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あおぞらクリニックが日本で初めてクリニックでのHIV遺伝子検査を開始しました

2020年04月08日

 あおぞらクリニックが、日本のクリニックとしては初めて「HIV遺伝子検査」を開始しました。
 現在、保健所や医療機関などで一般的に行われているスクリーニング検査(第4世代抗原抗体検査)では、思い当たる行為から4週間経過していないと検査結果に反映されませんが、遺伝子検査では13日後に検査が可能となります。
 
 HIV検査は、エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因となるウイルスであるHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。HIVに感染すると、体内でまずHIVが増え、その後、HIVに対する抗体が産生されます。保健所や医療機関などで実施されている一般的なHIV検査は、この抗体を調べるスクリーニング検査※1です。もう少し詳しく言うと、第4世代といわれる「抗原・抗体検査」(HIV1抗原、HIV1型、2型の抗体を検出)※2が一般的です。
 このスクリーニング検査の結果が「陰性」であれば、HIVに感染していないことになります。一方、スクリーニング検査の結果が「陽性」または「判定保留」であれば、確認検査(ウェスタンブロット法またはリアルタイムPCR法)を実施します。

※1 スクリーニング:ターゲットとなる集団に対して実施する共通検査によって、目標疾患の罹患を疑われる対象者あるいは発症が予測される対象者をその集団の中から選別(ふるい分け)すること
※2 抗原:免疫細胞上の抗原レセプターに結合し、免疫反応を引き起こさせる物質の総称。生物体内で抗体を形成・出現させる。ここではHIVのこと

 HIVに感染すると、通常、4週間後くらいから血液中でHIVに対する抗体が検出されるようになります。したがって、感染初期に抗体検査を受けたとしても陰性となる可能性があります。この、感染していることが検査ではわからない時期のことを「ウインドウ期(ウインドウピリオド)」と言います。もし感染したかもしれないと思うことがあって、検査を受けたいと思っても、4週間経たないと受けられません。その間、不安な思いを抱えて待つことになります。

 しかし実は、もっと早く検査でわかる方法があります。HIVが増殖しはじめた時点でウイルス遺伝子を調べる「核酸増幅検査(NAT検査)」です。
 今回、あおぞらクリニックは、遺伝子検査機器を導入し、日本のクリニックとしては初めて「NAT検査」※3ができるようになりました。
 HIVの遺伝子は感染から13日後に検出することができるため、この「NAT検査」ならウインドウピリオドが13日に短縮されます。不安な時期が短くなる分、精神的負担も軽くなりますし、感染の早期発見にもつながります。 
 
※3 NAT検査は、HIV1型のみを対象としていますが、日本ではほとんどがHIV1型であり、HIV2型の感染は非常にまれであるといわれています。したがって厚生労働省のガイドラインに則って、最終的にHIV感染を否定するためには、感染機会から3ヶ月経過後に第4世代抗原抗体検査をする必要があります。

 
 なお、現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、保健所等でもHIV検査が中止となっていたり、検査を受けにくくなっている状況があるそうですが、あおぞらクリニックは(新宿は時短で、新橋は通常通り)営業していますので、HIVやSTI(性感染症)について気になることがある方、PrEPについて相談したい方などは、早めに受診されるとよいかもしれません。オンライン診療も可能だそうです。

 


参考記事:
HIV検査相談マップ HIV検査まめ知識
https://www.hivkensa.com/mame/
HIVマップ 検査基礎知識 Step3 発展編 HIV検査用語集
http://hiv-map.net/anshin/knowledge/step3/
あおぞらクリニック、日本初・クリニックのHIV遺伝子検査を開始(アットプレス)
https://www.atpress.ne.jp/news/209764

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