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【追悼】編集者・エッセイストとして活躍した高山真さん

2020年10月02日

 編集者であり、人気エッセイストであり、『こんなオトコの子の落としかた、アナタ知らなかったでしょ』『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』などの著作でも知られる高山真さんが亡くなりました。
 ご自身のblogで、2018年に肝臓がんの手術をしたことが書かれていました。集英社の連載では今年6月、肝臓がんが思わしくなく、入院していると報告されています。北原みのりさんのツイートによると、7月頃にはお医者さんに余命宣告を受け、関係者の皆様にご挨拶をはじめていたそうです…。
 
 高山真さんは、1970年生まれ。東京外国語大学外国語学部“パリジェンヌ”学科(本人の強硬な主張による)卒業後、出版社に勤務という経歴で、有名雑誌の編集に携わる傍ら、1日20万アクセスという人気を誇るサイトを運営し、ゲイ目線で女性にアドバイスする著作や連載などで活躍しました。
 ジェーン・スーさんも「知的ゲイは悩める女の共有財産」「辛気臭いのは御免。私たちはいつだって、華やかに叱られたい」と絶賛していた、マイナビウーマンでのお悩み相談連載では、例えば「24年間生きてきて初めて好きな人ができ、思いを伝えたのですが、2カ月返事がなく、この前久しぶりに会った後、メールで「今度、お返事を聞かせてください」と言ったら「返事は『口説いてごらんだよ』」と…。これは本当に少なからず興味持たれてるってコト? 暗に断られてるん? 「口説く」ってどうすればいい?」というご相談に対し、相手が「受け身男子」、しかも「俺の気持ちやタイミングをきっちり読みきったうえでグイグイ来てほしい」タイプだと喝破し、「あなたが勇気をもって告白したことだって立派に「口説く」ということよ。よくがんばったわね。あなたがやったこと、何も間違ってないわ。24年かかったけれど、「人を好きになる気持ち」が自分の中にあることを確認できて、ホントよかったわね」とエールを贈るという、ちょっと感涙モノの優しいお返事をしています。人柄がよく表れています。
 
 高山さんの書く文章は、こんな完璧な敬語使える人っている?と思うくらい丁寧で、知的で、美しい、教養がにじみ出るような、たおやかな女性言葉だったという印象です。今日び、このような美しい日本語を扱える方がほかにいらして?と思うくらいです。
 一方で、(おそらく公表していないので伏せますが)Twitterでは、素晴らしくゲイテイストな、面白いツイートをしていて、そちらもたいへん人気でした。
 本当に才能あふれる方でした。
 
 何度か二丁目でお会いし、お話させていただく機会がありましたが、お書きになる文章と全く同じで、言葉遣いが丁寧で、それでいてゲイテイストで、楽しく、素敵な方でした。
 心からご冥福をお祈りします。

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