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埼玉県の大野知事が、同性パートナーシップ証明制度も視野に入れながらLGBT支援に向けた実態調査を実施することを表明しました

 埼玉県の大野知事は、1月28日の定例会見で、公約に掲げていたLGBT支援について、同性パートナーシップ証明制度の導入を評価する一方、「それだけで解決できる問題ではない」とし、来年度に実態調査を実施し、具体的にどのような支援が必要なのかを検討する方針を示しました。

 大野知事は、昨年8月末の知事選で初当選した方ですが、公約に掲げた5大プロジェクトの1つ「共生社会プロジェクト」の中にLGBT支援が盛り込まれていました。知事は、今月25日に川越市で開かれた「LGBT成人式」に出席し、「親あるいは大切な友人に伝えたいのに、伝えられない方々が悩んだときに、我々行政が寄り添う立場にあるということをメッセージとして投げたかった。どういう対策が必要か、つかめていないので丁寧に実態をつかみたい」「可能な限りみんながありのままの姿であれるような県、日本にしていきたいという思いがある」「県政でも皆さんとタッグを組んで頑張りたい」と述べました。
 1月28日の定例会見で大野知事は、同性パートナーシップ証明制度の導入を評価する一方、「それだけで解決できる問題ではない」とし、来年度、どのような支援が必要なのかを問う実態調査に乗り出す方針を示しました。
 大野知事が示した公約の実現に向けての工程表では、今年4月から実態調査を行うとしていますが、28日の会見では、具体的な時期や手法は「担当部局で現在、検討中」と述べるにとどまりました。


 25日に川越市で開かれた「LGBT成人式」は、初開催の「埼玉レインボープライド2020」の一環で、この日は埼玉県初のレインボーパレードも開催されました。朝9時半という時間にも関わらず、県外からの方も含め、LGBTやアライ(なかにはお子さんなども)約200人が参加しました。先導車が音楽を流し、レインボーフラッグを掲げ、「自分らしくありのままに生きよう」「ハッピープライド」などとかけ声をかけながら、川越駅前などを晴れやかに行進しました。
 主催団体である「レインボーさいたまの会」の共同代表を務めるFtMトランスジェンダーの岩井紀穂(かずほ)さんは、「パレードに出て行く姿を見てぐっときた。感慨深いですね」と語りました。
 同性のパートナーと参加したさいたま市の会社員、稲垣晃平さんは、「地元でパレードができてうれしい。自分を解放し、大好きなパートナーと一緒に歩けて幸せ」と笑顔で語りました。
 東京都八王子市からパレードに参加した大学生の望月鈴蘭さんは、「パレードを通していろいろな人がいるんだということを知ってほしい。他の地方にもこうした動きが広がってほしい」と語りました。
 セクシャルマイノリティで引きこもりの方でもある東松山市在住のおがたけさんは、「東松山市にもクィアLGBTセクマイいるよ」と書いたボードを掲げ、「都内でのイベントに参加し、引きこもりのLGBTQがいることは伝えてきたが、地元の埼玉でも活動の必要性を感じていた」と語りました。
 
 関東地方では、茨城県、群馬県大泉町、栃木県鹿沼市、千葉市、渋谷区や世田谷区をはじめとする東京都内の6自治体、横須賀市など神奈川県内の4自治体ですでに同性パートナーシップ証明制度が実施されていますが、埼玉県だけはゼロでした。しかし、現在、同制度の導入に向けた動きが埼玉県内でも活発になってきています。さいたま市が4月1日から「パートナーシップ宣誓制度」を施行するほか、越谷、川越、北本の各市が同様の制度の導入に向けた準備や検討を進めています。
 
 こうした動きを応援するように、東京新聞が<多様な性で彩る国へ 埼玉から伝えたいこと>という記事を掲載しました。これによると、「レインボーさいたまの会」の創設者である加藤岳(たける)さんは、当事者ではなくアライの方で、FtMトランスジェンダーの弟さんがいて、15年ほど前に相談を受け(まだ親御さんには話していないそうです)、「パートナーと結婚できないのかな」とつぶやく弟と話すうち、「LGBTも、好きな人を幸せにしたいと願う一人の人間だ」と思い、応援するようになったんだそうです。弟さんは5年前、職場の上司にカミングアウトしたところ、「埼玉では周囲の理解が得られない。LGBTの対応が進む東京に行ったらどうか」と退職を勧められたといい、現実を目の当たりにした加藤さん。「社会を変えないと、これからも人生をあきらめる人が出てきてしまう」と思い立ち、2015年5月にレインボーさいたまの会を立ち上げたんだそうです。思いは少しずつ浸透し、パートナーシップ制度の導入を求める請願は、提出した全16市町議会で採択されました。そして、上記のように、4市で同性パートナーシップ証明制度の導入が決定または検討中となっています。
 LGBT成人式での大野知事の「ありのままの姿でいられる、そんな埼玉、日本であるよう、できることをしていく」とのスピーチに、加藤さんは、期待に胸をふくらませ、「埼玉も変わっていくよという思いが、部屋の片隅にいる当事者にも届いてほしい」と語りました。
 
 


大野知事 LGBT支援に向け来年度実態調査実施へ/埼玉県(テレ玉)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200128-00010001-teletamav-l11

LGBTの偏見や差別解消を訴え 当事者や支援者ら川越でパレード 成人式も開催、大野知事ら出席(埼玉新聞)
http://www.saitama-np.co.jp/news/2020/01/26/10_.html?fbclid=IwAR0F09r5qSM85S2iWY3OapTbQya4rlW4-3jpgPfqvLrwUcTbpFqqlaQQzZU

「多様な性に理解を」とパレード 埼玉でLGBTら(共同通信)
https://this.kiji.is/593696156523578465

LGBTら権利訴え、レインボーパレード 川越で県内初開催/埼玉(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200128/ddl/k11/040/118000c

埼玉)多様な性ありのままで 川越でレインボーパレード(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASN1T3QBYN1TUTNB00C.html

<多様な性で彩る国へ 埼玉から伝えたいこと>(上)受容の空気 育む制度を
https://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/202001/CK2020012902000151.html

<多様な性で彩る国へ 埼玉から伝えたいこと>(下)差別の芽、理解し進む
https://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/202001/CK2020013002000156.html

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