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レインボーフラッグを境内に掲げ、LGBTQを救済する愛知県のお寺のお話が中日新聞に掲載されました

2020年08月06日

 同性カップルは結婚を認められず、なかには亡くなったパートナーの葬儀にすら参列できない方もいます。生涯添い遂げた二人が一緒のお墓に入れなかったり、親族からお墓への納骨を拒否されたりという「弔い」をめぐる問題も起きています。
 そんななか、愛知県愛西市の大法寺が毅然とLGBTQを擁護し、境内にレインボーフラッグまで掲げている、というお話が中日新聞で紹介されていました。

 5年ほど前、愛知県愛西市の浄土宗大法寺の長谷雄蓮華(はせをれんか)住職は、セクシュアルマイノリティの方のお通夜の席で、お墓を所有する遺族が「気持ち悪い」と言って納骨を拒否したことに対し、「あなたたちは何を言っているのですか」と一喝したそうです。遺族は、亡くなった方のパートナーが葬儀に参列することも拒んでいましたが、長谷雄住職が説得し、友人席で葬ることができたそうです。
 住職はこの出来事をきっかけに「仏様が『LGBTだから』で救済を区別するはずがない」と考えるようになり、これまで見捨てられがちだったLGBTQを救済するための行動を起こしはじめました。
 大法寺の公式サイトに「LGBTのご縁の方へ」というバナーを設け、「お釈迦様は平等のお心をお持ちです。今生での性別は仏教では大した問題ではありません」「当寺のお墓は、誰とでも一緒に眠って頂けます」と書きました。
 また、戒名に女性を表す「大姉」や男性を表す「居士」を付ける慣例を一律、廃止したそうです。
 1年ほど前からは、レインボーフラッグを境内に掲げ、当事者の相談にも乗っています。
 境内の墓地には、すでに数人のLGBTQが眠っているといいます。
 
 大法寺のように積極的にLGBTQを救済しようとするお寺は、全国的に見ても貴重です。東京都江戸川区の證大寺、大阪府守口市の性善寺、川越市の最明寺なども、LGBTQのためにできることをしてくださっています。しかし、仏教の主要宗派ではLGBTQの受容を促すような大きな動きはまだ見られず、それぞれの寺院の判断に委ねられているというのが実情です。
 各地で寺院を対象にLGBTQに関する勉強会を開いているコンサルティング会社アンカレッジ(東京都)には、寺側が親族とのトラブルを恐れ、亡くなった方の納骨を拒否するケースが報告されています。やむなくパートナーの遺骨を海洋散骨する人も多いそうです(なんと残酷なことでしょう…私たちは生きている間も差別され、死んでも差別されるのです)
 同社の伊藤照男相談役は「日本の墓は代々の親族が入るという通念が強く、(親族に認められない)LGBTのカップルなどが一緒に入るのはハードルが高い。独立した新しいお墓に納めたくても、寺や相手親族に反対され、死後の行き場がない状態にある」と訴えます。
 愛知県津島市在住のトランス女性の行政書士・深井勝彦さんは、「長い間パートナーとして過ごし、添い遂げたのに、死後は別々では、あまりにつらい。遺体の見送りすらできなかった方もいる。法的に夫婦と認められるのが理想だが、まずは世間で理解が深まるようになってほしい」と訴えています。

 
 
参考記事:
「死後も一緒」LGBTに壁 寺や親族から拒否多く(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/99584

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