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全米の70以上のLGBT団体が連名で、人種差別・暴力との闘いを求める公開書簡を発表しました

 ジョージ・フロイドが警官に殺害された事件を受けて、アップル社のCEO、ティム・クックが従業員に宛てて「いま、わが国の魂に、無数の心に、深く刻まれた痛みがあります。団結に向けて、お互いのために立ち上がらねばなりません」という書き出しの感動的な手紙を書き、レディ・ガガが「黒人コミュニティへ愛を示さなければなりません。特権を与えられた白人の女性として、この発言を守ることを誓います」といった内容の長文のメッセージを自身のSNSへ投稿し、テイラー・スウィフトがデモ隊への発砲を示唆したトランプ大統領を厳しく非難するツイートを投稿して100万以上の「いいね」がつき、アリアナ・グランデは自ら「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」のプラカードを持ってデモに参加し(LAのビバリーヒルズからウェストハリウッド(ゲイタウン)までを歩く平和的なデモです)、というように、LGBTやアライのセレブたちが次々に声を上げ、行動を起こしています。ジャネール・モネイやテッサ・トンプソン、ラヴァーン・コックスといった黒人LGBTQのリーダーたちも声を上げています。
 そんななか、ヒューマン・ライツ・キャンペーン、GLAAD、GLSEN、ラムダ・リーガル、全国LGBTQタスクフォース、PFLAG、SAGE、トレヴァー・プロジェクト、LGBTQセンターなどをはじめとする全米の70以上のLGBT団体が、人種差別・暴力と闘うことを求める公開書簡を連名で発表しました。ジョージ・フロイドが殺されてから4日後、デレク・ショーヴィンが第3級殺人で訴追された5月29日に発表されたものです。
 この書簡は、ジョージ・フロイドだけでなく、以下の事件も踏まえています。
・3月にケンタッキー州ルイビルで、ブリアンナ・テイラーという26歳の女性(彼女は緊急医療技術者で、新型コロナウイルス患者の治療にあたっていました)とその交際相手がベッドで寝ていたところ、予告なしに家に侵入した警官たちに射殺されました。警察は麻薬関連の捜査をしていましたが、住所が不正確で、探していた容疑者はすでに拘束されていたそうです。
・2月、ジョージア州でアマド・オーブリーという男性がジョギング中、白人男性たちに射殺されました
・5月、ニューヨークのセントラルパークでバードウォッチングをしていたクリスチャン・クーパーというゲイ男性(ハーバード大卒で、以前マーベルで編集者をしていて、スタートレックの最初のゲイのキャラクターの登場に寄与した方だそうです)が、近くにいた女性に「規定を守って、犬に鎖をつてください」とお願いしたところ、女性は言うことを聞かなかっただけでなく「アフリカ系男性に脅されている」と警察に通報しました。
 これらの事件の被害者は全員、アフリカ系アメリカ人でした。
 
 公開書簡の全文日本語訳をお伝えします。
「もしあなたがこの不正に対して中立でいるならば、あなたは抑圧者の側に立っていることになる。この言葉は、(南アフリカの反アパルトヘイト活動家であり、ノーベル平和賞を受賞した)デズモンド・ツツ大主教が30年前に語った言葉で、無関心は決して憎悪の分断の架け橋にはなりえないということを思い出させてくれる。そして今日、この言葉は、私たち全員に行動することを、LGBTの平等のためのムーブメントを促す。
 この春、私たちが公正、平等、自由、民主主義だと思ってきたアメリカ人の理想が、人種差別、戦略目標、白人特権で彩られてきたものだと、厳しく、針で刺すように思い知らされた。
 私たちはジョージ・フロイドの、絶対に忘れることのできない嘆願を聞いた。それは人間の最も根源的な欲求、「息をしたい」だった。ミネアポリスの警官が膝で彼の首を残酷に押さえつけて死に至らしめたのだ。
 私たちは、ルイビルの私服警官がドアを蹴破って家に侵入し、ベッドで寝ているブリアンナ・テイラーに8回発砲した後の、救急に電話した恋人の痛みが、いやというほどわかる。
 私たちは、アマド・オーブリーを射殺したジョージア州ブランスウィックの白人自警団が、全米の怒りと、監視カメラの映像での証明がなされるまで、自分たちが犯した罪を認めなかったことを知っている。
 私たちは、セントラルパークでバードウォッチングをしていた黒人ゲイ男性クリスチャン・クーパーに対して、白人女性が脅されているフリをして警察を呼び、人種を武器化したことを知っている。
 私たちはトランスジェンダーが殺されていることも知っている。黒人のトランス女性が特に多い。トランスジェンダーへのヘイトクライムが止まないのは暴力の伝播だと言っても過言ではない。今年だけでも、12名の尊い命が奪われた。Dustin Parker, Neulisa Luciano Ruiz, Yampi Méndez Arocho, Monika Diamond, Lexi, Johanna Metzger, Serena Angelique Velázquez Ramos, Layla Pelaez Sánchez, Penélope Díaz Ramírez, Nina Pop, Helle Jae O’Regan, そしてTony McDadeだ.
 こうした事件のすべては、なぜ私たちが、憎悪や暴力、全身の人種差別(それはしばしば免責される)に対して「Black Lives」と声を上げなければならないかを、厳しく思い出させる。
 LGBTQのムーブメントは、公民権の拡大において重要な勝利を収めてきた。しかし、その自由を享受することもできない人たちにとって、どんな意味があるだろう?
 私たちの組織の多くは、運動の方針にインターセクショナリティ(個々の属性や、それによる差別の構造は多層的で交差しているという考え方)を採用して前進し、より多様性や平等性、包摂性を高めるよう努めてきた。しかし、いま要求されているのは、もっと前に行かなくてはいけないということだ。人種差別や白人特権を終わらせるための明確な行動をしなくてはならない。必ずしも私たちの指命に直接関連していないとしても、それはLGBTQピープルにとっての完全な平等を実現するためという目的に統合されるはずだ。
 私たちは、「中立」などではいられないと認識しているし、頭でわかっていることが行動の代わりになるなどとも思っていない。LGBTQコミュニティは、警察の残忍な暴力に抗することの意味をわかっている。私たちは6月のプライド月間を祝うが、それは、ある意味、私たちがストーンウォールで警察の残忍なハラスメント、暴力が常態化して当たり前になっていたことに抗議したことを記念するものだ。私たちが完全に、自由に、真正に生きる代償として、恐怖や屈辱を味わわされることを拒んだブレイクスルーとなった瞬間の記憶を受け継いでいるのだ。
 私たちは、私たちの人生が大切ではないと、生きるに値しないとする社会に対抗し、立ち上がることの意義を理解している。今日、私たちは#BlackLivesMatterを言うために再び結束し、この言葉が求めるところのアクションに参加することを宣言する」



 参考記事:
LGBTQ+ Orgs: We Must Do More to End Racism, Racial Violence(Advocate)
https://www.advocate.com/news/2020/5/29/lgbtq-orgs-we-must-do-more-end-racism-racial-violence
Over 70 LGBTQ+ organisations release letter condemning anti-Black violence(GAY TIMES)
https://www.gaytimes.co.uk/community/136496/over-70-lgbtq-organisations-release-letter-condemning-anti-black-violence/

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