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三重県いなべ市がLGBT差別の禁止や同性パートナーシップ証明制度を盛り込んだ条例の制定を目指すことを発表

2020年05月27日

 三重県いなべ市が5月26日、LGBT差別の禁止や同性パートナーシップ証明制度を盛り込んだ条例の制定を目指すことが報じられました。条例による同性パートナーシップ証明制度の制定は、渋谷区、豊島区、茨城県、港区に次いで全国で5例目となります。


 いなべ市の日沖靖市長は26日、会見を開き、「性的な多様性を認める地域社会の実現を目指す条例」の制定する考えを発表しました。
 条例は、すべての人が性の多様性を認め、性的マイノリティでも自分の意志と責任で多様な生き方を選択できる地域社会を作ることを目的と定めています。そのうえで、性的マイノリティに対する差別的な扱いや、本人の意に反する公表(アウティング)、カミングアウトの強要などの権利の侵害を禁止しています。また、性的マイノリティの二人が市長にパートナー宣誓した場合、市が証明書を交付するという同性パートナーシップ証明制度も盛り込まれました。
 日沖靖市長は「社会に残る偏見をなくしていけたら」と語っています。
 6月2日に開会する市議会六月定例会に条例案を提出する意向です。
 条例案が可決された場合、7月1日から施行されるそうです。

 同性パートナーシップ証明制度は、要綱(自治体の内規)で定められる場合、パートナー宣誓したカップルに宣誓受領書(パートナーシップ証明書)を発行するという手続きのみとなりますが、条例で定められる場合、渋谷区のように、区内の事業者に対して理解を求めるなど、より広くLGBTを守る(支援する)ような内容を盛り込むことができますし、条例は自治体の法ですから、法的効力も強くなります(ただし、市議会での承認が必要ですので、ハードルは高くなります)。今回のいなべ市の条例も、LGBT差別の禁止や、アウティングの禁止が盛り込まれており、意義のあるものになりそうです(アウティングの禁止を明文化した条例は、2018年に国立市が初めて制定しましたが、それ以降、あまり広がりを見せておらず、都道府県や政令指定都市では未だにゼロです)
 
 なお、いなべ市は昨年の三重レインボープライドに後援しています。

 

参考記事:
いなべ市が性的多様性条例制定へ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20200526/3070003460.html
いなべ市がパートナーシップ宣誓制度 条例案提出へ(中日新聞)
http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-9580

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