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NFL初のカミングアウトを称えられたカール・ナッシブに新しい恋人ができましたと報じられて1週間も経たないうちに、彼のチームの監督が同性愛嫌悪発言で電撃辞任しました

 今年6月のプライド月間にNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の現役選手として初めてゲイであることカムアウトし、バイデン大統領にも祝福を受けたカール・ナッシブ選手。これまでパートナーがいるという話はなかったのですが、10月初旬、新しい恋人ができたと報じられました。
 
 現役選手としてのカミングアウトはナッシブ選手が初めてで、彼はインスタグラムへの動画投稿で「手短に言おうと思う。僕はゲイだ。しばらく前からカムアウトしようと思っていたがやっと打ち明けてもいいと思えるようになった。僕はこれ以上望めないほど最高の人生、家族、友人、仕事に恵まれている。僕は自分のことを話すタイプではない。だから注目を集めたくて言っているわけではないことをわかってほしい。リプリゼンテーションとビジビリティ(可視化)が重要だと思ったんだ。いつかこういうビデオやカミングアウトが不要になることを願っている。でもそれまでは受容と思いやりのある文化を育てていくため、自分にできる最善のことをしていく」とコメントし、さらにLGBTQユースの自殺防止に取り組む「トレヴァー・プロジェクト」に10万ドルを寄付することを表明しました。
 NFLの関係者も、ファンたちも、ナッシブ選手のカミングアウトに称賛の声を送りました。なかには「いま恋人はいるの?」と尋ねる人もいて、ナッシブ選手はそれについては言及していませんでしたが、最近、新たな恋が生まれたことを公表しました。彼のチームメイトのダレン・ウォーラー選手のポッドキャストに出演したナッシブ選手は、「僕はずっと誰かのナンバーワンになりたかったけど、なれなかった。『ああ、そういう相手がめちゃくちゃほしい!』って感じだった。でも今はいるんだ。いいものだね」。ウォーラー選手に相手は誰かと聞かれると、「素晴らしい男性に会ったんだ。彼は最高だよ」と答えていました。
 結局、その場では名前は明らかにしなかったものの、どうやら新しい彼氏はエリック・グドジナスという方のようです。彼がインスタグラムにナッシブ選手との2ショットをたびたびアップしていて、ナッシブ選手も彼の投稿をインスタグラムのストーリーでシェアしていました。どうぞお幸せに!



 このようなおめでたいニュースが報じられて1週間も経たないうちに、カール・ナッシブが所属するラスベガス・レイダースのジョン・グルーデン監督(ヘッドコーチ)が、過去の人種差別、女性差別、LGBTQ差別の発言が次々に発覚して電撃辞任しました。

 ジョン・グルーデン氏は、NFLを代表する名物指導者の一人で、今季でヘッドコーチ(HC)通算15シーズンめ。バッカニアーズのHCだった2002年シーズンには、チームをスーパーボウル初優勝に導きました。2008年でいったんHCの座から退き、ESPNなどでアナリストとして活躍、2018年シーズンから古巣のレイダースHCに復帰。リーグ史上最大級の10年1億ドル(113億円)という待遇でした。
 10月8日、『ウォールストリート・ジャーナル』紙が、グルーデン氏が過去のメールでNFL選手協会(NFLPA)の責任者であるデモーリス・スミス氏に対して人種差別的な侮辱表現をしていたことを報じました。さらに『ニューヨーク・タイムズ』紙も、グルーデン氏が女性審判の誕生やゲイの選手のドラフトに対して女性蔑視や同性愛嫌悪の言葉を使って侮辱していたことを報じました。このゲイの選手というのは、2014年にラムズにドラフト指名されたマイケル・サム選手のことで、ドラフト前にカムアウトしたことでLGBTQコミュニティのヒーローとなりました。グルーデン氏は、マイケル・サム選手をホモフォビックな言葉で侮辱しただけでなく、「NFLコミッショナーのロジャー・グッデル氏がラムズのHCにサム選手をドラフトするよう圧力をかけた」などと批判していたそうです。
 ほかにも、脳しんとう対策をめぐる意見の違いでロジャー・グッデル氏をホモフォビックなFワードで中傷したり、ワシントン・フットボール・チームの社長らにチアリーダー2人を含む上半身裸の女性の画像を送っていたり…NFLがワシントン・フットボールチームの職場環境を調査するなかで発覚したそうです。
 グルーデン氏はレイダースのオーナーと面会し、指揮官の座から退きました。騒動からわずか72時間での電撃辞任となりました。
 グルーデン氏はチームの公式サイトへの投稿で「ラスベガス・レイダースのHCを辞任する」と表明しました。「私はレイダースを愛しており、チームの邪魔者にはなりたくない…申し訳ない。誰かを傷つけるつもりは決してなかった」
 
 グルーデン氏は、今年のカール・ナッシブ選手のカミングアウトに対してはサポートの意を示し、「ずっと以前、私は人を他とは違ったものにするのは、その人を偉大にする何かだということを学んだ」と話していたそうです。だからこそ、ナッシブ選手も心理的安全性を保ちながらこのチームでプレーすることができていたのでしょう。
 しかし、今回、グルーデン氏の過去のホモフォビックな言動(特にマイケル・サム選手への暴言)を知ったナッシブ選手はショックを受け、「(この出来事を自分なりに)消化するために時間をください」と言って1日休暇をとったそうです(心中、お察しします)
 チームメイトのダレン・ウォーラー選手は、「彼は今回の事件に際して、本当に一匹狼だよ。誰も声をかけることができないし、慰めることもできない。自分自身で、時間をかけて受け止めるしかないんだ…」と語っていました。
 1日の休暇の後、ナッシブ選手は無事にチームに復帰し、練習にも参加したそうです。


参考記事:
NFL現役選手として初めてゲイを公表したカール・ナッシブに新恋人「素晴らしい人に出会った」(ELLE)
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a37899545/nfl-player-carl-nassib-has-a-new-boyfriend-211008/
レイダースHCが電撃辞任 同性愛嫌悪など不適切発言が次々発覚(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3370410
ジョン・グルーデンがレイダースHCを辞任(NFL公式サイト日本語版)
https://nfljapan.com/headlines/69062
【NFL】レイダースのグルーデンHCが突然の辞任 過去にメールで女性蔑視や反同性愛的表現(BBM Sports)
https://www.bbm-japan.com/article/detail/25788
レイダースHCやオーナーがカール・ナッシブの勇気ある決断を支持(NFL公式サイト日本語版)
https://nfljapan.com/headlines/65213
Carl Nassib returns to Raiders after taking personal day(Japan Times)
https://www.japantimes.co.jp/sports/2021/10/15/more-sports/football/nassib-back-practice/

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