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兵庫県姫路市、佐賀県唐津市、神奈川県大井町が同性パートナーシップ証明制度を導入する意向です

 兵庫県姫路市が同性パートナーシップ証明制度の2021年度中の導入を目指す意向を明らかにしました。清元秀泰市長が3月8日の市会本会議で「学識経験者らにも意見を聞いて創設したい」と述べました。
 兵庫県内では、宝塚市(2016年6月1日導入。全国で4番目の早さ)、三田市(2019年10月11日)、尼崎市(2020年1月6日)、伊丹市(2020年5月15日)、芦屋市(2020年5月17日)、川西市(2020年8月1日)、そして全国で初めて同性パートナーシップ証明制度だけでなくファミリーシップ証明制度なども創設した明石市(2021年1月8日)と、計7市で導入されています。 
 姫路市人権啓発課によると、創設する自治体が増えるにつれて、市民らから「制度を取り入れてほしい」との声が寄せられるようになったそうです。昨年、市民ら40人に実施したアンケートでは30人が導入に賛成したそうです。
 今後、市の職員らが研修会への参加などで知識を深めるそうで、清元市長は「(対象となるパートナーが)利用できる公的サービスの内容などを検討し、有意義な制度にしたい」と語りました。
 こちらの記事でお伝えしたように、姫路市には「そらにじひめじ」というゲイの方が運営している様々なマイノリティのためのコミュニティスペースがあり、明石のパレードもお手伝いしたりしています。姫路市が今後、こうした地元のコミュニティを支援してくれるようになるといいな、と期待します。

 
 佐賀県唐津市も、同性カップルなどを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」を来年度に導入する方向で、LGBTの支援団体などと協議を重ねているそうです。実現すれば、佐賀県では初めてです。
 市によると、具体的な制度設計はまだですが、二人が家族として市営住宅の入居申込み資格を得たり、市民病院でパートナーの病状説明を受けたりすることが考えられるそうです。
 2018年に始まった福岡市の制度では、市長に対してカップルの双方がパートナーシップを宣誓すると受領証(カード)2枚がもらえます。福岡市は同様の制度がある北九州市や熊本市など4市との間で、お互いの市のカードが使える協定を結んでいます。唐津市も福岡市と連携することで、移住先として選んでもらえるようにしたい考えだそうです。
 峰達郎市長は、昨年12月の市議会一般質問で「同性カップルが家族としての扱いを受ければ、生きづらさが軽減される。差別のない社会や、住みやすい唐津市の実現につながる。私がリーダーシップを取って進めたい」と答弁していました。
 なお、唐津市では先日の市長・市議選の投票の際、一部の投票所が男女別に並ばせて受付を行ない、「性的マイノリティへの配慮が足りないのでは」との批判を受けていました(詳細はこちら)。同性パートナーシップ証明制度だけでなく、こうした面での改善も求められるところです。


 また、神奈川県足柄上郡大井町も「(仮称)大井町パートナーシップ宣誓制度」の創設を予定しているそうです。
「この制度は、性的マイノリティの方々をはじめ、様々な事情により、婚姻制度を利用できず、悩みや生きづらさを抱えているカップルを対象に、町が二人の関係性を認める制度です。法律上の婚姻とは異なり、宣誓を行った当事者に法的な権利や義務が発生するものではありませんが、制度の創設によって、町民、企業、関係団体などに、性的マイノリティなどの方々についての理解が広がることで、多様性を認め、誰もが自分らしく暮らすことのできる地域社会の実現をめざすものです」
 導入時期などは未定で、現在、町民からパブリックコメントを募集しているところです。

 
 3月から「パートナーシップ宣誓制度」の運用を始めた京都府亀岡市では、9日、1組目となる20代の男性カップルがパートナーシップ証明を受けました。亀岡市役所を訪れたのは看護師の男性と学校教員の男性のカップルで、お二人は2年前に結婚式を挙げたそうです。一方が入院した際、医師に「家族の方ですか」と尋ねられて困った経験もあるそうで、今回宣誓を決めました。お二人は「制度を待ち望んでいた。同性婚も当たり前の世の中になれば」と語りました。
 初の宣誓を記念し、お二人に受領証を手渡した桂川孝裕市長は、「多様性を認め合い、カップルの行動を応援できるような制度にしたい」と述べました。


