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史上初めて2人の黒人のゲイのアーティストがピュリッツァー賞に輝きました

 米国の優れた報道や文学作品などに贈られるピュリツァー賞が5月4日に発表され、2人の黒人のゲイのアーティストが同時に(史上初めて)受賞しました。
 
 ジェリコ・ブラウンは、詩集『The Tradition』で詩賞を受賞しました。黒人のゲイとして初めての快挙です。
 ジェリコ・ブラウンはルイジアナ州出身で、アトランタのエモリー大学で国文学と創作を教えています。ゲイで、HIV陽性でもあります。
 『The Tradition』は、アメリカ社会がいかに、銃乱射やレイプ、警察による丸腰の市民の殺人といった「テロ」に慣れさせられてきたかということを追及し、ゲイ差別や人種差別にも触れている作品だそうです。
 ピュリツァー賞の審査員は、「敵意や暴力にさらされやすい身体の喚起を通じた、現在の切迫した事態に対するか弱さと素晴らしいリリッックが結晶した詩の集合だ」と述べました。
 ジェリコは声明で「小学校の頃から、この賞がどんなものか、知っていた。子どもであっても、作家というものの可能性を感じられたことを、うれしく思う。それを可能性と理解することは、それを自分が受賞するという期待を意味しない。このニュースは、これまでの人生で最高の出来事だ。自分の詩はできるだけで破壊的で、ラディカルなものとして書いてきたから、まさか受賞するなんて思ってなかった」


 それから、マイケル・R・ジャクソンは、昨年発表した自伝的なミュージカル『A Strange Loop』で戯曲賞を受賞し、黒人として初めてピュリッツァー賞戯曲賞を受賞するという快挙を成し遂げました。昨年のニューヨーク演劇批評家協会賞、『OUT』誌の「Entertainers of the Year」も受賞しています。
 『A Strange Loop』は、『ライオンキング』の案内係をしながら自身の戯曲を書いている黒人のクィアが主人公で、マイケル自身は、「あまりに対立的で、黒人で、クィアで、トゥーマッチな作品」なので、この作品が本当に上演されるとは思ってもいなかったそうです。
 審査員は、「創作の過程をなぞったメタフィクション・ミュージカル」と称しています。「アーティストが、彼をメインストリームから遠ざけるアイデンティティ、人種、セクシュアリティの問題を、普遍的な人間の恐れや不安についての考察へとトランスフォームさせる創作の過程だ」
 マイケルはTwitterでこのように喜びを語りました。
「本当に夢にも思わなかった。マジ本当に。このような素晴らしい賞につながる道のりを支えてくれたみんなに感謝。たくさんのメッセージをもらえて…ちょっと待って、一回息を吸ったらもうちょっと何か言えると思う…ありがとう!」
 
 なお、Youtubeに『A Strange Loop』の予告動画が上がっていたので、ご紹介します。オフブロードウェイ(小規模公開)作品なので無理めですが、いつか日本でも観れたらいいですね…。


参考記事:
Michael R. Jackson Just Made History With This Pulitzer Win(OUT)
https://www.out.com/art/2020/5/05/michael-r-jackson-just-made-history-pulitzer-win
These gay, black writers just won Pulitzer prizes for drama and poetry(Queerty)
https://www.queerty.com/gay-black-writers-just-won-pulitzer-prizes-drama-poetry-20200505

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