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台湾とマカオの同性カップルが結婚、まだ同性婚を法制化していない地域の人と台湾人の国際同性婚が初めて成立しました

 5月に台湾とマカオの同性カップルが同性婚訴訟で勝訴、婚姻届を受理するよう求める判決が下りましたとのニュースをお伝えしていましたが、そのお二人が13日、台北市中正区の戸政事務所(戸籍業務を担当する役所)で結婚の手続きを完了させたと報じられました。まだ同性婚を法制化していない地域の人と台湾人の同性婚が初めて成立したことになり、日本人と台湾人も同性婚できるようになるのでは?と期待されます。

 台湾のドキュメンタリー映画『愛で家族に〜同性婚への道のり』でもフィーチャーされていましたが、台湾人の信奇(シンチー)さんとマカオ籍の阿古(アグー)さんは2019年10月、中正区戸政事務所に婚姻届を提出しましたが、戸政事務所はマカオで同性婚が認められていないことやアグーさんの独身証明書の有効期限が切れていたことを根拠に婚姻届を受理しませんでした(台湾では同性婚が認められたものの、国際同性結婚については、相手の外国人が同性婚承認国の出身者でなければなりません)。二人は処分の取消しを求める訴訟を起こし、今年5月に勝訴しました。
 判決は中華民国の国際私法の反致条項を根拠に、台湾に居住するアグーさんには中華民国の国内法を適用すべきだとし、同性婚法が同性婚を認めているうえに裁判所の審理期間にアグーさんから有効期限内の独身証明書が提出されたとして、原告が19年10月に提出した婚姻届を受理するよう戸政事務所に命じるものでした。
  
 お二人は、この判決書を手に13日、戸政事務所を訪れ、手続きを行ないました。
 アグーさんは手続きを済ませた後に取材に応じ、「性別がもはや結婚できない理由にならなくなった以上、なぜ国籍がその理由になるのか理解できない」と語り、国際同性婚の不公平さを訴えました。「結婚できたのは、自分にとっては遅れてやって来た正義」だとしつつ、「でも他の人は、あとどれほど待たなければならないのか」と声をつまらせ、遠くない将来、性別や国籍を問わず全ての人が自分の愛する人と家庭を築くことができる社会になることを願いました。
 裁判を経て、2年近くかかってようやく結婚が認められたお二人に、心からおめでとうございます!と申し上げたいです。


 今回、マカオ籍というまだ同性婚を法制化していない地域の人と台湾人との間の国際同性婚が初めて成立したことになります。ということは、日本人と台湾人も同性婚できるようになるということ?と期待が持てます。
 この件に関して、台湾の同性婚法のオーソリティである鈴木賢明治大教授がコメントをくださいましたので、ご紹介します。
「台湾の国際私法(渉外関係についての準拠法を決める法)では、婚姻の成立は婚姻当事者の本国法に依るとされています。つまり、同性カップルについてもそれぞれの国の法律で婚姻が成立する必要があります。そのため同性婚を認めてない国の人とは結婚できないと考えられていました。ところが、マカオの場合は、婚姻の成立を居住地の法律としていますので、結局、台湾法が適用になるので(反致)、マカオ人についてはマカオでは同性婚がなくても、台湾で婚姻できると裁判所に判断されました。今日はこの判決が確定し、それにもとづき婚姻の登録をしたということです。ところが日本の場合は、マカオ法とは異なり、台湾と同様、婚姻当事者の本国法を準拠法としています。ですから、日本人の場合には、この例とは異なり、台湾法を適用するわけにはいかないと思われます。ただし、同性婚を認めないマレーシア法について、台湾の公序に反するので、適用を排除し、台湾法にもとづき婚姻を成立させることがきるとする判決があります。もしそれが日本人にも適用されれば、すぐにも婚姻できる可能性も出ています。すでに、婚姻届を出している日本人と台湾人のカップルがいますので、近く結論が出る見込みです。そのゆくえが注目されます」
 
 法律的には少々複雑な話で、今回のマカオの方のケースが日本にも適用されるわけではなさそうですが、そう遠くない将来、日本人をはじめ同性婚が認められていない国・地域の人と台湾人の同性婚が認められる日が来るのでは…と期待できそうです。朗報を待ちましょう。

 
参考記事:
台湾とマカオの同性カップルが結婚 第1号=同性婚訴訟で勝訴(フォーカス台湾)
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202108130004.aspx

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