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ニューヨーク州でHIV陽性者がワクチン優先接種の対象に含まれることになりました

 ニューヨーク州のクオモ知事が導入した新しいガイドラインのおかげで、HIV陽性者が同州のワクチン接種の優先対象に含められることになりました。

 
 ニューヨーク州のAmida Care(同州の医療計画に携わる非営利団体)、Housing Works(HIV陽性者やホームレスの支援団体)、ゲイメンズヘルスクライシス(米国最古のゲイのHIV団体)、Treatment Action Group(HIV団体)、Black AIDS Institute(アフリカ系アメリカ人のHIV団体)などがクオモ知事に対して、HIV陽性者がワクチンを優先的に受けられるように求めてきたことを受けて、1月末、クオモ州知事はコロナ対策に関する新しいガイドラインを発表し、その中で、"免疫不全"の人々はワクチンの優先的接種対象者になると発表しました。そして2月8日、クオモ州知事は、HIV陽性者が接種を受けられることを確証し、14日には予約が、15日には接種が始まることになりました。

 Callen-Lorde(LGBTQを支援する医療センター)のピーター・ミーチャー医療事務局長は「私たちはニューヨーク州でHIV陽性者が対象となったことを喜んでいます」と語りました。
 Housing Worksのチャールズ・キングCEOは、「ニューヨーク保健局は、HIV陽性者は陰性の人に比べるとCOVID-19で入院する割合が高く、死亡率も高いことを示している。ワクチンへのアクセスは脆弱な層の人にとって重要で、その中には住居が不安定な人、精神疾患を患う人、オンラインリソースにアクセスできない人なども含まれる」と語っています。
 
 これまでの調査で、HIV陽性者だからといって新柄コロナウイルスに感染しやすいわけでも、COVID-19に関してより大きなリスクがあるわけでもないとされてきました。一方で、米保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所であるCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が発表している「もしCOVID-19を発症したらリスクが増大する危険があるような深刻な持病」のリストでは、HIV陽性者は深刻なインパクトがある「かもしれない」とされています。
 
 
 なお、CDCは2月5日、「Sexual Orientation Disparities in Risk Factors for Adverse COVID-19–Related Outcomes, by Race/Ethnicity — Behavioral Risk Factor Surveillance System, United States, 2017–2019」というレポートを発表し、COVID-19がLGBTQにとってどのようなリスクがあるかということが、ようやく明らかにされました。
 このレポートは、2017年〜2019年の「Behavioral Risk Factor Surveillance System(BRFSS)」という調査結果を引用し、セクシュアルマイノリティは喘息、発作、腎臓病、心臓病、慢性閉塞性肺疾患、肥満、喫煙、糖尿病、高血圧などを患う傾向が高いため、COVID-19を発症した際に悪化するリスクが高いとしています。
 さらに、LGBTQは、他のマイノリティ集団と同様、雇用が不安定で、住居差別を受け、虐待や、医療拒否などにあう人も多いというリスクに直面しがちであり、これらは健康上の問題に直結すると指摘しています。また、LGBTQはレストラン、食料品関係、医療、小学校や大学の先生、小売業など、新型コロナウイルスにかかりやすい職業の人が多いことも懸念されています。
 また、BRFSSのデータはトランスジェンダーとノンバイナリーの回答者が少なすぎて統計にならないとの自己分析もしています。このレポートの要約文では、「この国のコロナ禍に関する調査のシステムが「性的指向の情報に欠けている」と、セクシュアルマイノリティの間でのコロナ関連の不均衡の検証を妨げている」と指摘しています。
 
 米国最大の人権団体Human Rights Campaignのアルフォンソ・デヴィッド代表はこのレポートを受けて、連邦政府に、コロナがLGBTQコミュニティにどのような影響を与えたかを正しく調査することを求めました。
「このレポートは、LGBTQの活動家や組織が、ずっと前から知っていたことを改めて断言しているものです。LGBTQコミュニティがコロナ禍の影響をより深刻に、不均衡に受けやすいということです」
「マイノリティ集団における健康上の格差が政府の統計に捕捉されることは重要です」
「トランプ政権は、それに失敗してきました。バイデン政権がLGBTQの健康に政治的に介入しないことは歓迎すべきことです。信頼に値します」
「しかし、この調査結果は、最初のステップに過ぎません。トランスジェンダーとHIV陽性者へのより詳細なリサーチが望まれます。高いリスクがあると考えられるからです」

 
 
参考記事:
People With HIV Will Soon Be Eligible to Receive COVID Vaccine in New York(them.)
https://www.them.us/story/people-with-hiv-soon-covid-vaccine-eligible-nyc/amp
New York Expands Vaccine Access to People Living with HIV(Gay City News)
https://www.gaycitynews.com/hiv-advocates-expanded-vaccine-guidelines-for-people-living-with-hiv/
C.D.C. Report: Gay and Bi People at Greater Risk for Severe COVID-19(Advocate)
https://www.advocate.com/health/2021/2/10/cdc-report-gay-and-bi-people-greater-risk-severe-covid-19

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