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『ウォーキング・デッド』俳優のダニエル・ニューマンが、人々がバイセクシュアルに抱きがちな偏見に苦言を呈しました

 大人気ドラマ『ウォーキング・デッド』のシーズン6に登場した兵士ダニエル役で有名なダニエル・ニューマンは、2017年にバイセクシュアルであることをカムアウトしましたが、最近の英『Metro』紙のインタビューで、浮気性などと見られがちな偏見・ステレオタイプについて苦言を呈しました。
 
 ダニエル・ニューマンは2016年から『ウォーキング・デッド』に出演して有名になりましたが、2017年に「#LGBT」のハッシュタグとともに「カミングアウトを誇りに思う」とツイートし、その後、YouTubeでカミングアウトした理由を語りました。ダニエルはLGBTQユースのためのシェルターでボランティアをしていて、そこで出会った女の子に「ストレートの方がアライになってくれてありがたい」とLGBTQコミュニティへの貢献を感謝されたそうです。自分はストレートではないと告げると、「なぜ今までそれを公に認めてこなかったの? 私たちの一生を変える力があるのに」と言われ、「みぞおちに一発食らうほどの衝撃」を覚えたそうです。そうして、「今の時代、自分が誰であるのかをはっきりと見せることの重要性に気づいたんだ」そうです。
「素晴らしいことをやっていても、自分を隠していたら何百万人もの人を傷つけてしまう」
「『「ウォーキング・デッド」に出てブレイクしたんだ。カムアウトなんかしちゃだめだ。ニュースになったら、これまで必死に頑張ってきたことが無駄になる。ゲイの主役、アクションヒーローなんていないんだぞ。キャリアがパーになる』って言われた。でも気にしない。これが正しいことなんだ」
 
 そんなダニエルは最近、英『Metro』紙のインタビューでこう語りました。
「何かにならなくてはいけないということはないんだ。性に奔放である必要はないし、複数人と付き合わなくてはいけないわけでもない。みんなはバイセクシュアリティを様々な角度から定義してるよ。僕は、個人的には好みとして定義してる。君は一対一の恋愛をしてよいんだよ。異性と付き合ってるから絶対にストレートというわけではないし、同じ性別の人と付き合ってたらゲイだなんてこともない。それはただ、君が一対一の交際をすることを選んだというだけなんだ。その他のことはすべてステレオタイプさ。バイセクシュアルということに君は満足しないんだね、だとか、いつでも浮気するんだね、とかね。バイセクシュアルの人々は、人と関わるのが好きで(相手が)どっちでもよいんだ」
 ダニエルは、“当事者っぽくない”自分や、その他の多くの人にもカミングアウトしてほしいと感じているそうです。
「歴史的に、フェミニンな男性は悪者とされ、残忍な扱いを受けてきた。でも彼らこそが強みでもあり、ゲイカルチャーを構築してきた。というか、そうしなければならなかった。
 一方で、“男らしい”男性たちは静かだった。なぜなら、ゲイやバイセクシュアルだって気づかれないでいられたから。便利な話なんだよね。もし男性と結婚することになれば、その時に彼らはカミングアウトして、プライドを持つだろう。でも当面はひっそりとしていられる。(バイセクシュアルであれば)女性ともデートするからね。静かにしていて、怒らず、職場でトラブルに巻き込まれず、家族とも揉めない。便利な空間だけど、ひどく致命的に気が滅入る。
 文化というのは、多様性や、人々が自分自身でいられるかどうかにかかってる。だからもしあなたが(LGBTQの)文化のひとつの部分だけでも抑圧しているのであれば、あなたはLGBTQコミュニティ全体を傷つけていることになる」

 ダニエルが上記のようにカムアウトした際、多くのメディアが彼を"ゲイ"と呼んだといいます。数ヵ月後に、ダニエルは米『Advocate』誌のインタビューでこう語っています。
「(最大手メディアの)『People』誌でさえ、僕のことをゲイと言ったからね。記者にはバイセクシュアルであることについて話したし、彼女がいたこともあるとか、そういったことを話したよ。そして記者が、『いいですね。今は誰かと交際していますか?』と聞いてきたから、『はい。素晴らしい彼氏がいますよ』と言ったら、『いいですね。あなたがゲイだとカミングアウトしたことは良いことです』って。そしてその後、僕のことをゲイだと呼ぶ記事が世界中に出回った。僕は全然それでもかまわないけど、もし彼氏がいたら100%ゲイだと思われるのは興味深いことではあるね」

  この『People』誌の記者は、ゲイとバイセクシュアルの区別がついていなかったのでしょうか…唖然とする話ですね。日本でも、LGBTQを取り上げるテレビや新聞などの大手メディアでも、使うべきではない差別的な言葉を使ったり、特定の個人のことをLGBTと言ったり、記者の理解が足りない様子が窺えます。

 それはともかく、こちらの記事によると、LGBTQコミュニティ内ですら、バイセクシュアルの人々に「節操がない」「性欲が強い」「本当は同性愛者なのに、体面を気にしてウソをついている」「半端者」「どっちつかず」といった偏見を持っている人もいる、ということが指摘されています。
 バイセクシュアルの人たちは、LGBTQの中でも最も多数を占めていると見られているのに、また、実は二丁目などのコミュニティでも一緒に過ごしていたりするのに、なかなか可視化されなかったり、声が届きづらかったり、コミュニティの中でも外でも偏見を持たれがちであるという問題を、ゲイの人たちも真摯に受け止め、一緒に取り組んでいけたらよいのではないでしょうか。
 
 

参考記事:
『ウォーキング・デッド』俳優、バイセクシュアルでも浮気性じゃない!LGBTQの偏見に苦言(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17374077

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