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女性へとトランスした元プロレスラーと、それを支えた家族のストーリーが感動を呼んでいます

2021年02月12日

 タイラー・レックスというリングネームで2009年〜2012年、WWE(アメリカで最も有名なプロレス団体)の一員として活躍し、FCWフロリダヘビー級王座に輝いたこともあるスター選手だったギャビー・タフトが2月4日、女性へとトランスしたことをカムアウトしました。

 ギャビー・タフトは、米現地時間2月4日に出演した情報番組『Extra』で、自身のジェンダーは生まれたときに割り当てられた「男性」ではなく、女性であると語り、性別移行後の姿で現れました。
 同時に発表したプレスリリースでは、「ギャビーはまさに今、WWEのスター、ボディビルダー、フットネスの達人、モチベーションの講師、バイクレーサーから、ファンが愛するファビュラスな女性へと性別移行しているというワクワクするようなストリーをシェアしようとしています」と述べられています。
「彼女はついに自由になりました。世界を席巻する準備はできています」
「レスリングや他のスポーツのファン、友人、フォロワーはギャビーのストーリーを見逃してはなりません。私たちはLGBTQコミュニティの人たち、トランスジェンダーのイシューを扱う人たちを、喜んでサポートします」
 
 その直後に更新したInstagramの投稿では、「これが私。恥じることなく、ありのままの私。私は、ずっと、自分の中の影に隠れていた部分を、みんながどう思うか不安で、怖れていました…家族や友だち、フォロワーに何て言われるかと。でも、今はもう心配もしてないし、恐れも抱いていません。自信をもって、自分自信をありのままに愛しています」と綴り、出生名の「ガブリエル」ではなく、「ギャビー」と名乗ってこれからの人生を生きていくことを表明しました。
 ファンからは「おめでとう」「あなたは真のヒーロー」といった温かいメッセージが寄せられました。

 ギャビーはプロレスラーを引退したのち、妻のプリシラとともにボディ・スパルタンというフィットネスの会社を立ち上げました。ボディビルダー、フットネスの達人、モチベーションの講師、バイクレーサーとしても活躍してきました。筋肉粒々のたくましい男性たちが切磋琢磨するプロレス界に身を置きながらも、ずっと心の中に葛藤を抱え、本当のジェンダーを押し殺そうと必死だったといいます。

 どうやって性別移行のことをカムアウトしていくかと悩んでいた8ヶ月間は、「私の人生の中で最も暗い時間」だったと語ります。
「トランスジェンダーであるという混乱と、直面しなければいけない世界が、何度も私を終わらせようとしました」
「しかし、他の人に何と思われようと構わないと思えるようになった日から、限界がなくなり、本当の自分が光の中へと入っていくことが許されたのです」
 大きな不安や恐怖を乗り越えてカミングアウトの日を迎えられたことについて、「今日という日は、私の人生においていちばんワクワクする日かも。結婚式と子どもが生まれた日の次にね」と語りました。

 ギャビーはWWEデビューする以前から交際していた妻プリシラと2002年に結婚し、お互いをソウルメイトと呼び合う「おしどり夫婦」として人々に認知されてきました。
 ギャビーは、自身が不安に打ち勝ち、無事にカミングアウトの日を迎えられたのは、プリシラがずっとそばでサポートし続けてくれたおかげだと語っています。ギャビーがトランスジェンダーであることをプリシラに話してから、二人の間に肉体関係はなく、自分たちの関係の「まったく新しい側面を発見した」といいます。結婚するまでお互いに性経験が浅く、初めてのキスをしたのが結婚式の当日だったというギャビーとプリシラ。プリシラにとっては、ギャビーが初めてのセックスの相手だったそうです。
 そんなプリシラは、ギャビーの性自認のことを知ってからも、パートナーとして関係を続け、性別移行をサポートしていくことを決意しました。
 
 プリシラが、ギャビーのカミングアウト後に投稿した動画では、ギャビーとの深い絆を感じさせる、こんなコメントも添えられていました。
「魂は中性的なもの。そして、愛は永遠なるもの。23年間、愛してきました。そして、これからも一生続いていきます」

 あるフォロワーからは、「この動画を見るのはキツい。あなたがどれだけ辛い思いをしたか。ギャビーを支えていこうと決断できたのは素晴らしいけど、それに伴う痛みは私には想像もできない。あなたは凄い人だね」というコメントが寄せられました。これに対してプリシラは、自分を心配してくれたことに丁寧にお礼を述べたうえで、「いくつもの段階を経て、(現実を)受け入れられるようになりました」と、心に折り合いをつけるのは決して簡単なことではなかったとも打ち明けました。

 ギャビーがカミングアウトを躊躇してきた理由のひとつには、もしも人々に嘲笑され、9歳になる娘のミアが傷ついてしまうようなことがあったら…という不安があったそうです。でも、思い切ってミアに相談したところ、ミアからは、力いっぱいのハグと「パパ、私は絶対にあなたのことをからかったりしないからね」という温かい言葉が返ってきたそうです(泣きそう…)
 ギャビーとプリシラは、今もミアと、性別移行のことについて話し続けているそうです。
 
「あなたの姿を見て、『彼女にできるなら、自分にもできるかも』と考える人が増えるかもしれませんね」と『Extra』のレポーターに言われたギャビーは、「その通り!」と答えました。
「私は、自分の物語を100%透明性を持ってお伝えするつもりです。トンネルの向こうには光があり、それが希望の光だと知っていたら、人は生きていけるもの。『私/僕にだってできる』と思ってもらえるかもしれません」 

 


 ちなみに、プロレスラーといえば先月、ワシントンD.C.を拠点に活動するインディーズのプロレスラーで「プロの殺し屋」の異名をとるミスター・グリムが、パンセクシュアル(好きになる人の性別はこだわらない)であることをカムアウトしています。ミスター・グリムは新年を迎えた日、Twitterに「長い間、自分のアイデンティティに苦しんできた。他人にどう思われるか心配していたんだ。でも、とうとう、自分はパンセクシュアルだと表明する勇気を得られた」と投稿。ファンたちからたくさんの応援のメッセージが寄せられています。


 
参考記事:
Former WWE superstar Gabbi Tuft comes out as trans: ‘This is me. Unashamed, unabashedly me’(PinkNews)
https://www.pinknews.co.uk/2021/02/05/gabbi-tuft-coming-out-trans-woman-wwe-superstar-tyler-reks/
トランスジェンダー公表の元プロレスラー、20年来の妻がかけた言葉にグッとくる(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17430598
女性への性転換を公表した元レスラー「内面的には今の方がずっと強い」 鍛え上げた肉体を失う恐怖も克服(ねとらぼ)
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2102/10/news121.html

Pro wrestler Mr. Grim comes out as pansexual(OutSports)
https://www.outsports.com/2021/1/4/22213561/mr-grim-coming-out-pansexual-lgbtq-pro-wrestling-aew-nyla-rose

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