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ピンクドット沖縄創設者の砂川秀樹さんが、沖縄のLGBTを差別から守りたいとの思いでオンライン署名を立ち上げました

 沖縄県宜野湾市の市議会で「市男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」案をめぐる審議が行われましたが、「性的指向」や「多様性」などの文言を理由に主要与党会派が反対したため、否決されました。市提案の条例案を与党が否決するのは異例のことです。
 これに対し、市民から「LGBTが身近にいる社会を見ていない」といった声が上がったほか、ピンクドット沖縄元代表の砂川秀樹さんが再上程、可決を求めるオンライン署名を立ち上げました。
 
 
 宜野湾市の松川正則市長が提案した「市男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」は、全ての人が平等に、多様性を認め合い、人権を尊重することなどを目指す理念条例で、市が3月定例会に提出しました。市や市民、自治会などの責務を記し、DVやヘイトスピーチといった人権侵害を禁じるもので、罰則規定はありません。これに対し、主要与党会派から条例の名称や内容に疑義があり、同委員会で継続審査となっていました。市議会6月定例会の総務常任委員会で6月25日、条例案について採決が行われましたが、主要与党会派が反対し、否決されました(主要与党会派の4人が反対し、与党の公明議員と中立、野党の合わせて4人が賛成し、可否同数となり、委員長裁決で否決されました)
 条例案に反対した平安座武志議員(絆輝クラブ)は、条例案に「性的指向」といった文言が入っていることなどに「議論が不十分」だと述べました。条例案提案を知らない人がいるとして「認知度を上げて条例案を出すべきだ。反対と賛成が二分されるなか、市の理念条例として合わない」と強調しました。
 中立と野党議員らは賛成討論で「全市民が人権を守るため制定して周知し、平和な宜野湾市を推進してほしい」「性別や国籍、人種の違いがあっても平等に尊重するのは議員として当たり前のことだ」と述べました。
 
 6月29日の市議会6月定例会最終本会議では、計6人が意見を交わしました。
 主要与党・絆クラブの山城康弘議員は、条例の上位にある男女共同参画社会基本法に「多様性を尊重する文言はない」として「男女共同参画と多様性尊重は条例に併記できるものではない」と反対しました。
 中立「和みの会」の上里広幸議員は賛成討論で、松川市長が諮問機関から答申を受けたことなどから「手続きに問題はない」とし、「人権尊重の街・宜野湾の実現を図るため、条例の制定は必要だ」と訴えました。
 採決の結果、反対12、賛成11、欠席1の反対多数で否決されました。

 条例案を否決した29日の市議会には、市民ら十数人も訪れ、議論を見守っていました。
 市民からは、条例案に反対した主要与党会派に対し、「LGBTなどの当事者が身近にいる社会を見ていない」と批判する声が上がりました。
 ピンクドット沖縄元代表の金澤友哉さんは、与党会派に対し「(少数者に対する)市民の理解が深まっていることに気付いていない。なぜ反対討論で指摘した部分の修正案を示さなかったのか」と疑問視しました。
 宜野湾市内に住む女性は「『全ての人たちの平等』という条例案の文言はあいまいだ。もう少し議論してほしい」と語りました。

 この報道を受けて6月30日、ピンクドット沖縄元代表の砂川秀樹さん(那覇市出身)は、否決に抗議し、同案の再上程と可決を求めるオンライン署名を始めました。砂川さんが署名を立ち上げるのは初めてのことだそうです。

「今回の否決は、性的指向や性自認に関するマイノリティ(LGBTなど)が「差別的取り扱い」を受けないこと、「平等・対等な立場が保障されること」をうたった内容が否定されたことになります。
 反対している議員は、「議論が不十分」と語っていますが、すでに存在する人の人権の保障に関することが、議論の対象とされるのはおかしなことではないでしょうか。
 今回のことは、宜野湾市だけの問題ではないと私は考えています。この否決は、LGBTの人たちが平等に扱われることを否定するメッセージとなっているからです。
 そしてこの署名は、この条例案否決に憤り、落胆し、悲しんでいる宜野湾市に住む多く人たちと連帯するためのものでもあります。
 私には、宜野湾市に住んでいるLGBTの友人がたくさんいます。私にとって家族のようなレズビアンカップルも宜野湾市に住んでいます。彼女たちは、つつましくも愛情豊かに生活し、23年になります。
 彼女たちは、地元紙でも取材に応じカミングアウトしたことがあります。地方で名前と顔を出すのはとても大変なことです。しかし、LGBTの人たちが、そうではない人と平等に暮らしていけるためにという思いを持ち、彼女たちは決断しました。ほかにも多くの人が、同じ思いで活動をしてきました。
 今回の条例案否決は、そうした人たちの思いを踏みにじり、当事者ががんばって少しずつ進めてきた社会を後退させることです。
  否決のニュースを聞き、私は、沖縄で活動するなかで出会った様々なLGBTの人のことを思い出しました。もちろん、多くのLGBTの人も、そうではない人と同様に、日々の生活を充実させ、楽しく過ごしています。しかし、社会的には、LGBTであることに対する抑圧、差別があり、その中で苦しむ人たちがいます。
 女性的という理由で家族からののしられながら育った経験を持つゲイの大学生。書店でLGBTテーマのトークをおこなったとき、書棚の陰から、立ち尽くしたまま見つめていた20代前半の「当事者」だろうと思われる若者。LGBTのプライドイベント「ピンクドット」に参加するため、ひきこもり状態だったにもかかわらず、がんばって足を運んでくれて、自分を肯定できるようになった高校生。
 30代、40代になって、ようやく自分のことを受け止められるようになった人たちもいました。
 そうした人たちも平等・対等に扱われるべきであるとうたったのがこの条例です。その否決に抗議し、今後、あらためて同様な条例案が「性的指向」などの文言を削除することなく再上程され、可決されることを求めます」

 よろしければ、こちらからぜひ、ご協力をお願いします。




参考記事:
男女平等多様性条例案、異例の否決 宜野湾市議会総務委 与党が「性的指向」異議(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1145122.html
男女平等多様性条例案、宜野湾市議会が否決 主要与党「多様性」併記に異論(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1146533.html
「LGBT当事者が身近にいる社会見ていない」「『多様性』は曖昧な表現」 多様性条例の否決に市民は(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1147001.html
「多様性条例可決を」宜野湾市議会否決に抗議 性的少数者らネット署名(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1147652.html

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