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LGBTQはそうでない人に比べて4倍近くも犯罪被害に遭いやすいことが米調査で明らかになりました

 米連邦司法統計局の国内犯罪調査のデータに基づき、LGBTQの犯罪被害の実態について初めて総合的かつ全国的な研究が行われ、LGBTQが犯罪被害に遭う可能性は、そうでない人と比べて約4倍近くも高いことが明らかになりました。学際誌『Science Advances』に研究論文が掲載されました。

 論文によると、LGBTQ(性的マイノリティ)は1000人あたり71.1人/年が暴力被害に遭っています。LGBTQではない人々の場合は19.2人/年で、約3.7倍になります。

 アメリカン大学助教授で論文の第一著者でもあるアンドリュー・フローレス氏は、LGBTQがこれほど高い割合で犯罪被害に遭っているということだけでなく、加害者に関する事実に驚かされたといいます。例えば、LGBTQはそうでない人々と比較して、身近な人による被害を受ける可能性が高いことが明らかにされましたが、この事実は、「事件の性質や被害者・加害者関係の本質に迫る将来の研究に役立つことが期待される、ある種の問題提起になる」とフローレス氏は述べています。
 
 人権団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」でトランスジェンダー・ジャスティス・イニシアティブのコミュニティ・エンゲージメント担当ディレクターを務めているトーリ・クーパー氏は「この問題には、社会化という現象が含まれている。多くの人々は社会に順応させられ、トランスジェンダーやクイアを見下しているのではないか」と述べています。
 HRCが2018年に発表した、米国の10代のLGBTQ1万2000人以上を対象とする調査では、家族がLGBTQについて否定的な発言をしたと回答した人の割合は67%に上っていました。「とりわけトランスジェンダーはパートナーや身近な人からの被害を受けやすい」とクーパー氏は述べています。HRCは、今年だけでもトランスジェンダーやノンバイナリーの人々が少なくとも30人殺害されたという報告をまとめています(ここ数年は30人未満でしたので、すでに上回っています)。被害者の多くは黒人およびラテン系のトランス女性でした。
「トランスフォビアを抱く人は数えきれないほどいる。それがこうした関係性に表れている」とクーパー氏は指摘します。
 
 このほか、LGBTQが強盗被害に遭う可能性はそうでない世帯の2倍に上るほか、窃盗被害に遭う可能性が高いことも明らかにされました。
 
 LGBTQが不釣り合いなほどに犯罪被害に遭いやすいという調査は以前にもありましたが、2016年以降、連邦司法統計局の国内犯罪調査に性的指向と性自認についての質問が盛り込まれたおかげで、総合的かつ全国的な研究が初めて可能になりました。今回の研究は、昨年公表された2017年の連邦司法統計局の国内犯罪調査に対する回答結果を分析したものです。
 
 しかし、トランプ政権はパブリックコメントを求めることなく、国家犯罪調査の一般人口統計パートから性的指向と性自認に関する質問を省略し、被害者のみを対象とする部分調査に改めると発表。この決定により、犯罪の格差について研究者が知ることができる情報が限定されてしまうことになるそうです。研究者が今回と同じような形でデータを再検証できるようになるまでには、しばらく時間がかかるかもしれない、とのことです。
 

 米国では特定の人種、民族、宗教、性的指向、性自認の人たちへの偏見や憎悪による暴力行為=ヘイトクライム(憎悪犯罪)に対して厳罰を科すマシュー・シェパード法と呼ばれる法律が成立しています。1998年に22歳のゲイの学生、マシュー・シェパードがワイオミング州で撲殺された事件が社会問題となったことから法制化が叫ばれ、オバマ政権時代に成立を見ました。
 米国だけでなく、欧州など西側諸国の多くでLGBTQへの暴力がヘイトクライムとして扱われています。
 一方、日本ではそのような法律がありません(日本でも2000年に新木場でゲイの方が撲殺され、犯人の証言からヘイトクライムであることが明らかになっています。決して無縁ではないのです)
 
 
参考記事:
性的少数者は犯罪被害に遭いやすい 米調査(NewSphere)
https://newsphere.jp/national/20201103-1/

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