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イングランドの元サッカー選手トーマス・ビーティがカミングアウト、英国で30年ぶり

 以前イングランドのハル・シティAFCなどで活躍していたトーマス・ビーティ元選手(MF)が、ゲイであることをカムアウトしました。
 
 トーマス・ビーティは1986年生まれの33歳で、ハル・シティを19歳で退団した後はカナダに渡ってプレーし、2012年にはシンガポールのホーガン・ユナイテッドに移籍しましたが、2015年の試合中に顔面を激しく骨折する大けがを負い、その影響で引退を余儀なくされました。
 その後、東南アジアを拠点にモバイルアプリやフィットネス、アパレルなどを展開する敏腕ビジネスマンとして活躍していました。

 トーマス・ビーティはウォルト・ディズニー・カンパニー傘下のスポーツ専門チャンネル『ESPN』オンライン版で、こう語りました。
「プレーしている間は、カミングアウトすることは考えもしなかった。
 自分をさらけ出すか、あるいは物心つく前から愛していたスポーツを捨てるか。文字通りどちらかを犠牲にしなければならないと感じていた。
 逃避のためにサッカーを使っていたよ。様々な部分で私を守ってくれた。人生のあるポイントに到達するまでね。
 3ヶ月前に親しい友人や家族にカムアウトした。そして、私はこれを率直に話す旅に出ることにしたんだ。
 アスリートとしては話せなかったが、同じような状況にある人々のサポートになるよう、自分の物語を共有したい」


 英国では1990年にジャスティン・ファシャヌがカムアウトしました(が、のちに自ら命を絶ちました)。トーマス・ビーティのカムアウトは英国の男子プロサッカー界では実に30年ぶりのこととなりました。
 これまでに(引退後も含めて)プロフェッショナルの男子サッカー選手でカミングアウトを果たした方は、トーマス・ヒッツルスペルガーロビー・ロジャースなど10名超いらっしゃいます。女子サッカー界ではもっとたくさんいらっしゃいます。

 男子サッカー界では長い間、ホモフォビアの根強さが指摘され、問題となってきました。
 つい最近も、パリ・サンジェルマンのブラジル代表ネイマール選手が友人との会話で、母親の30歳年下の恋人に対して、セクシュアリティに関する罵声を浴びせ(音声が流出した)、ブラジルのLGBT協会に「ネイマールとその友人は、母親のボーイフレンドがバイセクシュアルであるとして、男性を暴行する可能性を仄めかした」として訴えられるという事件がありました。

 レアル・マドリードのトニ・クロース選手は、『GQ』のLGTB特集号で「自分の常識からすると、誰もが完全に自由に生きるべきだ。疑いの余地はないよ。とはいえ、現役のサッカー選手にゲイであることをカミングアウトするようにアドバイスすべきかはわからない。試合中にはある特定の言葉がよく使われているし、スタンドに存在する感情を考慮すると、(告発した選手が)侮辱されたりしないと保証することはできない。そうあるべきではないし、一歩踏み出すことを決めた選手が多くの支持を得られることは確信している。ただ、アウェイではそうなるとは思えない。それぞれの選手が有利になるか不利になるかについて自分自身で決める必要がある。でも、いまでも完全に有利ではないと思う」と語っています。
 モナコMFのセスク・ファブレガス選手は、『Guardian』のインタビューで「「将来、サッカー界でゲイと名乗り出る人間がいるだろう。最初はみんな変だと思うかもしれないし、バカな奴らは間違いなく何か言うはずだ。だけど、誰が名乗り出た後、また別の誰かが名乗り出る、そして、また誰かが…。そうすれば、全てが普通になり、僕らはそれが当たり前のことのように話すだろう。いつかそうなるだろうし、何が起きても僕らが結束し続けることを願っている」と語りました。
 そしてワトフォードFCの主将を務めるトロイ・ディーニー選手は『BBC』の番組で「僕はどのフットボールチームにも1人はゲイやバイセクシャルの選手はいると公言できる」と語っています。「もし誰かが声をあげたら、その最初の1週間で少なくとも100人の選手が同じように手を上げるだろう」「でも彼らはその最初の1人になりたくないんだ。その責任を負うことになるからね」「それでも、今なら昔よりゲイであることをカミングアウトできる大きなプラットフォームが整っていると思う」「なぜみんながフットボールでもラグビーでもどんなスポーツでも自分がゲイであることを引退後に言うんだろうね。プロキャリアを通して、その事実を背負って行くことは相当な重荷になってるんだと思う」

 英『Sun』紙によると、ジャスティン・ファシャヌ選手の親族が運営するLGBT支援団体で、イングランド・プレミアリーグでプレーする選手も含め、これまで5人の選手がゲイとしてカウンセリングを受けたそうです。ジャスティン・ファシャヌの姪にあたるアマルさんは「誰もが最初になりたくない。彼らの心の中で気持ちを閉じ込め、恥じている。社会が受け入れないだろうと考えているので、秘密裏にゲイとしての生活をしている」「男性の10人に1人は同性愛者なので、サッカーする選手にいないという考えはおかしい」と語っています。
 

 
 
参考記事:
元ハル・シティMF、ゲイを告白(Livedoorニュース)
https://news.livedoor.com/article/detail/18475584/
プレミア2選手がゲイのカウンセリング相談 英紙(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/soccer/world/news/202005100000185.html

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