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ベルリンの教会でレザーマンたちのクラシックコンサートが開催、欧州最大のレザー&フェティッシュイベント「Folsom Europe」のキックオフイベントとして

2021年09月23日

 ベルリンのゲイタウン、シェーネベルクの真ん中に位置するる十二使徒福音教会で9月9日、欧州最大のレザー&フェティッシュイベント「フォルサム・ヨーロッパ」のキックオフイベントとして約100名のレザーマンの会衆が参加するクラシック・コンサート「Classic meets Fetish」が開催されました。


 
 コンサートはグリーグのピアノ協奏曲で幕を開けました。トム・オブ・フィンランドをセレブレイトするというテーマに沿って、シベリウスの弦楽三重奏も演奏されました。(「Classic meets Fetish」の公式YouTubeチャンネルで、その演奏を視聴できます)

 2015年から「Classic meets Fetish」をオーガナイズしてきたタイロン・ロントガグナーは、これまでに2度も「Mr Leather Germany」に輝いたレザーコミュニティの顔とも言うべき人物です。彼はAFPに対して「レザーは音楽と同じように、自身を表現する一つの方法。音楽は人々を一つにします。私たちの服装も同じです」と語りました。
 レザーのジャンプスーツとしっぽを着けていたある参加者は、「クラシック音楽は私を穏やかな気持ちにさせてくれます、ちょうどBDSMのように。それは興奮が高まったり引いていったりするある種のゲームのようなものです」と語っていました。

 このイベントでは、ゲイの牧師ブルクハルト・ボルネマンが祝福を行ないます。彼はこの地区のセックスワーカーとも協働していて、食事やセクシュアルヘルスのサービスも提供しています。彼自身、このイベントで毎年レザーを着ています。
 十二使徒福音教会はベルリン初のゲイの合唱団の活動拠点であり、クィア・ユース・グループの運営にも場所を提供しています。

 同性愛を罪とみなすキリスト教の教会が、このようなイベントに場所を提供することを不思議に感じることもいらっしゃることでしょう。
 ドイツでも、以前は同性愛に対して否定的でした。しかし、この20年で、ドイツの福音教会(ルター派、改革派、合同教会を含む)はLGBTQを包摂(インクルージョン)する方向に大きく変わりました。同性カップルへの祝福は2002年から導入され、2017年には同性結婚式を挙げることも承認しました(その前年にドイツで結婚の平等が認められています)
 今年7月のベルリンプライドの前日には、プロテスタントのクリスティアン・シュテーブライン司教がLGBTQコミュニティに赦しを請いました。彼は教会が歴史的にLGBTQを差別してきたことに触れて「私たちがLGBTQを差別し、社会の最下層ののけ者のように扱ってきたことで、神の子としてのLGBTQの正当な居場所を奪ってきた」と謝罪しました。「私たちはこうした行ないによって、文書に記されているよりももっと多くの人々が害されてきたと思っています」

  
 「Classic meets Fetish」は、有名なサンフランシスコの「フォルサム・ストリート・フェア」の欧州版である「フォルサム・ヨーロッパ」のキックオフイベントでもあります。「フォルサム・ヨーロッパ」は2004年から毎年9月第2週の週末に開催されてきた欧州最大のレザー&フェティッシュイベントで、最初の参加者は3500人でしたが、近年は25000人を超えています(昨年はコロナ禍ゆえオンライン開催となりました)。シェーネベルクでのストリートフェアのほかに、「Classic meets Fetish」や、パピー・ウォーク、ステージでのフェティッシュ・キャバレー・ナイト、バスやボートによる観光ツアー、そして大小様々なパーティが開催されるイベントウィークエンドとなっています。代表的なクラブパーティは「PiG」や、公式クロージングパーティ「Pervert」などです。いつか行ってみたいですね!
 


参考記事:
動画:革を愛する人々が集う演奏会 ベルリンの教会(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3366211
Berlin church worships leather fetish with inclusive, kink-positive celebration(Pink News)
https://www.pinknews.co.uk/2021/09/13/berlin-church-leather/

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