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今年の「Word of the Year」に性別を問わない代名詞「they」が選ばれました

 日本で「今年の漢字」が発表されるように、アメリカでは、最も信頼度が高いとされる老舗辞書出版社であるメリアム・ウェブスターが毎年「Word of the Year」を発表しており、今年は、ノンバイナリー(Xジェンダー)の方など、性自認が典型的な男性/女性に当てはまらない方を指す際に用いられる単数形の「they」が選ばれました。
 
 「they」と言えば、「彼(女)ら」という複数の代名詞であると英語の授業で教えられてきましたが、近年、男女別の単数の代名詞「he(彼)」「she(彼女)」に換えて、「they」を単数形で使う動きが広がっています。これは、「ノンバイナリー(Xジェンダー)」の方たちに対して、『ワシントン・ポスト』紙が2015年に使い始め、AP通信も2017年に表記の仕方を取り決める「スタイルブック」に採用するなどして、認知が広がっています。
 例えば、これまで友人を紹介する場面で「This is my friend, Jun. I met him/her at work」と言っていたのを、ノンバイナリーの友人を紹介する際は「This is my friend, Jun. I met them at work」と言うようにする、ということです。

メリアム・ウェブスターによると、単数形のtheyは、最近発明されたのではなく、実は600年以上も前から使用されてきたといいます。生まれる前の赤ちゃんなど、性別がわからないときにも使われることがありました。

 英語圏では、ジェネレーションZの若者の多くが、they/their/themのようなジェンダーに縛られない中性代名詞になじみがあり、例えば男性にも「she」と使うなど、she/heを相手の性別に左右されずに使う傾向が出てきているそうです。
 
 英語では動詞も単数と複数で異なりますが、theyは1人を指す場合でも動詞は複数の場合と同じになり、例えばbe動詞では「is」ではなく「ara」を使います。こうした用法が「文法的におかしい」との指摘もありますが、単複同形の二人称の「you(あなた/あなた方)」も元は複数形の代名詞で、そのなごりで必ず複数の動詞を伴う、このような使い方は「何世紀にもわたり、文法的に正しいと認められてきた」とメリアム・ウェブスターは説明しています。

 メリアム・ウェブスターは、単数使用が「英語の用法として確立したことは間違いない」として9月に辞書に追加しました。theyは基本的な英単語であるにもかかわらず、同社のオンライン辞書で検索が昨年比313%も増えたそうです。

 サム・スミスは今年、「自分のジェンダーとの非常に長い闘いを経て」自身がノンバイナリーであることを認め、代名詞の「they」や「them」を好んでいると明らかにしています。
「生きてきた間ずっと、自分のジェンダーと闘ってきた。けれど、外見と内面その両面から自分自身を祝福することにした」
「きっと、今後も私のジェンダーを間違えてしまう人は、いると思います。でも、努力をしてほしいんです」
 サム・スミスのほかにも、『クィア・アイ』のジョナサン・ヴァン・ネス、モデルのオスロ・グレイス、同じくモデルのアイシャ・タン・ジョーンズらもノンバイナリーであることをカミングアウトしています。
 また、レディー・ガガは、「相手がどんな代名詞で呼ばれたいかを確認すべき」という考えを発信しています。

 メリア・ウェブスターのピーター・ソコロウスキー編集長は、「they」の検索件数がオスロ・グレースの記事やサム・スミスのカミングアウトをきっかけに伸びたと述べています。
「個人の代名詞という基本的な単語でさえ、検索データのトップに踊り出ることがある。これは意外なことだった」
「我々のサイトの検索件数はニュースになった出来事に左右される一方、辞書は言語そのものついての重要な情報源になっている。『they』の使い方の変遷は、ここ数年で多くの研究や論説の対象になっている」 
 
 アメリカ心理学会が「相手の性別がわからない場合や、個人が『they』を好む場合は、正式な文書であっても『they』を使用すべきである」と発表したことも話題になったそうです。

 なお、Ms.やMr.の代わりの性別を問わない敬称として「Mx.」が用いられるようになっていますが、「Mx.」もすでにメリアム・ウェブスターの辞書に掲載されているそうです。





今年の英語に「単数形のthey」 性多様化で使用急増(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASMDC3SJBMDCUHBI01B.html

今年の言葉は「they」、ノンバイナリーな代名詞として普及 米英語辞典(AFP)
https://front-row.jp/_ct/17324362

米辞書の今年の言葉、ノンバイナリー示す「they」に決定(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/50754983

「今年の単語」は「they」、男女に縛られない代名詞 米英語辞典(CNN)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35146788.html

米老舗出版社が発表した「2019年の言葉」は『They』、この単語の画期的な意味(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17324362

検索数が313%上昇!米辞典が選んだ今年の言葉は「They」(COSMOPOLITAN)
https://www.cosmopolitan.com/jp/love/lgbt/a30191082/word-of-the-year-2019-they/

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