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LGBT差別防止を含む「パワハラ対策指針」案が示されましたが、カミングアウトしない当事者への配慮に欠ける等の指摘が上がっています

 今年5月、パワハラ防止を義務付ける関連法が可決され、厚労省が秋頃までに「パワハラ対策指針」を策定、その中にSOGIハラとアウティングの防止も盛り込まれるということになっていました(詳しくはこちら)。このたび、パワハラ対策指針の素案が示され、初めてSOGIハラやアウティングの防止への取組みが義務付けられることになりそうで、それ自体は評価に値するのですが、さまざま、問題点も指摘されています。
 
 10月にはパワハラ指針の素案が示されました。パワハラに該当する行為および該当しない行為を「精神的な攻撃」「過大な要求」など典型的な6類型に分けて例示するもので、性的指向や性自認への侮辱や本人が望まない暴露(アウティング)などが「精神的な攻撃」「個の侵害」という類型に盛り込まれました(詳しくはこちら
 しかしその後、そもそもパワハラに該当しない行為を例示すること自体に問題がある等、指針自体に対して弁護士らが「抜本的修正を」との声明を出しています(詳しくはこちらこちらをご覧ください)
 そんななか、SOGIハラやアウティングを防止するうえでこの指針は妥当なのかどうかという点について、LGBT法連合会が以下のような声明を発表しました。「性的指向・性自認に関する国の取り組みとして、初めて法を背景とした取り組みの義務付けを求める内容であり、一定評価できる」としながらも、以下のような問題点も指摘しています。
(詳しくは、パワーハラスメント指針における適切なSOGIハラ対策の法制化を求める声明をご覧ください)

・SOGIハラの例示が一つしかないので、範囲が狭く受け取られる懸念がある(これだけ守ればいいと誤解される)
・パワハラの定義自体にSOGIハラやアウティングを位置付け、明示するということがない(例示しかない)
・LGBTの従業員を仕事から排除する、交際相手やプライバシーについて執拗に問う、といったケースをパワハラの例として挙げていない(ダメだと認知されない)
・「相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動はいけません」の「相手の」という限定は、周囲に当事者がいないと思った場合はLGBT差別発言をしても仕方ないという免罪符的な条項になる可能性があり、問題である(職場でカミングアウトできない当事者が多いなか、LGBT差別発言の横行にお墨付きを与えてどうするのか)

 この件について、12月20日までパブリックコメント(意見公募)を受け付けています。このパブコメの募集を経て、指針が決定されることになりますので、もしご意見がある方は、送ってみてはいかがでしょうか。

 なお、厚労省作成の指針案は以下でご覧いただけます。

【ご参考】
職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000559314.pdf

事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針案(修正版)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000568624.pdf



パワハラ指針めぐり労使対立「極端なものが例示に」 厚労省が具体例を提示へ(Sankei Biz)
https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/191023/ecd1910230500002-n1.htm

パワハラ防止指針素案「抜本的修正を」 弁護士らが声明(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASMCL3J2NMCLPTIL002.html

<社説>パワハラ防止指針 実効性確保へ議論継続を(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1031116.html

【声明】パワーハラスメント指針における適切なSOGIハラ対策の法制化を求める声明(LGBT法連合会)
http://lgbtetc.jp/news/1630/?fbclid=IwAR1H5zIH7wmeL85BtJWEA5k0pqfFN0VbdQcLc5a7ip06ggp_rmW_ygBWua0

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