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英版『VOGUE』編集長でオープンリー・ゲイのエドワード・エニンフルが「Diversity Initiative of the Year」と最優秀編集長をW受賞

2020年07月17日

 英版『VOGUE』2019年9月号が、英出版社協会「PPA(Professional Publishers Association)」が選出する「Diversity Initiative of the Year」を受賞、編集長であるオープンリー・ゲイのエドワード・エニンフルも最優秀編集長に選ばれ、ダブルの受賞の栄誉に輝きました。
 
 英出版社協会「PPA(Professional Publishers Association)」は毎年、英国における出版物の発展に寄与した出版社や関連企業を表彰しています(PPA AWARDS)。この6月30日には、40周年を記念するPPAアワード授賞式をオンラインで開催しました。約20の部門が設けられていますが、今年から新設された「Diversity Initiative of the Year」を、英版『VOGUE』2019年9月号が受賞しました。
 
 「変革の力」をテーマに掲げたこの号では、男女平等やメンタルヘルス、LGBTQコミュニティ、地球温暖化など世界の人々が関心を寄せる様々な分野で「変革の力」を発揮する15名の女性にスポットライトを当て、メーガン妃を初のゲスト編集者として迎えて話題を呼んだほか、妃によるミシェル・オバマ元大統領夫人へのインタビューや、夫ヘンリー王子と英国の動物行動学者ジェーン・グドール博士との対談、さらには女優ジェーン・フォンダ、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相、環境保護活動家グレタ・トゥーンベリらの女性をフィーチャーし、注目を集めました。同号は発売10日で完売し、『VOGUE』創刊から104年の歴史の中で最速ソールドアウトの記録を作りました。
 最優秀編集長受賞とのダブル受賞を果たしたエドワード・エニンフルは、Instagramで「唯一無二の存在であるサセックス公爵夫人ことメーガン妃がゲスト編集者として携わった英版『VOGUE』9月号が『Diversity Initiative of the Year』を受賞したことを、喜んで報告させていただきます」と喜びを語りました。同時に、「私がこの賞を受賞した最初の黒人、つまり40年間で初めて黒人が受賞したことを私が指摘しないのは、不誠実だと思います」「多様性は職務や雑誌に浸透しつつあります。しかし私たちの職場の中はどうでしょうか」「誰を雇用し、育て、誰を昇進させているのか。オフィス環境はどうか。スタッフの扱いはどうか。誰が頂点に登り詰めることを許されるのでしょうか」とも語りました。


 エドワード・エニンフルは2017年、101年の歴史を持つ『VOGUE』誌で初めての黒人、初めてのゲイとして英版『VOGUE』誌の編集長に就任しました。2016年にはファッション界における数々の貢献により、大英帝国最優秀勲章(OBE)も受賞しています(ナオミ・キャンベルやケイト・モスが主催した受賞記念パーティには、マドンナもお祝いに駆けつけました)
 
 そんなエドワード・エニンフルは7月15日、オフィスへ入ろうとした際に警備員から「搬入口を使え」と言われ、人種に基づいた不審者扱い(レイシャル・プロファイリング)を受けたそうです。
 エニンフルは「今日(15日)私は自分の職場へ入ろうとした際、人種にもとづくプロファイリングを受けました」とTwitterに投稿しました。「搬入口を使うよう指示されたのです」「私たちの予定や週末が通常に戻りつつあるからといって、かつての世界に戻るのを許すわけにはいきません。変化は今起こる必要があります」
 英版『VOGUE』を所有するコンデナスト社は、即座にこの警備員(第三者の請負業者に雇われていたそうです)を『VOGUE』のオフィスから外し、調査を行ったそうです。
 エニンフルはInstagramの約100万人のフォロワーに向けて「今回の出来事は、時には、人生で達成してきたものが意味をもたないことを示しています。一部の人間は、まず最初にあなたを肌の色で判断するのです」と語りました。
 
   
参考記事:
メーガン妃が携わった英版『VOGUE』9月号、出版社協会から“多様性”が称えられ受賞(Yahoo!ニュース)
https://article.yahoo.co.jp/detail/519d1c0a9745fb80d2c8f79fce79bfc1c5233f76
「ヴォーグ」英国版編集長、職場で警備員から「搬入口を使え」 差別明かす(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/53426993

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