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【追悼】マドンナ、チャーリーXCX、安室奈美恵さんなどに楽曲提供してきたトランスジェンダーのアーティスト、SOPHIE

2021年01月31日

 1月30日、第61回グラミー賞の最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞にノミネートされ、マドンナ、チャーリーXCX、安室奈美恵さんなどへの楽曲提供もしてきたトランス女性ミュージシャンのSOPHIEが不慮の事故で亡くなりました。34歳でした。ご冥福をお祈り申し上げます。

 SOPHIE(本名ソフィー・ジオン)は1986年、スコットランド・グラスゴー生まれで、LAを拠点に活動していたミュージシャンです。バンド「Motherland」でキャリアをスタートしたのち、2013年に設立されたA.G.クックによるレーベル「PC Music」周辺のプロデューサーとして知られるようになり、同年にシングル「Nothing More To Say」でソロデビューを果たします。その後、グラスゴーのクラブ・ミュージック・レーベル「Numbers」から変調が特徴的な2ndシングル「BIPP」を発表し、その実験的なポップかつエレクトロニックなサウンドとソングライティングセンスなどが高い評価を得ました(それらは2015年にコンピレーション・アルバム『PRODUCT』へまとめられています)
 2017年にトランス女性であることをカムアウトしました。
 2018年のファースト・アルバム『OIL OF EVERY PEARL’S UN-INSIDES』では自身のヴォーカルをフィーチャーし、先鋭的なプロダクションでトランス女性としてのアイデンティティを表現、そのサウンドやテーマ性などが高く評価された同作は、第61回グラミー賞の最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞にノミネートされています。
 SOPHIEは多くのプロデュース・ワークやコラボレーションでも知られています。チャーリーXCX(「After The Afterparty feat. Lil Yachty」)をはじめ、カシミア・キャット、キム・ペトラス、マドンナ(「Bitch I'm Madonna ft. Nicki Minaj」)、ムー、ヴィンス・ステイプルズ、レッツ・イート・グランマ、ITZY、ガイカ、シャイガール、アルカ…など枚挙に暇がありません。安室奈美恵さんにも「B Who I Want 2 B feat. HATSUNE MIKU」の作詞・作曲・プロデュースも行なっています。
 MIKIKIの記事では、「懐古主義や過去の音楽の模倣が幅を利かせるようになった21世紀の音楽シーンで、SOPHIEはオリジナルで新しい、きわめてフューチャリスティックな未知のサウンドを生み出したアーティストだった」と評されています。「過激なまでにエッジーで、自由で、アバンギャルドでさえある彼女の音楽は、しかしどこまでもポップで親しみやすいものだった」

 今月、SOPHIEのアイドルであるオウテカによる「BIPP」のリミックスが公開され、そのB面としてSOPHIEの未発表曲「UNISIL」もリリースされたばかりでした。

 しかし、30日午前4時頃、アテネで満月を見るために高いところに登っていた際、誤って足を滑らせてしまい、亡くなったそうです。 
「ミュージシャンでありプロデューサーでもあるSOPHIEが今朝4時頃、アーティストが住んでいたアテネで突然の事故に遭い、亡くなりました。現時点では、ご家族のプライバシーを尊重することが私たちの優先事項です。また、彼女のファンの皆様には敬意を払い、このニュースのプライベートな性質を敏感に受け止めていただきたいと思います。
 SOPHIEは新しいサウンドの先駆者であり、過去10年間で最も影響力のあるアーティストの一人でした。独創的なプロダクションと創造性だけでなく、達成されたメッセージと知名度についても注目されていました。解放のアイコンでした」
(公式声明より)

 
 
参考記事:
実験的なポップサウンドで知られる気鋭プロデューサー SOPHIE が死去(HYPEBEAST)
https://hypebeast.com/jp/2021/1/sophie-acclaimed-avant-pop-producer-dead-at-34-news
ソフィー(SOPHIE)が急逝 安室奈美恵やマドンナ、チャーリーXCXらとの仕事で知られるアーティスト(MIKIKI)
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/27550
ミュージシャン/プロデューサー/DJのSOPHIE死去(amass)
http://amass.jp/143880/

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