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オランダで王位継承者も同性婚の権利が認められることになりそうです

2021年10月14日

 世界で初めて2000年に同性婚を承認したオランダですが(施行は2001年)、このたび、結婚の平等が王位継承者にも適用されることになりそうです。
 

 結婚の平等が実現しているオランダでも、王室については(跡継ぎが必要だという考えから)適用外で、同性との結婚は認められてきませんでした、しかし、最近、憲法学者が最近出版した本で、王位継承権1位のアマリア王女(17歳)が女性と結婚した場合、理論上は王位継承権を剥奪されることになると指摘されたことをきっかけに、議員らがルッテ首相に見解を求めていました。これを受けてルッテ首相は12日、議会に提出した書簡で「内閣は、王位継承者や国王(女王)が同性パートナーと結婚したい場合でも退位すべきだとは考えていない」と述べ、王位継承者も同性婚が可能だとの見解を示しました。(なお、オランダでは、王族の結婚には議会の承認が必要とされています)
 一方でルッテ首相は、同性婚をした王族の子ども(代理母出産であったり、養子縁組であったり)が王位継承権を持つかどうかについては「もう少し複雑」だと述べ、実際にそうした状況が生じた際、政府と議会が改めて検討すればよいと述べました。
 
 国内の評論家は、政府による今回の判断について、時代に沿ったものだと歓迎しています。
 
 ウィレム・アレクサンダー国王とマキシマ王妃の長女であるアマリア王女は、この件を含め、私生活全般についてコメントしていません。英BBC放送によると、アマリア王女は来年から大学に進学予定で、特に結婚する予定はないそうです。
 アマリア王女がどなたと結婚するのか(あるいはしないのか)は本人が決めることですので、まだわかりませんが、もし結婚相手に選ぶのが異性であっても同性であっても王位継承権が剥奪されたりすることはありませんよ、安心してくださいね、と言えるのは素晴らしいことですよね。
 
 英国では2018年、エリザベス女王のいとこにあたるアイヴァー・マウントバッテン卿が同性結婚していますが、世界を見渡してみても、王位継承者が同性と結婚という話は寡聞にして知りません。おそらく、世界で初めて結婚の平等(同性婚)を承認したオランダが、王位継承者に関しても世界で初めて同性婚の権利を保障する国となるのではないでしょうか。
 
 私たちの住む世界は(少なくともオランダでは)ついに、『王子と騎士』や『村娘と王女』といった絵本で描かれていたようなファンタジーが現実のものとなりうる世界へと移行しそうです。
 


参考記事:
オランダ首相 王室メンバーが“同性婚”でも王位継承は可能(TBS)
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4382394.html
王位継承者も同性婚可能 オランダ首相が見解示す(共同通信)
https://mainichi.jp/articles/20211014/k00/00m/030/032000c
王族も同性婚可能 オランダ、首相が明言(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3370710

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