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氷川きよしさんが「男らしく生きてって言われると、自殺したくなっちゃうから…」と語り、性自認について事実上のカミングアウトを果たしました

2019年12月12日

 デビューから20年目の今年、「演歌の貴公子」氷川きよしさんが、ロングヘアーにゆるいウェーブをかけた髪型で、神宮球場での始球式ではホットパンツからムダ毛のない美しい生足をのぞかせ、ライブやCMでビジュアル系的なメイクを施したり、まるでウェディングドレスのような純白でフリルがとんでもなく長いロングスカート姿をインスタにアップしたり、ライブで披露したり、フェミニンな美しさを際立たせていますが、このたび、「男らしく生きてほしいって言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて……」と、初めてその胸中を明かしました。

 氷川さんは、週刊新潮の取材に答えるかたちで、自身の思いを語りました。
「(容姿が変わってきたことについて)ええ、よく言われます。キレイと言われるのは嬉しい」
 これまで築いてきたイメージを変貌させた理由については、「デビューして20年経ったことが大きい」と語りました。
「みんなが求める『氷川きよし』に徹してきたけど、40歳を過ぎて、人としてもっと表現の幅を広げたいという気持ち。そもそも演歌というのは様式美、つまり、こうあるべきという型がある。日本独特の素晴らしい音楽だけれど、その中に収まらない『自分の性分』というものもあって――」
「でも、世間が求める『氷川きよし』の姿とは違う。あくまで『演歌の王道』を歩んで欲しい、男らしく生きてほしいって言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて……」

 仮にも国民的なスターである方が「自殺したくなっちゃう」とまで言ってしまうのは(そのような言葉を発することは、多くの芸能事務所がよしとしないはず)、氷川さんにとって、いかに「男らしさ」の押しつけが苦しいかということの深刻さを物語っており、これはもう、性自認が男性ではないということ、MTFかMTXかわかりませんが、トランスジェンダーまたはノンバイナリーであるということの事実上のカミングアウトと言ってよいのではないでしょうか。氷川さんは、ずっと押し殺したきた本当のジェンダーをようやく最近、表現できるようになり(お母様の後押しもあったそうです)、そしてようやく今、ずっと胸に秘めてきた「生きづらさ」を語りはじめ、自分らしさの解放へと歩みはじめたということなのでしょう。
 
 11月25日発売の『GQ JAPAN』1・2月合併号には、氷川さんの性別を超えた美しさを解き放つスペシャルなビジュアルストーリーが掲載されています。氷川さんは「ジェンダーを超えた自分らしさを特集してもらいたい夢があった。ラグジュアリーな感じがすごく写真に出た」と語っています。また、『GQ JAPAN』公式サイトに掲載された未公開写真+インタビュー記事では、「年齢や性別なんて関係ない。常にきれいでいたいし、ミステリアスでもありたい」と語っています。

 なお、氷川さんは昨年から美輪明宏さんの『ヨイトマケの唄』もカバーしていますし、11日・12日に行われる「氷川きよしスペシャルコンサート2019~きよしこの夜vol.19~」(22月にWOWOWで放送されるそうです)では、『ボヘミアン・ラプソディ』をカバーするそうです。日本を代表するゲイの大物歌手と、世界を代表するゲイの大物歌手の歌をカバーしたことには、LGBT(セクシュアルマイノリティ)に対するリスペクトのような思いも感じられます。

 ともあれ、今後も氷川きよしさんのラグジュアリーな変貌、ジェンダーを超えた自由な表現を、あたたかく見守り、応援していきましょう。
 
 

 

氷川きよし初告白 「男らしく生きてって言われると、自殺したくなっちゃうから…」(Yahoo!ニュース)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191211-00597649-shincho-ent

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