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【東京五輪】イタリアのルッチラ・ボアリ選手も銅メダル獲得後にカミングアウト、その他LGBTQ関連のトピックをご紹介

 イタリアのルッチラ・ボアリ選手が7月30日のアーチェリー女子個人で銅メダルに輝き、イタリアで初めてアーチェリーでメダルを獲得した選手となりましたが、勝利の後のインタビューで、女性のパートナーからのビデオ通話を紹介し、カムアウトしました。
 ボアリ選手はメダル獲得後、イタリアのメディアのインタビューに答えましたが、その際、かかってきたビデオ電話の画面にSanne de Laat(オランダのアーチェリー選手)が映り、ボアリ選手の顔に笑顔が浮かびました。「おめでとう! 素晴らしい勝利。あなたを誇りに思う。会えるまで待てないから、ここでハグを贈るね。愛してる」
「Sanneです。私のガールフレンド」とボアリ選手はメディアに語りました。
 彼女はカタジナ・ジルマン選手に続き、メダルを獲ってカムアウトした2人目の選手になりました。
 
 
 また、8月1日に行われた陸上女子砲丸投げの試合で銀メダルを獲得した米国のレーベン・ソーンダーズ選手は、表彰台で両腕を上げて頭上で交差させる「Xポーズ」を見せました。「抑圧されているすべての人が交差する場所」の象徴だそうで、表彰台で今大会初のデモ行動となりました。
 黒人でレズビアンで、うつにも悩まされてきたソーンダース選手は、「世界中で闘っていて、声を上げる舞台がない人々に光を当てたいと思いました」と語りました。
「これまで常に目指してきた自分になること、自分らしく振る舞い、それについて謝らずに済むようになることが目標です」「若い世代に対しても、周りが何を言おうと、どれだけ型にはめようとしてきても、あなたはあなたでいられることを示したい」
「闘い続けること、攻めの姿勢を貫くこと、自分自身や自分のすべての行動に価値を見いだし続けること。それが私のメッセージです」 
「私は本当に多くの人を代表しているので、銀メダル獲得には大きな意味があると感じています。私のことをリスペクトしてメッセージを寄せ、祈ってくれる人がたくさんいることも知っています」
「自分だけでなく、その人たちにもお返しできてうれしいです」
 IOCは表彰台での抗議活動は禁じていますが、米国五輪委員会は「当委員会は独自調査を実施し、レーベン・ソーンダーズが表彰式で行った人種的・社会的正義を支持する平和的なジェスチャーは、他の競技者に対して配慮がなされており、デモンストレーションに関連したわれわれの規則に違反していなかったと結論付けた」と述べ、彼女を擁護しています。専門家によると、制裁を科した場合は世間の反発が予想されるため、IOCが厳しい対応を取る可能性は低いそうです。
 なお、ソーンダーズ選手は、「自身の力とパワーをコントロールすることに苦しんだ」という超人ハルクをリスペクトしており、超人ハルクのインパクトあるマスクをつけて競技に臨んだことでも注目を集めています。
 

 インパクトといえば、トム・デイリー選手の編み物も話題沸騰中です。
 トム・デイリーは昨年、ロックダウンを乗り切るために編み物やかぎ針編みを始めました。インスタグラムに自身の作品の写真を掲載してファンに披露しています。メダル獲得直後は、金メダルが傷つかないようにするためのユニオンジャック柄と日の丸柄のリバーシブルニットケースを作成し、喜びのコメントと共に投稿しました(200万回以上再生されています)。『ELLE』誌は、この投稿が「世界中のファッショニスタをメロメロにしている」と報じています。「飛び込み王子」は今や「編み物王子」としても名を馳せ、新たなファンを獲得しています。
 1日に行われた女子3メートル板飛び込み決勝(この日は英国の選手が出場していなかったそうです)の会場では、トム・デイリーが観客席で紫色の何かを編んでいる姿が注目されました。翌日にはインスタで、編んでいたのが犬用のセーターだったことが明かされました。
 2日の東京アクアティクスセンターでは、トム・デイリーが白いセーターを編んでいる姿が見られました。「五輪期間中、正気を保たせてくれたのは編み物だった」と語るトム。6日の高飛び込み個人の出番まで、まだまだいろんな作品を編み続けそうです。
 
 
 それから、インド選手団でレズビアンであることをカミングアウトしている唯一の選手、陸上女子短距離のデュティ・チャンドのこともニュースになっていました。
 インド最高裁が2018年、同性との性行為は合法であるとの判断を示したことがきっかけとなり、チャンドは2019年5月にカムアウトしました。しかし、家族の激しい反発に遭い、父親は「ふしだらで非道徳的だ。村の評判をおとしめた」と非難し、母親は「同性愛なんて認めない伝統的な地域社会に住んでいるのよ。親戚や近所の人に顔向けできない」と嘆いたといいます。それでも彼女は「人を愛するのは奪うことのできない権利」「みんなが肯定してくれるわけではないけど、家族の一部やファンは『あなたの人生はあなたのもの』と応援してくれる。だから私は異論は気にしない」と語り、PRIDEを貫いています。
 チャンド選手は、もう一つ、歴史的な偉業を達成しています。彼女は2014年、性分化疾患であり、生まれつき一般的な女性よりも血中の男性ホルモン(テストステロン)の値が高いことがわかり、インドの陸上連盟がアジア大会への代表チームからチャンド選手を除外するという出来事がありました。チャンド選手はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴し、2015年に「テストステロンの値による出場停止」という規定が撤廃され、試合への出場が認められました。この決定には、あのキャスター・セメンヤ選手も感謝の言葉を述べています(詳細はこちら
 
 
 1日の女子3段跳び決勝では、ベネズエラのユリマル・ロハス選手が世界新記録(15.67m)を打ち立て、金メダルを獲得しました。彼女はレズビアンであることをカミングアウトしていて、LGBTQの権利擁護運動にも積極的に参加しているそうです。
 

 今大会では少なくとも181人のLGBTQのアスリートが参加し、リオ五輪の3倍以上に達しています。
 Outsportsは1日、LGBTQのアスリートが現時点で獲得しているメダルの数が金6銀8銅6の合計20に上ること、これを「チームLGBTQ」と見なすと世界9位になると報じました。

 

参考記事:
Italian Olympic archer comes out after winning medal(Outsports)
https://www.outsports.com/olympics/2021/7/30/22602896/italian-olympic-archer-lucilla-boari-lgbtq-olympics
表彰台で抗議の「X」、ソーンダーズ選手が込めた意味とは?(CNN)
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35174739.html
表彰台で抗議の選手、米五輪委は擁護(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3359834
同性愛公表の黒人選手は、メンタルヘルス問題とも闘ってきた。表彰台で「抗議」のXポーズ(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/raven-saunders-cross-arms_jp_61075b6be4b000b997e327a5
観客席で編み物に熱中、水泳男子金メダリストの作品は犬用セーターだった(CNN)
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35174703.html
英「飛び込み王子」デイリー、観戦中に編み物(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3359779
【東京五輪】 高飛び込み金の英デイリー選手、観戦中の編み物姿が話題に(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-58051848
インド唯一の同性愛の陸上選手 視線気にせず自分らしく(共同通信)
https://nordot.app/794825196066291712?c=39546741839462401
女子3段跳び金のロハス、フェイスブック「知り合いかも」で運命の出会い(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/athletics/news/202108020000473.html
Medal count has Team LGBTQ currently in 9th place at the Tokyo Olympics with 20 medals(Outsports)
https://www.outsports.com/olympics/2021/7/26/22594865/medal-count-team-lgbtq

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