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90歳のおじいちゃんがカミングアウト。60年以上前の恋の思い出がそれを決意させました

 2020年のプライド月間に、90歳のおじいちゃんのカミングアウトが話題になりました。
 コロラド州で静かな余生を過ごしてきたケネス・フェルツさんは、パンデミックで自宅にこもることを余儀なくされている間に、自身の生涯を振り返る手記を書くことにしました。そして、1950年代、ケネスさんがカリフォルニアで恋に落ち、生涯で唯一、本当に愛した理想的な男性・フィリップさんのことに想いを馳せました。この思い出との格闘が、彼にカミングアウトを決意させたのです。
 
 「50年代、60年代、そして70年代、カミングアウトは恐ろしいことだった。それが私がカミングアウトを考えられなかった理由のひとつだ。ゲイコミュニティなどというものは存在せず、ゲイのグループなども全くなかった。カムアウトした人々は、何のサポートも得られず、自己責任においてカムアウトした。その時の私は社会に直面する勇気がなかった。ストレートとして生きるほうが楽だった。だから、本当の自分を地面に埋めてしまった」
 ケネスさんはフィリップさんとの関係を終わらせ、女性と結婚し、娘を授かりました。のちに離婚し、州のカウンセラーの仕事などをしながら生活し、今は独りで暮らしています。

 「私はこれまでの人生すべてをクローゼットで過ごしてきた。深いクローゼットで、着る物の山の間をかきわけたさらに奥だった。私はそこから生還した」
「ドアを開けて前に出たとき、人々が何と言うだろうかと恐れおののいていた。私は本当に心配していた。人々を必要としていたし、やっと本当の自分を生きると決めたことで彼らを失うかもしれないことに堪えられないから」
 ケネスさんはまず初めに娘のレベッカさんに話しました。フィリップという男を50年代に置き去りにしてきたと、遠回しな言い方で。その会話は、控えめに言ってアイロニカルでした。しかし、彼の心配は杞憂でした。レベッカさんは20年も前にレズビアンであることを父親にカムアウトしていました。レベッカさんと妻のトレイシーさんは、彼を抱きしめて祝福しました。二人は、コミュニティへの参加も勧めました。「父はがっちりそれを受け止めて、失った時を取り戻すかのように走りはじめたように見えた。素晴らしかった」とレベッカさん。
 その後、ケネスさんは友人にも真実を話す良い機会だと思いました。彼はメールやソーシャルメディアを通じて、彼がいつも2人の人格を自身の内に感じていたことを説明しました。「ケンはシスジェンダー・ストレート男性で、ラリーはクローゼットに隠れているゲイだ」と。反応は圧倒的でした。すぐにポジティブなメールやコメントがあふれました。

 そしてケネスさんは、高齢のゲイの人たちの集まりに参加するようになり、レインボーのシャツやパーカーを着て、家じゅうにレインボーフラッグを置くようになり、コミュニティに寄付もするようになりました。
 
 レベッカさんはそんな父親を、勇気あるロールモデルだと思うようになりました。
「父は、自分ではそうは思ってないみたいだけど、本当に勇敢で、素晴らしいと思う」
 
 ケネスさんは「あなたの友人や家族を過小評価しないで」と言います。「もしカムアウトしようと決めたら、彼らのリアクションに驚くだろう。その結果を楽しんで。すべては1回限りなのだから」

 
 ちなみにケネスさんは、フィリップさんとの恋がどんなものだったか、Facebookに書き記しています(英語ですが、興味がある方はこちらを読んでみてください)



参考記事:
PRIDE MONTH: KENNETH FELTS COMES OUT AT AGE 90(GayNation)
https://gaynation.co/pride-month-kenneth-felts-comes-out-at-age-90/
92-Year-Old Grandad Comes Out as Gay — Tells 70-Year Love Story(Out)
https://www.out.com/news/2020/6/22/92-year-old-granddad-comes-out-gay-tells-70-year-love-story
Meet Kenneth Felts, the 90-year-old who just came out as gay(Queerty)
https://www.queerty.com/meet-kenneth-felts-90-year-old-just-came-gay-20200619


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