当に女の人を好きになることはないの?』と言いました。
 母の瞳には落胆の色が見え、自分を責めているようにも感じました。
 私がその時、何よりもつらく悲しかったことは、母が私のことを、『かわいそうな子』『他の子より劣っている子』と思っているように感じたことでした」
 ただしさんは8年前に出会ったパートナーのかつさん(34)と暮らしています。
「ふたりで同じ時間を過ごすうちに、私はかつのことを、⽣涯寄り添って⽣きていけるかけがえのないパートナーであると考えはじめました。
 私は毎朝ごはんを作り、かつは洗濯をし、朝ごはんを⼀緒に⾷べ、先に出勤して⾏くかつを私は窓から⼿を振りながら⾒送ります。
 早く帰った⽇は私が晩ご飯を作り、今⽇あった仕事場での出来事を話しながらご飯をふたりで⾷べます。
 時には友⼈たちを家に呼んで、お酒を飲みながら笑い語り合う⽇もあります。
 私が仕事のアイデアを考え続け、眠れずに迎えた朝は、かつが先に起きて外に⾏ってパンを買ってきてくれます。
 時々私が仕事で疲れて遅く帰ってくると、かつは⼤抵家のソファで『ちびまる⼦ちゃん』を⾒てケラケラ笑っています。
 私はそんなかつといると、⾔いようのない幸福感に包まれます」
「ある⽇、かつの甲状腺に病変が⾒つかりました。私は朝まで眠れずに検査に⼀緒に着いて⾏き、診察を待ちながら、⼀緒に医師の診断を聞くことができるだろうか?と考えていました。
 この先かつが⼿術や⼊院をすることになったら、病院は私をかつの家族として認めてくれるのだろうか?と不安でたまりませんでした。
 私とかつがお互いを思う気持ちは、男⼥の夫婦がお互いを思う気持ちと、何か違いがあるのでしょうか?」
「どうか想像していただきたいのは、同性を好きになる⼈は、あなたのすぐそばに必ずいるということです。
 好むと好まざるとに関わらず、これから先もこの国には、⼀定の割合で同性を好きになる⼈は⽣まれ続けていくということです。
 肌の⽩い⼈や⿊い⼈、背の⾼い⼈や低い⼈がいるように、性的指向は、無理やり変えることのできないその⼈の属性であり個性の⼀つです。
 その⼈の変えることのできない属性によって、いじめや差別を受ける。若者が命を落とす。
 その⼈の変えることのできない属性によって、⾃分の好きな⼈と結婚することができない。平等の権利が与えられない。他の⼈よりも劣った⼈間のように扱われる。
 そういう時代はもう、私たちの世代で終わりにしたいのです」
(BuzzFeedが全文をこちらに掲載しています。身につまされ、胸を打たれ、目頭が熱くなる方も多いだろう、素晴らしいお話です。ぜひお読みください)
 
 今回の国側の「婚姻は伝統的に生殖と子の養育を目的とする男女の結合であった」という主張については、SNS上で「異性愛者でも生殖不可能な人間は婚姻資格なしってことになる」「異性婚していて子ども産んでない人たちのことも差別していて、目も当てられない」「時代錯誤すぎる」「結婚に期待する役割は人それぞれ。国が決めつけるものではない」「このごに及んで『生産性』を持ち出してくるとは驚く。生殖と養育が伝統と言うならば、同性婚を早く立法化し、LGBTQ+も養子や里親など子育てに参加させればいいのに」「それを堂々と言ってくれてありがたい。いかにその考え方が間違っているかの証明・反論がしやすいよ。自爆したようなものだ」といった声が上がっています。
 なお、婚姻の意義を生殖と子の養育を目的とする異性婚を当然のものとしてきたいわゆる「伝統的」結婚観や、同性婚を認めるためには憲法24条を改正しなくてはならないとする主張に対しては、日本学術会議日弁連がすでに反論しておりますので、興味のある方は読んでみてください。
 
 同性婚訴訟の今後のスケジュールをお伝えします。
 大阪で10月25日、第3回口頭弁論が行われます。福岡では12月2日に第1回口頭弁論が開かれます(詳しくはこちら)。傍聴は予約不要ですので(ふらっと行って入れます)、都合のつく方は応援に行ってみてはいかがでしょうか?
 それから、11月19日14時~衆議院議員会館にて『マリフォー国会 同性婚を伝えよう #結婚の自由をすべての人に』という院内集会が開催されます。国会議員の方にもお越しいただき、同性婚を求める原告らの思いを共有できる場になるそうです。どなたでもご参加いただけます。 
  
 
 

 
同性婚を認めないことは「差別を助長する強いメッセージ」 同性婚訴訟、原告側が国を強く批判(BuzzFeed)
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/marriage-for-all05

そのとき、母の目に映ったのは落胆だった。同性婚訴訟で原告が語った半生(BuzzFeed)
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/marriage-for-all06

「結婚は子を作って育てるため」。国の主張に同性婚訴訟の原告が反発「こういう時代を終わらせたい」(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/same-sex-marriage-hearing-3_jp_5da67751e4b062bdcb1a7026

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