 それから、こちらは残念なニュースですが、2020年度中に同性パートナーシップ証明制度の導入を目指していた山口県宇部市で、「時期尚早」などといった反対意見が多数寄せられ、導入を9月に延期することになりました。昨年12月にパブリックコメントを実施し、217件の意見が寄せられたなかで、反対が8割程度を占めたそうです(「結婚して子どもを育てるのが本来の家庭のあり方」「制度導入は時期尚早」「多様な性を学ばせることで、未成熟な子どもの精神的な混乱を招く」など)。2月の市人権施策推進審議会では、市民の理解が不足しているという意見や、賛否はあっても導入し、当事者の現実を知ってもらうきっかけにすべきだといった意見が出て、市はこうした議論も踏まえ、制度導入の延期を決めました(詳細はこちら

 この宇部市の件について、やはり市民から「少子化が進むのではないか」「家族制度とか結婚制度が崩れるんじゃないか」といった否定的な意見が寄せられたにもかかわらず、「だからこそパートナーシップ制度が必要だ」と考え、制度を導入した札幌市のケースが、こちらの記事で紹介されています。
 当時、男女共同参画課の課長だった廣川衣恵氏は、「本当にこんなにあちこちでこんなふうに思われているんだな、マイノリティの方たちってこんな偏見のある中で暮らしていらっしゃるんだっていうことがわかったので、だからこそ本当に制度が必要だという思いを強めた」と語っています。
 現在の同課長・田中麻季氏によると、反対意見を寄せた方たちには、連絡先がわかる場合は返事を書き、市のプレスリリースの中でも伝えるなどして、パートナーシップ宣誓制度が従来の婚姻とか異性愛のあり方に影響を与えたり、現行の法制度や家族制度を崩したりするものではないということを説明したそうです。導入から約4年が経ち、むしろ制度を導入したことで市民への理解が広がったといいます。「性的マイノリティの方が新聞や番組などで取り上げられるようになっていますし、札幌市民の方たちにも認知度とか理解が進んできているのかなあと思います」「それまで性的マイノリティやLGBTっていう言葉については、全く知らなかったという方もいましたが、少しずつこういうものだとわかってくださる方も増えてきたんじゃないかなと思っています」
 明治大学法学部の鈴木賢教授も、パートナーシップ制度には「LGBTQの人たちを可視化させる」「同性カップルをめぐる社会通念を変える」「差別を無くす」といった効力があると語ります。「パートナーシップ制度には、LGBTQに対するスティグマを除去し、SOGI差別を無くしていくという力があります。LGBTQの人がそばにいる、身近な所に住んでいるということが示される。テレビに出ている人だけではなく、隣に住む隣人だということが意識されるようになると思います」。さらに、法的効力はないものの、それ自体が起爆剤となって、さまざまなところに効果が広がる、とも。2015年に渋谷区・世田谷区で始まった際、生命保険の受取人の指定など、民間企業でも同性カップルを家族とみなす対応が一気に広がりを見せました。「パートナーシップ制度をやった自治体から変わっていく。制度があるから、そういうことが起きる。まずは作ることが大事だと考えます
 


参考記事:
姫路市、21年度中にパートナーシップ制度導入へ(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/202103/0014138411.shtml
唐津市、パートナー制度導入へ 来年度、佐賀県内初(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP376QZPP2LTTHB00C.html
足柄上郡大井町がパートナーシップ宣誓制度(仮称)の創設に伴いパブコメ募集(タウンニュース)
https://www.townnews.co.jp/0608/2021/03/06/564793.html
願いは「同性婚も当たり前に」 公的パートナー制度、京都・亀岡で1組目宣誓(京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/525926


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