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10人の同性カップルが笑顔で表紙を飾る渋谷区報が話題になっています

2019年12月10日

 表紙にバーンと10人の同性カップルの方々の写真が掲載された「しぶや区ニュース」11月15日号が話題です。東京都渋谷区が区内全戸に配っている区報で、「渋谷区パートナーシップ証明スタートから4年。LGBTも暮らしやすい社会を、渋谷から。」と題した特集が組まれています。
 
 渋谷区は、2015年11月5日に(世田谷区とともに)全国で初めて同性パートナーシップ証明制度をスタートさせました。2月に同性パートナーシップ証明を含む新条例のことが発表されるや、世間ではにわかに同性婚のことがフィーチャーされ、テレビで討論が行われたり、国会で同性婚についての質疑応答が行われたりと、大きな影響を与えました。4月に新条例が施行され、そして11月5日、条例ではなく要綱によって定め、宣誓を行い、宣誓受領書を渡すというかたちの世田谷区と同時に、制度がスタートしました。
 これにより、これまで婚姻制度から排除され(法的に家族と認められなかった)同性のカップルが初めて、「婚姻関係と異ならない程度の実質があるパートナー関係にある」と公的に承認されることになりました。
 2019年12月6日現在で、証明書の交付を受けたカップルは39組に上るそうです。

 そんな39組のうちの5組が今回、笑顔で「しぶや区ニュース」の表紙に登場しました。
 表紙をめくると、見開きで5組の同性カップルの座談会が収録されています。司会は、女装パフォーマーのブルボンヌさん。
 二人で一緒に住もうと引っ越しを考えていて、たまたま渋谷区で物件が見つかり、パートナーシップ証明を受けられる渋谷区に決めたカップル、区内の学校で働いていて、職場に婚姻と同等の福利厚生を受けられるかどうか尋ねたら「前例がない」と言われ、証明書を取得して職場に提出したら、学校の規定を変えていただいて結婚祝い金も支給されたという方、会社に証明書を提出した方、証明書を取得した後、家族にカミングアウトできた方、生命保険の受取人をパートナーの方に変更できた方、証明書を取得した記念で結婚式を挙げた方、取得した日を記念日として毎年お祝いしているカップル、想像以上に周りの方たちが喜んでくれたという方など、いい話がたくさん語られています。喜びにあふれる、素敵な誌面です。
 同じ区に住む同性カップルの方たちのリアルな声、幸せそうな姿に触れて、区民のみなさんも共感してくれたのではないかと思えます。
 
 この画期的な区報の企画について、渋谷区男女平等・ダイバーシティ推進担当課長の永田龍太郎さんは、「区民のみなさんに、LGBT当事者を『当たり前の隣人』として感じてもらいたくて、2年間あたためてきた企画なんです」と語りました。
「全戸にポスティングされる区報ならば、これまで性的マイノリティに関する情報にアクセスするきっかけがなかったような方にも、知ってもらえるのではないかと思いました」
 同性パートナーシップ証明制度の開始から4周年を迎えたことを記念して、長谷部健区長と証明書を取得した方たちとの座談会を開催したところ、18人が参加し、そのうち5組10人が実名で顔を出して写真を掲載することに応じてくれたんだそうです。
「性的マイノリティが顔や名前を出すべきだとは決して思いませんが、こうやって当事者が顔や名前を出せるようになったということは、暮らしやすくなってきている証かもしれないと考えると、うれしくなりますね」 
 
 なお、「しぶや区ニュース」11月15日号は、区民の方でなくてもどなたでもお読みいただけます。こちらからどうぞ(PDFです)

 

えっ、これ区報だったの? 全戸に配られる「しぶや区ニュース」がすごい件。(BuzzFeed)
https://www.buzzfeed.com/jp/akikokobayashi/shibuya-news

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