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「花形文化通信」に連載中のシモーヌ深雪さんへのインタビューが絶品です

 1989~1997年に関西で発行されていたサブカル系フリーペーパー「花形文化通信」を憶えている方もいらっしゃることでしょう(扇町ミュージアムスクエアとかに芝居を観に行くと、もれなくもらえましたよね)。その「花形文化通信」が2018年10月、21年ぶりにWebで仮リリースをして復刊しました。まだそんなにコンテンツは多くはないのですが、7月からシモーヌ深雪さんのインタビュー連載が掲載されていて、とても面白いです(全6回で、いま第5回まで掲載。もうすぐ最終回が掲載される感じです)

【インタビュー】シモーヌ深雪 シャンソン歌手/ドラァグクイーン その1/6
https://hanabun.press/2020/07/17/simone01/
【インタビュー】シモーヌ深雪 シャンソン歌手/ドラァグクイーン その2/6
https://hanabun.press/2020/07/24/simone02/
【インタビュー】シモーヌ深雪 シャンソン歌手/ドラァグクイーン その3/6
https://hanabun.press/2020/07/31/simone03/
【インタビュー】シモーヌ深雪 シャンソン歌手/ドラァグクイーン その4/6
https://hanabun.press/2020/08/07/simone04/
【インタビュー】シモーヌ深雪 シャンソン歌手/ドラァグクイーン その5/6
https://hanabun.press/2020/08/14/simone05/
 
 インタビュアーの方は最初に「シモーヌさんはある意味ずっと孤高の存在。独自のポジションから文化の変遷をみつめるシモーヌさんの視点は、社会におけるひとつの定点として読み解くこともできます」と見立て、シモーヌさんのドラァグクイーンとしての顔、シャンソン歌手としての顔、漫画や音楽などへの造詣について、お話を引き出しています。

 日本で最も早く、80年代からドラァグクイーンをやっていたシモーヌさんですが、実は「キャンプとかドラァグクイーンという言葉を知らずにやっていた」といいます。もともと宝塚とかパリのキャバレーのような羽根がたくさんついた非現実的な衣装とか、キャンプなものが好きで、バンド活動でもメイクをしていたり、レヴューユニット「上海ラブシアター」を立ち上げたり、そんななかで古橋悌二(ミス・グローリアス)さんに出会い、「あなたはドラァグクイーンです」と言われて、初めてドラァグクイーンという言葉を知ったそうです。
 どちらかというと自分はシャンソン歌手であり、「私は、ドラァグクイーンとしてのステイタスやプライドはあまり重要視してないんだと思う、たぶん」と語るシモーヌさん。「私は破壊が足りないんじゃないかと自分では思っているんです」

 最近、「DIAMONDS ARE FOREVER」のメンバーと、子どもたちに絵本の「読み聞かせ」をやった時のお話(ドラァグクイーンの絵本読み聞かせは海外で流行し、いま日本にも波が来ているところです)。「ライヴ」と「ショー」と「絵本の読み聞かせ」の3つをパックにして、それを休憩なしで3ステージやったそうです。
「グランドピアノが置いてあったので、うちのパーティーのDJのカオルちゃんにピアノを弾いてもらい、私が歌を歌いました」
「特に2回目は放送禁止用語が入ってるようなものをあえて選びました。子どもにも親にも、性的なものに直接触れてもらう情操教育も兼ねながら」
「私はPTAや教育委員会から「ふしだらざます」と怒られたかったんですが、残念ながらそんな苦情はありませんでした」
「次にある時には、オリジナルの絵本とかが出来ればいいなと思っています。倫理観や道徳観がアウトなやつ(笑)」

 最後に、第5回で披露された、「ポルノグラフィへの思い入れ」について。
 インタビュアーの「AVもポルノの一種なのでは?」という質問に対し、
「いやいや違う違う、ノンノンノン。AVとポルノは違います。AVは個人の性欲の欲求をその場で処理するための道具であり、ポルノは時代を超えて、人間にとってエロティシズムとは何かや、社会とエロティシズムの関係から見えてくるものを考察できる、アカデミックな装置なのです。さらにいえば、猥褻の中でも純度の高い官能を大切にしているもの、それがポルノグラフィです」とのお答え。
「私はポルノから多くのことを学びました。BL/やおいにしろ、ユーロトラッシュにしろ、フェティッシュアートにしろ、そこで描かれている猥褻から、宇宙の真理とまではいかなくも、哲学や美学、男とは何か、女とは何か、なぜ性は多様なのか、時代とともに形を変えてゆくアブノーマルの変遷、それが語っているもの、その他いろいろなことを」
「ただ、ポルノ支援を宣言している人は少なくなりましたよね。ポルノ奨励みたいなアクティヴィズムの運動があれば、ぜひ実行委員として参加してみたいです。ポルノを奨励する人ってなんて言うんでしょうね? ポルニスト? ポルナー?(笑)」
 たいへん興味深く、シモーヌさんのポルノグラフィ論をもっと聞いてみたいと思いました。
 田亀先生などもそうだと思いますが、文化への造詣や愛着、膨大な映画や演劇や文学や漫画などに触れてきたからこその深みを感じさせました。

【追記】8.22
 最終回がアップされました。紙媒体とWebの違いについて、ゲイエロティックアートについて、そしてLGBTQ+について、でした。
「LGBTQ+コミュニティの中ではシモーヌさんはゲイと呼ばれるのでしょうか。もし、他の名前で呼ばれるとしたらなんと呼ばれたいですか?」という質問に対するシモーヌさんのお答え:「「カストリ※の人」と呼ばれたいです。昨今のリヴやプライドが目指すものからは逆行するかもですが、「エログロ変態さん」でもかまいません。エロやグロや変態が卑下されない世の中になればいいですね」(※カストリ:シモーヌさんによると、大正から昭和初期に流行したエロをフィーチャーした猟奇雑誌のこと)
 素晴らしかったです。

【インタビュー】シモーヌ深雪 シャンソン歌手/ドラァグクイーン その6/6
https://hanabun.press/2020/08/22/simone06/

 
 そんなシモーヌ深雪さんの本業?本体?であるシャンソン歌手としてのライヴが8月24日、オンラインで配信されます。滅多にないことですので、この機会にぜひ、ご覧ください。

SIMONE FUKAYUKI CHANSON LIVE ONLINE STREAMING シモーヌ深雪 ライブ2020 -SUMMER FESTIVAL- 
日時:8月24日(月)21:00-22:30
オンラインストリーミング(ZAIKO)
料金:前売券1200円、当日以降券1500円

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