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長岡京市に続き、大和郡山市と清瀬市の市議会でも同性婚の法制化に向けた意見書が可決されました

2020年12月22日

 長岡京市では9月23日、市議会の議員政策研究会が性の多様性についての提言をまとめ、同性パートナーシップ証明制度の導入を呼びかけましたが、その際、同性婚の法制化に向けた議論を進めるよう政府や国会に求める意見書も全会一致で採択していました。全国初です(詳細はこちら)。そして、この12月、長岡京市に続き、同性婚の法制化に向けた議論を進めるよう政府や国会に求める意見書を採択する自治体が現れました。

 奈良県大和郡山市議会では12月16日、「同性婚の法制化に関する議論の促進を求める意見書」が可決されました。「地方自治体ではパートナーシップ制度による支援が広がりつつありますが、法制化を進めなければ解決できない問題が多くあるのが実情です」「国におかれては、性的少数者も等しく社会で認められ、多様性が尊重される共生社会を実現するため、同性婚の法制化に関する議論を促進することを強く求めます」と訴えるものです(全文はこちら。PDFです)

 東京都清瀬市議会では12月17日、「同性婚を認める民法改正等法整備を求める意見書」が可決されました。「憲法24条第1項の「両性の合意」規定は(中略)制定趣旨に照らせば、性別を問わずすべての人に「婚姻の自由」を保障しているもので、同性婚を認めることは憲法の精神に沿ったものです」「同性婚がないことは、異性愛のみが正当だという認識につながり、多くの性的少数者に、自分も等しく社会で認められ尊重される存在だと思うことをより難しくさせているとの指摘もあります」
(全文はこちら。「清瀬市LGBTqコミュニティ いろは」の活動に携わっている佐藤良太さんが報告してくださいました)
 

 地方自治体(地方公共団体)の議会は、地方自治法第99条の規定に基づき、国会に対して意見書を提出することができます。
 意見書には法的拘束力はありませんが、住民代表である地方議会の総意として尊重されます。
 衆議院では、提出された意見書は、議長において受理した後、適当の委員会に参考送付されます。
 参議院でも、意見書を受理した後、その件名及び提出議会名を参議院公報に掲載し、関係委員会に参考送付しています。

 地方自治体はこれまで、LGBTQの住民の生きづらさを解消する(権利を保障する)ために、住民にLGBTQへの理解を求めるような啓発を行なったり、条例で差別禁止をうたったり、同性パートナーシップ証明制度をつくったり、公文書から性別欄を撤廃するなど様々な施策を進めてきました(自治体によって対応にばらつきはありますが)。しかし、自治体でできることには限りがあるため、本気でLGBTQ住民の生きづらさを解消しようと考えたとき、その根本になっている国の構造的差別(法的に結婚が認められないこと)に対し、意見を述べるというのは、とても正統なことです。自治体ができることはまだある、と気づかせてくれた長岡京市の功績は大きいと思います(なお、同市ではオープンリー・ゲイの小原明大市議が活躍しています)
 
 こうした地方議会からの意見書が全国から多数寄せられれば、国も同性婚の法制化に向けて議論を始めるきっかけになるかもしれません。

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