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2020年の新規HIV感染者数が前年から2割近く減少、コロナ禍による検査休止が影響していると見られます

2021年04月18日

 昨年、新たにHIV感染が確認された方は740名で、前の年から2割近く減少したことがわかりました(新規エイズ患者報告数は336名で、ほぼ横ばいです)。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの保健所が検査を休止した影響と見られています。 


 厚労省が、2020年の1年間に全国の保健所や医療機関などで新たにHIV感染・エイズ発症がわかった方の年間新規報告数(速報値)を発表しました。新規HIV感染者は740名(前年比163名減)、新規エイズ患者は336名(前年比3名増)、合計1076名となりました。新規HIV感染者のうち同性間性的接触によるものが536名(約72%)、新規エイズ患者のうち同性間性的接触によるものが186名(約55%)で、同性間性的接触の割合は例年とあまり変わっていませんでした。
 2020年の保健所等でのHIV検査件数はおよそ6万9000件で、前年の半数以下にとどまっています(沖縄県では前年比8割減とのニュースもありました)
 厚労省は、「新型コロナウイルスの感染拡大で多くの保健所が検査を休止し、検査を受ける機会が減少したことが、新規HIV感染者数の減少に影響していると見て、無症状感染者を十分に把握しきれていないおそれがある」としています。また、「新規報告数全体に占めるエイズ患者報告者数の割合は約3割で、昨年から上昇しており、注視する必要がある」としています。
(報告数の詳細と厚労省コメントはこちら

 厚労省は、感染に心当たりがある人は医療機関か対応している保健所で検査を受けるよう呼びかけています。
 特に言及はされていませんが、このコロナ禍の状況で発症してわかる方が増えているというのは、やはり心配ですよね…もし免疫力が低下してエイズを発症した方がCOVID-19も発症した場合、重症化のリスクが高まる可能性がありますから(こちらの記事で、忽那先生もそのように述べています)、そういう意味でもHIV検査を受けて早めにわかって治療できたほうが安心ですよね。
 とはいえ、(東京都では新宿東口検査・相談室がずっと開けてくださっているので検査を受けられるとしても)お住まいの地域によっては保健所のHIV検査が休止していて検査を受けたくても受けられない現状があるわけで、困ってしまいますよね…。
 この2月〜3月には全国的に(コミュニティセンターがない北陸などでも)郵送検査を受けられるキャンペーンが展開されていたようですが、そうした機会がまたあれば、ぜひ利用しましょう。
 あとは、有料になってしまいますが、民間の郵送検査(たとえばこちら)や、クリニックでの検査(たとえばこちら)を利用することもできます。
 本当はHIV検査もコロナの検査も無料でどんどん受けられる体制になっているとよいのでしょうが、現実はそうではありません。ご自身の命と健康を守るために、コロナ感染に気をつけつつ、できるだけHIV検査も受けるようにしましょう。
 
  

参考記事:
HIV感染確認者が2割近く減少 新型コロナで検査休止影響か(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210418/1000063172.html

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