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【追悼】関西のオネエ系タレントの草分け的存在、リリアンさん

2020年07月20日

 関西のオネエ系タレントの草分け的存在、リリアンさんが心不全のため7月18日午前9時17分、大阪府内の病院で亡くなりました。享年69歳でした。

 リリアンさんは大阪・河内長野市出身で、大阪・北新地でクラブ「マダムリリアン」を経営するかたわら、1980年代から大阪・京橋の名物レジャービル「グランシャトー」のテレビCMに出演し(大阪の方はほとんどこのCMの歌を歌えるはず。リリアンさんのダミ声の「いらっしゃ〜い」はよくマネされました)、1985年には『阪神タイガースの優勝を知らない子供たち』で歌手デビューして『ザ・ベストテン』や『オレたちひょうきん族』にも出演したほか、やしきたかじんさんのTV番組、ラジオ番組、板東英二さんのラジオ番組や「ノックは無用!」(関西テレビ。出演タレントの都合が取れない時にピンチヒッター的に招かれていたそう)など関西ローカルの番組で活躍してきました。
 


 関係者によると、リリアンさんは1994年に胃がんを患い、全摘手術を受けており、昨年3月ごろに再び体調が悪化し、膵臓がんが判明、入退院を繰り返し、先月下旬ごろから入院が続いていたといいます。
 クラブ経営は2年ほど前にやめ、知り合いの店の手伝いをする一方、コロナ禍の今年6月放送のカンテレ「桃色つるべ」に、過去に出演したゲストが今どう過ごしているかという企画でリモート出演していて。これが最後のTV出演となったようです。周囲には「退院したら、何でもするで」と芸能活動再開にも意欲を見せていたが、叶いませんでした。
 リリアンさんがレギュラーゲストとして2018年11月まで出演していたMBSラジオ「板東英二のおばあちゃんと話そう」の板東英二さんも「すごくショックを受けておられた」「飛んで行きたいと言っておられました」とのことです。弔問に訪れた同番組アシスタントの関岡香アナウンサーは「板東さんとの掛け合いが面白くて。突然で何と言っていいのか…。毎回、差し入れをしていただくなど気遣いしてくださる方でした」と故人を偲びました。
 亡くなる3日前にも医師、看護師ら関係者に差し入れしていたそうです。「カツサンドを皆さんに差し入れするよう言ってきて。誰にでも気配りされる人でした」
 19日、大阪市淀川区の「新大阪典礼会館」でしめやかに通夜が営まれました。喪主は姪の方がつとめたそうです。棺には、リリアンさんのトレードマークだったジャケットなど真っ赤なグッズが入れられたそうです。

 ネット上には「リリアンさんはグランシャトーと一時期の関西の深夜を間違いなく支えていました」「アクの強い関西ならではのキャラ」「風邪をひいて声を枯らしたら「あたし リリアンよー」とモノマネをしたのを思い出す」「ザ・関西みたいな人、いなくなって寂しいわー(T_T)」など、リリアンさんを偲ぶ声が続々と上がっています。
 オネエだからどうこうと言われることもなく、親しみの持てる面白いおっちゃんとして自然とお茶の間に受け入れられ、愛されてきた方だと思います。酒焼けしたダミ声のママというキャラも、リリアンさんがさきがけではないでしょうか。この時代のオネエ系タレントの方は世間にLGBTQが受け入れられる土台を作ったパイオニアであると言えますが、リリアンさんは間違いなくそういう意味での偉人だったと思います。心からご冥福をお祈りします。
 
 
 
参考記事:
タレントで歌手のリリアンさん死去 69歳 大阪でテレビ・ラジオ多数出演 しめやかに通夜(スポニチアネックス)
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/07/19/kiji/20200719s00041000363000c.html
オネエ系タレント・リリアンさんが69歳で死去…大阪・京橋「グランシャトー」CMでおなじみ(スポーツ報知)
https://hochi.news/articles/20200719-OHT1T50184.html
リリアンさんが死去、「グランシャトー」のCMに出演、だみ声ながら人気(デイリースポーツ)
https://www.daily.co.jp/gossip/2020/07/19/0013525512.shtml

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