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レズビアンのことを書き続けてきた作家・李琴峰さんが芥川賞を受賞しました

 7月14日、第165回芥川賞と直木賞の選考会が開かれ、レズビアンの小説を書き続けてきた李琴峰(り ことみ)さんが『彼岸花が咲く島』で芥川賞を受賞しました。李琴峰さんは『五つ数えれば三日月が』で2019年の芥川賞にノミネートされており、今回、2回目のノミネートで見事に受賞を果たしました。なお、『彼岸花が咲く島』は今年の三島由紀夫賞にもノミネートされていました。
 

 李琴峰さんは、1989年12月26日台湾生まれ。中国語を第一言語としながら、15歳から日本語を学習し、その頃から中国語で小説を書き始めます。2013年、台湾大学卒業後に来日し、2015年に早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程を修了。2017年、『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、文壇にデビュー。2019年に『五つ数えれば三日月が』で芥川賞、野間新人賞にノミネートされました。李琴峰さんの作品はどれもレズビアンの人物を描いたもので、特に『ポラリスが降り注ぐ夜』(芸術選奨新人賞)は、多様なセクシュアリティの女性たちが集う二丁目のバー「ポラリス」を舞台にしたラブストーリーとして、LB女性コミュニティの厚い支持を得ています。
 今回芥川賞に輝いた『彼岸花が咲く島』は、ある島に流れついた記憶を失った少女と言葉、歴史と未来の物語。こんなストーリーです。

彼岸花が咲き乱れる島に暮らす少女・游娜(ヨナ)はある日、砂浜に一人の少女が倒れているのを発見した。記憶を失っていた少女は、游娜によって宇実(ウミ)と名付けられる。
慣れない島の言葉〈ニホン語〉に戸惑う宇実。しかしほどなくして、歴史の伝承のために女性だけが話す言葉〈女語(じょご)〉が、自分の母語〈ひのもとことば〉にかなり近いことに気がつく。
やがて宇実は、游娜と二人で、島の指導者で歴史の担い手でもある〈ノロ〉を目指すことになる。一方、游娜の友人の拓慈(タツ)は、男性でありながら密かに〈女語〉を習得しており、〈ノロ〉になれる日を夢見ているのだった。
そして宇実は、この島の深い歴史に導かれていく――。

 女性にばかり権限が与えられるこの島のありかたに宇美と游娜は疑問を感じ、自分たちの力でそれを変えることはできないかと考え始めます。日本社会の男女格差(ジェンダーギャップ)について問いかけるような、スケールの大きさを感じさせる感動作だそうです。
 興味のある方は、読んでみてください。
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 なお、『デッドライン』が2019年下期の芥川賞の候補になった千葉雅也さんも、今回、李琴峰さんとともに芥川賞にノミネートされていました(ノミネート5作のうちの2作がクィアな作品ってスゴいですね)
 今回の芥川賞ノミネート作である『オーバーヒート』は、『デッドライン』の続編といった趣の作品です。前作の時代設定は、2000年代初頭、修士論文に追われるゲイの大学院生が主人公でした。『オーバーヒート』の時代設定は2018年。ゲイの大学准教授が主人公で、前作の主人公の「その後」というようにとらえることもできます。中年に差しかかった主人公は、自らの体の崩れ方が気になる上に、晴人との関係がどこまで維持できるか、さらには老いて先のことにまで思いを馳せる。といった内容だそうです。 

 

参考記事:
第165回芥川賞は石沢麻依さん『貝に続く場所にて』と李琴峰さん『彼岸花が咲く島』、直木賞は佐藤究さん『テスカトリポカ』と澤田瞳子さん『星落ちて、なお』の受賞決まる(文春)
https://bunshun.jp/articles/-/47121
NEWS RELEASE 第165回芥川賞決定! 李琴峰『彼岸花が咲く島』(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000043732.html

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