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北陸三県初! 金沢市で同性パートナーシップ証明制度がスタート

 石川県金沢市は7月1日、同性のカップルなどを公的に認定し、幅広い権利を認める「市パートナーシップ宣誓制度」を始めました。北陸三県では初です(金沢市の隣の白山市でも検討されています)

 第1号のカップルとなったのは、トランス男性の岡田千央美(ちおみ)さんとパートナーの小室礼子(あやこ)さん。お二人は、13年前に大阪府の飲食店で知り合い、交際を開始しました。その後、岡田さんの故郷である金沢市に移住し、7年前から二人三脚で炭火焼き鳥店を経営しているそうです。岡田さんは3年前からホルモン治療や乳房切除手術を受けはじめ、お店のお客さんから「二人は結婚しているの?」と言われることが多くなったといいます。
 二人は市役所の会議室で宣誓し、市職員から「お互いを人生のパートナーとして力を合わせて末永くご活躍されることを期待しています」と、パートナーシップ宣誓書受領証の文を読み上げてもらい、宣誓受領証や受領カード(パートナーシップ証明書)を受け取りました。
 記者会見に臨んだお二人。小室さんは「これまでは仲良しですって答えていたけど、今日から『パートナーです』と言えます」「渋谷から始まったパートナーシップ制度がいつか金沢にもできたら、絶対に利用しようと二人で話してきた。入院の届けをパートナーが書けるとか、そういうところは逆に今までできなかったことなのでその点はすごく大きいと思います」と晴れやかな表情で語りました。岡田さんは「「認める」ということは言われたことがない。人からパートナーだと言ってもらえたのは初めて。心に迫った」「本当ならば国が認めてくれることが自分たちにとってはベストな形になるけれどその第一歩として利用したい人がいることを示すためになれば。いろんな幸せを形にできればいいかなと思います」と語りました。

 パートナー宣誓をして認定されたカップルは、市営住宅への入居が認められたり、市立病院での手術の同意書にサインできるようになるなど4つの行政サービスを受けられるようになります(詳細はこちら)。記者会見に同席したLGBTQ支援団体「金沢レインボープライド」の松中権共同代表は、「今は金沢市のサービスに限られるが、認定を受けた人をサポートする動きが民間にも広がっていくとうれしい」と語りました。
 なお、「金沢レインボープライド」では9月23日〜26日に北陸初のパレードを含むレインボープライドウィークを企画しています。
 
 2015年に学術研究グループが実施した大規模な意識調査で、「同性に恋愛感情を抱くのはおかしい」と回答した人の割合が、全国11地域の中で北陸(富山、石川、福井、新潟)が1位、「近所の人が同性愛者だったら嫌だ」「同僚が同性愛者だったら嫌だ」といった項目でも全国1位となるなど、北陸の人々の同性愛に対する強い抵抗感が浮き彫りになっています。そうしたなかでも、金沢では、何年も前からLGBTQ団体が活動を始め、講演会を開いたり、行政に働きかけを行なうなどしてきて、ようやく制度導入が決定し、この7月1日、晴れてパートナーシップ宣誓制度がスタートしました。

 また、こちらの記事で紹介されているように、金沢市・白山市では「ひだまりの会」というLGBTQと家族の会や、石川県助産師会の有志が立ち上げた「にじはぐ石川」というLGBTQ支援団体が「ここにいるよ 〜北陸から(あなたに)届けたい にじ色の手紙 ことば編・マンガ編〜」という冊子を製作しました(この冊子もちょうど7月1日頃に発行されました)
 本当のことを言えず不登校になったトランスジェンダーの子どもたちの辛さを校長先生が受け止めて学校を変えていく感動のストーリーや、ゲイの方(もしかしたら皆さんの友人かもしれません)が理解のない親御さんと口論になって雪の中、家を飛び出し…といった実体験なども掲載されています。ちょっと涙なしでは読むことができない、地元に生きる当事者のリアルが詰まった冊子です。
 この冊子に添えられた手紙には、「未だに北陸に住んでいる皆様にとって、私たちLGBTQ当事者は『北陸にはいない存在、実際に会ったことがない存在』だと思われているのが現実です」「忘れてほしくないのは、私たちは決して特別な存在というわけではなく、皆様と一緒に日常生活を過ごしている存在だ、ということです」と書かれていました。
 
 金沢や白山の街で、こうしたあたたかなコミュニティが生まれていること、本当に素晴らしく、周辺の町の方などにも希望を与えることだと感じます。9月の「金沢レインボープライド」もきっと、とてもいいイベントになると思います。

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 なお、7月1日には福岡県古賀市が、これまでの「パートナーシップ宣誓制度」に加えて「ファミリーシップ宣誓制度」をスタートさせました。第1号となったのは同性の30代カップル。市役所で宣誓書に署名し、2人と子どもたちの名前を「家族」として記した受領カードを受け取りました。お二人は宣誓をする前、子どもたちに「家族になっていい?」と確認すると、「いいよ」と答えてくれたそうです。「気持ちは既に家族だったけれど、市に公認されることでみんなにわかってもらえると思う。きつい思いをしている人はいると思うので、日本全体がこうして変わっていったら」
 署名を見守った田辺一城市長は、「こういった制度を使いたいと思いつつ踏み出せない人もいると思う。誰もがその人らしく堂々と生きられる社会をつくりたい。お二人のこれからの家族としてのあゆみが良きものになって、幸せに暮らされることを祈念します」と語りました。

 そのほか、埼玉県東松山市神奈川県南足柄市神奈川県大井町でも「パートナーシップ宣誓制度」が始まりました。南足柄市と大井町は、制度の相互利用協定を結んでいます。
 偶然ですが、東松山市ではこの日、大きな二重の虹がかかったそうです。きっと神様も祝福してくださったのでしょうね。


参考記事:
“パートナーシップ制度”金沢で1日から始まる 北陸で初めて(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20210701/3020008563.html
LGBTQのカップルを公的に…金沢市でパートナーシップ制度開始「ベストは国が認めてくれる事」(石川テレビ)
https://www.ishikawa-tv.com/news/itc/00240968
石川県金沢市パートナーシップ宣誓制度開始 “第1号”のカップルが会見で思い語る(テレビ金沢)
https://www.tvkanazawa.co.jp/nnn/news1030reuvilxokb2tua1.html
今日から堂々 パートナー 同性カップル 認定に感慨(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/283247
子ども5人が「家族になっていいよ」 同性カップル決断(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP71744MP71TIPE00W.html

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