g-lad xx

NEWS

豪Aリーグのジョシュ・カバッロ選手がカミングアウト、男子プロサッカー界における唯一のOUTアスリートとなりました

 サッカー豪Aリーグのアデレード・ユナイテッドでプレーするジョシュ・カバッロ選手が10月26日、ゲイであることをカムアウトしました。同リーグの現役選手として初めてのことです。ジョシュ・カバッロ選手は世界で唯一の現役でプレーする男子プロサッカー選手となりました。


 オーストラリアの20歳以下の代表にも選ばれたことのある21歳のカバッロ選手は、自身のTwitterでこのようなメッセージを投稿しました。
「今日、僕はやっと語ることが心地よく感じられるようになった僕のパーソナルなことについて、言う心構えができた」
「僕はゲイであることを公にアナウンスできるのを誇りに思っている」
「ここにたどり着くまでは長い道のりだった。でもカムアウトする決意以上の幸せはないと思ってる。6年も自分自身のセクシュアリティと闘ってきた。そして今、安らぎを得られるようになったことがうれしい」
「僕のことをよく知る人たちは、僕がシャイな人間だって知ってるよね。大人になって、いつも自分自身を隠さなきゃと思ってた、なぜならゲイであることは恥だと思ってたから。ゲイでありながら愛するサッカーをやるということは決してできないと思ってた。自分が本当は何者かということを隠し、子どもの頃からの夢を追い求めた。サッカーをやりながら平等に扱われる日が来るなんて、夢にも思わなかったよ」
「クローゼットなゲイのサッカー選手として、プロサッカー選手の型に合うように自分の感じ方を隠すことを学ばなきゃいけなかった。以前は、ゲイとして成長することとプロサッカー選手になるということは決して交わることのない2つの世界だった。これは決して口にしてはいけないトピックだと思って人生を生きてきたんだ」
「サッカー界では、偉業を成し遂げるためには本当に狭き門をくぐらなくちゃならない。公にカムアウトするということはキャリアにネガティブな影響を与えてしまう。ゲイのサッカー選手として、僕は沈黙して生きてる他の選手も知ってる。この状況を変えたいと思うんだ。誰もがサッカーの試合で歓迎され、本当の自分自身でいる権利を与えれるに値するということを示すために」
「現役のプロサッカー選手でカミングアウトしている人が、オーストラリアだけでなく世界にも誰もいないっていうのは驚きだよ。このことが未来を変えてくれることを願うよ。僕は自分のことをシェアしながらLGBTQの人々に、サッカーコミュニティはウエルカムだってことを示せることを願う」
「僕のことをすでに知ってる人たちは、愛とサポートをもって接してくれる。信じられないくらい感謝してるんだ。家族や友人に、特にカミングアウトを後押ししてくれたトミーとデヴィッドに。リスペクトと受容の心で挨拶してくれるアデレード・ユナイテッドのみんなに。僕は信じられないくらい、感謝してる」
 
 所属クラブのアデレードユナイテッドは、公式サイトに「アデレード・ユナイテッドはサッカークラブとしてだけではなく、一つのコミュニティとしてこの勇気ある人物を支持します。勇気を出してカムアウトしたジョシュのそばで、私たちは彼をサポートし続けます」と掲載しました。Aリーグや豪サッカー連盟もこのカミングアウトを支持するコメントを寄せました。国際サッカー連盟(FIFA)をはじめリバプールやトッテナム、マンチェスター・シティ、ユヴェントス、ACミラン、FCバルセロなどのビッグ・クラブもカバッロを称賛しています。
 スウェーデン代表のスター選手、ズラタン・イブラヒモビッチが「君はチャンピオンだ。サッカーはみんなのものだ。大いにリスペクトする」とツイッターに投稿し、スペイン・FCバルセロナのジェラール・ピケ選手も「君が踏み出した一歩に感謝したい。サッカーの世界は大きく遅れている。君のおかげで我々は前に進んでいる」とツイートしました。ほかにも、アントワーヌ・グリーズマン、マーカス・ラシュフォード、ラファエル・バラン、ダビド・デ・ヘア、ジョーダン・ヘンダーソンらもこぞって賛辞を贈っています。

 28日、カバッロ選手は、世界中から集まった支持の声に感動していると話しました。「自分が何者であるかということや、自分が信じていること、育った文化や背景と関係なく、サッカーでは誰もが受け入れられるというメッセージを世界に伝えたかったんだ」「ベースとするべきなのはその人の才能であり、見た目や信条ではない」「要するに、今は2021年で、サッカーもこの点において変革の時期だ。今日、このような日を迎えられて、また、このような反響があって、感動と喜びでいっぱいだ」と豪メディアに語りました。
 BBCのインタビューでは、「6年以上も苦しい思いをしたので、それを今日終わらせることができてすごく幸せだし、興奮しています」「今日は自分の解放記念日です。これほど幸せなのは今まで生きてきて初めてです」と笑顔で述べました。
 
 男子サッカー界ではこれまで、カムアウトできる選手はほとんどいませんでした。いたとしても引退後に公表する人が大半を占めていました。
 現役選手としては、英国のジャスティン・ファシャヌ選手が1990年に初めてカミングアウトしましたが、苛烈なホモフォビアに直面し、1998年に自殺しました。
 カバッロ選手は、カミングアウトを考えるなかでファシャヌの件も頭にあったと話しています。
 ジャスティン・ファシャヌがあまりに悲惨だったこともあってか、長い間男子サッカー界でのカミングアウトはありませんでしたが、2013年、リーズ・ユナイテッドFCに所属していた元アメリカ代表のロビー・ロジャース選手がカミングアウトし、同時に引退しました(その後、引退を撤回し、ロサンゼルス・ギャラクシーに所属。2シーズンで再び引退し、現在はテレビプロデューサーになっています)。2014年(引退発表の翌年)には元ドイツ代表のトーマス・ヒッツルスペルガー選手がカミングアウトしました。
 実はオーストラリアでは2019年、(プロではないのですが)アンディ・ブレナンという選手がカムアウトしています。アンディ・ブレナンはオーストラリア初のOUTした現役男子サッカー選手となりました(現在、ヒューム・シティFCというセミプロのチームのキャプテンを務めています)
 
 

参考記事:
豪の現役男性サッカー選手がSNSで同性愛を告白「サッカーがしたい」チームもサポート(日テレ)
https://www.news24.jp/articles/2021/10/28/09964118.html
21歳の豪サッカー選手が同性愛公表、Aリーグでは初(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3372905
豪プロサッカーのジョシュ・カバッロ選手、同性愛を公表(CNN)
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35178710.html
アデレードの21歳選手、「僕はゲイ」と告白。応援の声集まる(qoly)
https://qoly.jp/2021/10/28/josh-cavallo-comes-out-as-gay-kgn-1
21歳のオーストラリア人MFが同性愛者であることをカミングアウト「サッカー選手であり、ゲイだ」(超WORLDサッカー!)
https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=405878&page=3
同性愛公表の豪サッカー選手、世界中からの支持に「感動」(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=20211029042216a
「自分の解放記念日」、同性愛公表の現役サッカー選手(BBCインタビュー)
https://www.bbc.com/japanese/video-59074920

INDEX

SCHEDULE