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栃木県知事選、鹿児島市長選、千葉県知事選の候補が同性パートナーシップ証明制度導入の意向を明らかにしています

2020年11月03日

 現在、アメリカ大統領選挙の投票の真っ最中で、世界がその行方に注目していますが(レディー・ガガが命運を分けると言われるペンシルベニア州のバイデン候補の集会で応援のパフォーマンスをしたというニュースもありました)、日本では、今月行なわれるいくつかの地方自治体の首長選挙で同性パートナーシップ証明制度を導入することを明言したり、公約に掲げている候補のことがニュースになっています。


 11月15日投開票の栃木県知事選挙では、新人の元NHK宇都宮放送局長、田野辺隆男候補が、同性パートナーシップ証明制度を県として導入する意向を示しています。
 田野辺氏は宇都宮市の選挙事務所で出陣式を開き、「未来を決めるのは私たち。栃木はすてきな県になれる」と第一声を上げ、「「生き方先進県」にもなれる。やりたいことの一つが、同性パートナーシップ制度だ。高齢社会の中で、女性同士で一緒に人生を過ごしたいという人も増えている。そういった生き方を応援し、人間らしい生き方を推進したい」とも語りました。
 下野新聞の特集記事によると、田野辺氏が同性パートナーシップ証明制度に賛成と回答しているのに対し、現職の福田富一氏は「どちらとも言えない・無回答」でした。

 
 また、11月29日投開票の鹿児島市長選挙では、出馬を表明している前の副市長・松永範芳氏が、マニフェストの中で「性的少数者の支援としてパートナーシップ宣誓制度の来年4月導入を目指す」と掲げています。
 鹿児島市では昨年9月、市議会でLGBT施策が議題に上った際、とある市議が「(同性パートナーシップ証明制度の)ニーズはほとんどない」「地方都市がLGBT施策を推進すべきでない」「自然の摂理に合った男女の性の考えを強調すべき」などと発言し、抗議運動が起こりましたが(足立区議とは異なり)謝罪には至っていません。鹿児島のLGBT団体「レインボーポート向日葵」は、改めて同性パートナーシップ証明制度導入の要望を行なったそうですが、状況は変わっていないようです。もし松永氏が当選したら、進展を見せることが期待されるのではないでしょうか。
 

 それから、来春に予定される千葉県知事選に向け、千葉市の熊谷俊人市長が立候補する意向を表明しましたが、記者会見の中で、「LGBTなど性的少数者や障害者、外国人も含めた共生社会実現に向けた条例制定も目指す」と語ったそうです。現状、LGBT差別を禁じる条例がある都道府県は東京都と茨城県だけ(そして三重県で審議中)です。もし千葉県でも条例の制定が実現すれば、その意義は決して小さくはないと言えます。
 熊谷市長は昨年1月、千葉市で同性パートナーシップ証明制度スタートの交付式を行った際、「大学時代の仲間にLGBTがいた。カミングアウトされた時は驚いたが、普通の友人づきあいができた。多くのLGBTが不都合や不便を被っている」「制度が全ての人にとって生きやすい社会実現の第一歩になる。皆さんの人生とパートナーシップを応援したい」と述べています。千葉市の制度は初めて事実婚のカップルを対象に広げたものでした。また、千葉市は2017年、全国で初めて同性パートナーがいる市職員も結婚・介護休暇制度を利用できるようにするという就業規則の改正を実施しています。

 
 栃木県知事、鹿児島市長、千葉県知事という、全国の決して小さくはない自治体の首長選で、同性パートナーシップ証明制度のことが争点…とまでは言えませんが、このように、導入の意向を明らかにしたり公約に掲げたりすることが当たり前になっていることは感慨深いです。

 11月1日には埼玉県北本市、栃木県栃木市、千葉県松戸市で同性パートナーシップ証明制度がスタートし、導入自治体が64となりました。自治体にパートナーシップ制度を求める会によると、同性カップルがパートナーシップ証明を受けられる自治体の人口の合計(カバー率)は全人口の30%を超えたそうです。
 
 

参考記事:
栃木県知事選告示 現新2氏の論戦火ぶた コロナ、多選是非など争点(産経新聞)
https://www.sankei.com/politics/news/201029/plt2010290036-n1.html
2020とちぎ知事選「政策を問う」(下野新聞)
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/379303
鹿児島市長選 前副市長・松永氏がマニフェスト発表(南日本放送)
https://news.goo.ne.jp/article/mbc/region/mbc-2020103000045688.html
熊谷千葉市長が千葉県知事選に出馬表明 市長選とのダブル選に(東京新聞) 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/65971


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