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MISIAさんのレインボーフラッグについて、NHKのプロデューサーに聞いた記事が掲載されました

 ニューズウィーク日本版が、MISIAさんのパフォーマンスについて紅白の制作統括を務めた加藤英明チーフプロデューサーにインタビューした記事が掲載されました。加藤さんは長年、MISIAさんとおつきあいがあって、彼女のラジオ番組も担当しており、台北プライドにMISIAさんが出演した頃には松中権さんや杉山文野さんをゲストに呼んだこともあるそうで、レインボーフラッグもドラァグクイーンも「プライドハウス東京」や「LIVE PRIDE」のこともご存じで、今回のMISIAさんからの要望の意味も理解し、どういう演出にするかをじっくり話し合って、あのような形になったと語りました。
 
 紅白の演出については、基本的には歌手発表の後、どういう演出にするかを議論しているそうです。「担当のディレクターがアーティストと日々やり取りし、最高のパフォーマンスを引き出すにはどうしたらいいか、衣装は何を着る、ステージの演出はどうすると議論しながらやっていく。必ずしも、NHKが「こうしてくれ」と言う通りになるわけではない」とのこと。「曲についても「今年はこの曲で」と言われる方もいますし、NHKに任せますと言う方もいる。アーティストによってまったく違って、毎年もめる人もいれば、毎年お互いの思いが一致する人もいる」そうです。

 MISIAさんの今回の演出については、MISIAさんの方からああいうパフォーマンスをやりたいという話があり、「司会が綾瀬はるかさんなので、彼女が主演したヒットドラマ『義母と娘のブルース』の主題歌『アイノカタチ』を歌うこととともに、(オリンピック・パラリンピックのある)2020年には日本が世界にどうメッセージを伝えるかが大事というような話をした。そこで、多様性などについてMISIAが日頃発信しているものを紅白という場で表現してみようか、となった」とのこと。「本当に本番の日ぎりぎりまで、何度もリハーサルをした。カット割りや照明1つとっても、MISIA側の思いも強かったし、僕らもそれに応えてより良いものにしなくちゃというのはすごくありましたね」
 曲紹介のときにプライドやレインボーフラッグの意味などを説明する演出もありえたのでは?との質問に対して加藤プロデューサーは、「(紅白で)表現したいことは非常に理解できた」と、「だから、誤解を招いたり、セクシャルマイノリティの当事者の方が違和感を持たれるような表現ではなく、きちんと伝えるにはどうしたらいいかという議論にはかなり時間をかけ」、結果として、あのような形になったと語ります。曲のプレゼンテーションをどう作り上げるかについては、本当にいろんな案があったそうですが、「例えば、MISIAはアフリカの支援活動や社会貢献みたいなことをやってきて、そのなかにLGBTQ支援があり、今年はLIVE PRIDEっていうイベントがあって…という説明をする案があった。でも僕は、そうしたVTRを流して説明したところで、視聴者は「早くMISIAを見たい、聴きたい」ってなるだろうし、余計なことは言わないほうがいいな、と思ったんです」
「NHKでよくあることですが、説明過多になってしまう恐れがあった。そこはすごく議論したんですが、正解がなくてですね…。「レインボーフラッグを見て勇気づけられた」という人もいれば、「あれ何?」となった人も多かったはずですが、でも、あの6色で何が表現されているかが分からない人にとっては考えるきっかけ、会話が生まれるきっかけにはなったと思う」
「僕以外のプロデューサーだったらどう判断したかは分からないが、例えば今回担当したディレクターは開口一番、「いいですね」と言っていました」
「ダイバーシティーをきちんと表現するということを紅白みたいなある種、メインストリームの番組でやってみる価値はあると僕らは思った」

 そもそも加藤プロデューサーは、MISIAさんとはおつきあいが長く、2015年から毎週火曜日、FMで「MISIA星空のラジオ」という番組をずっとやっている、台北プライドに彼女が参加した頃には松中権さんや杉山文野さんをゲストに呼んだこともあって、「台湾がいかに同性婚実現に向けてアジアでリードしているかや、プライドパレードが素晴らしかったという話をしてもらった」そうです。また、(90年代、MISIAさんのツアーに出演したことで有名な)ドラァグクイーンのHossyさんとマーガレットさんをゲストに呼んだこともあるそうです。「節目節目で、ミーシャのLGBTQへの思い、セクシャルマイノリティへの差別・偏見を少しでも減らす社会を目指したいっていうアーティストとしてのメッセージみたいなものを発信する番組を一緒に作ってきた」(素晴らしいですね)

 星野源さんが前年、「紅組も白組も性別関係なく、混合チームで行けばいいと思う」と発言し、今回、ピンクを着ていたことについては、「MISIAのシーンへの反響から、セクシャルマイノリティーの方の中には「紅と白で男女が分かれる」番組を見るのが辛いという方もいるんだと、改めて感じました」と、「紅白」という名前である以上、紅白という大きな枠組は変わらないが、今回も、紅でも白でもないプレゼンテーションを増やしたりして、1組ずつ対戦していくのではなく、きれいに進行が流れるようなフォーマットに緩やかに変わってきていると語りました。
 そして最後に「まだまだ課題は多いと思います。LGBTQのみなさんが自分たちの生きづらさを伝えたいと思ったときに、なかなかその手段がないのは事実ですし。そのときに、少しずつ理解を深める手段という意味では、エンターテインメントもその1つかなとは思う」と締めくくりました。

 まさにこういう話が聞きたかった!というインタビューでした。

 
紅白歌合戦になぜレインボーフラッグ? NHKに聞いてみた(ニューズウィーク日本版)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/nhk-3.php

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