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米ユニバーサル、ハリウッド大手スタジオとして初のゲイロマコメ制作へ、脚本と主演はゲイのメディ俳優ビリー・アイクナーが務めることに

 米ユニバーサルが3月6日、ハリウッドの大手スタジオとして初となるゲイを主人公にしたロマンティックコメディ映画『BROS』を制作、主演と脚本をオープンリー・ゲイのコメディ俳優、ビリー・アイクナーが務めることを発表しました。


 自身の冠番組『Billy on the Street』がエミー賞に4度ノミネートされ、『ライオン・キング』のティモン役や映画『ノエル』、ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』などに出演する俳優としても人気のコメディアン/俳優のビリー・アイクナーは、Twitterで、「映画を作ることになった!!! 2022年8月公開予定だよ。衝撃的なことに"BROS"はメジャーなスタジオが製作する初めてのゲイのロマコメで、僕がその最初の脚本家、主演に起用されたんだ。(映画が生まれてから)たった100年しかかからなかったよ! ありがとうハリウッド!」とコメディアンらしくギャグをまじえながらコメントしました。
「正直言って信じられないよ…。ちょっとそこをどいてジュリア・ロバーツ、新しいロマコメクイーンのお出ましだ!」
「2006年に大手エージェントの前ではゲイっぽくしないよう注意してきてマネージャー、クソくらえ!!!! ごめんお口にチャック」
 

 VOGUE JAPANの記事「「ハリウッドにゲイの大物俳優がいないのは、偶然ではない」──映画業界の多様性を推進する俳優のビリー・アイクナー。【社会変化を率いるセレブたち】」によると、ビリー・アイクナーは長年ハリウッドでゲイが過小評価されてきたことについて、こう述べています。
「ハリウッドには、トム・ハンクスやウィル・スミスに匹敵するゲイの大物俳優はいないよね。長い映画製作の歴史がありながら、ただの一人もいない。十分な才能とキャリアを持ち合わせたゲイの俳優が見つからないのは、決して偶然ではないと思う」
「ハリウッドでは、誰かがゲイであることをカムアウトすると『よく言った!』と祝福され、それを機にその人を雑誌の表紙に起用することがある。さらに、『勇気をもらった』『ゲイの子どもたちの希望だ』などと一時的に持ち上げ、急に仕事が増えることも。それはいいことでもあるけど、僕らゲイの俳優は、ある種、限定的におだてあげられてきたとも言える」
 
 ハリウッドがゲイの俳優を特別視する根源には、「男らしさ」至上主義があると、アイクナーは指摘します。
「例えば、男性的な俳優が女々しい演技をしたとき、『新たな一面を見せてくれた』などと評価される。でも、それが逆だった場合はどうだろうか? 普段からフェミニンな印象の男性俳優が、男の中の男のように振る舞ったら? ハリウッドでは、それはもうギャグにしかならない。マスキュリニティ(男性性)至上主義だよ」
「実は今、プロデューサーにトム・マクナルティを迎え、『Man in the Box』というノンフィクション映画を製作中なんだ。主人公は60年代から20年続いたTV番組『The Hollywood Square』に出演し、1982年に他界したコメディアンで俳優のポール・リンド。彼は生涯を通じてカムアウトすることはなかったけど、当時許されたギリギリの線までゲイであることを匂わせていた人なんだ」

 アイクナーはさらに、ゲイの俳優がゲイの主人公を演じること(リプレゼンテーション)の重要性について、こう語っています。
「我こそはハリウッド初のLGBTQコミュニティのファンドサポーターだ、と主張する人がハリウッドには多いけど、それよりもまず、LGBTQの物語はLGBTQの俳優が演じなくてはダメだと主張してほしいんだ。今のままでは、まるで『私たちハリウッドは、あなたたちLGBTQ俳優に対し、リベラルで、寛容で、理解もある。だけど、ゲイの主人公をゲイの俳優が演じた作品なんて、これまでありましたっけ?』と古い慣習を押し付けられている感じが否めない」
「役づくりのために30人のゲイと何日間も一緒に過ごさなくても、僕らにはゲイとしての実体験があるし、作品に知的なニュアンスを加えることもできる。ゲイのことを最もよく知っているゲイの俳優が演じることは何もおかしいことではない。だけどもし、ストレートの俳優がゲイの役を演じきることができれば、その時は僕らもその演技力を称え、オスカーを授与するよ」
「ゲイは映画を観に行くたびに、隠れゲイキャラクターを探すんだ。『美女と野獣』(2017年)で男らしいガストンを崇拝するル・フウがゲイかどうかを憶測する必要のないエンターテインメント界に、もうそろそろ生まれ変わるべき。子どもやファミリー向けの作品に、もっと堂々とLGBTQキャラクターが登場してもいい。そして、それが当たり前の世界になることが僕の願いなんだ」


 ユニバーサルが初のゲイのラブコメを制作する、オープンリー・ゲイのビリー・アイクナーが脚本と主演を務めるというニュースは、大きな反響を呼んでおり、「ゲイとして楽しみで仕方がない」「ここ数年で最高のニュース」「大きな進歩だ」と当事者から多くの喜びの声が上がりました。ハリウッドがカミングアウトしやすい環境になったことを歓迎する声も見られたそうです。
 
 『BROS』は『ネイバーズ』シリーズのニコラス・ストーラーが監督し、アイクナーとともに脚本を共同執筆します。また製作には、ジャド・アパトー(『40歳の童貞男』)、ジョシュア・チャーチ(『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』)など、コメディ作品を手掛けてきたプロデューサーが参加。相手役を含めたキャスティングはまだ発表されていません。
 日本での公開がいつになりそうかということも含め、続報に期待、ですね。


 
参考記事:
Billy Eichner to Make History Starring in Major Gay Romcom, 'Bros'(Out)
https://www.out.com/film/2021/3/08/billy-eichner-make-history-starring-major-gay-romcom-bros
米ユニバーサル、ハリウッド大手スタジオとして初のゲイロマコメ制作へ 「たった100年しかかからなかったよ!」(ねとらぼ)
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2103/08/news085.html
「ハリウッドにゲイの大物俳優がいないのは、偶然ではない」──映画業界の多様性を推進する俳優のビリー・アイクナー。【社会変化を率いるセレブたち】(VOGUE JAPAN)
https://www.vogue.co.jp/change/article/celebrities-driving-social-change-billie-eichner

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