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【追悼】ミュージカル界のレジェンド、スティーブン・ソンドハイム 

 『ウエスト・サイド・ストーリー』の作詞、『太平洋序曲』 『スウィーニー・トッド』『イントゥ・ザ・ウッズ』の作詞作曲など、数多くのミュージカル作品を手がけ、ミュージカルの巨匠と呼ばれたスティーヴン・ソンドハイムが11月26日、米コネチカット州の自宅で亡くなりました。91歳でした。


 スティーヴン・ソンドハイムは1930年3月にニューヨークで生まれ、9歳で初めてブロードウェイ・ミュージカルに触れ、大学在学中からミュージカルの作曲や作詞を手がけました。のちに世界で最も有名なミュージカルの一つとなる『ウエスト・サイド・ストーリー』では、レナード・バーンスタインの曲に歌詞をつけるよう依頼され、出世作となりました。1961年の映画版『ウエスト・サイド・ストーリー』は、アカデミー賞で作品賞を含む10部門で受賞しました(スピルバーグ監督によるリメイク版映画も来春公開予定です)
 復讐に燃える理髪師や、人生を振り返る老いたショーガールや芸人、仲間内で1人だけ未婚の都会の独身35歳など、それまでのミュージカルとは些か異なる題材を作品にして大ヒットさせ、大胆で複雑な曲調、洗練された言語表現で、他の追随を許さない独自の世界を作り上げました。ミュージカル界に革命をもたらした、20世紀演劇界において最も影響力のある作詞作曲家と評される巨匠です。 
 アカデミー賞1回、トニー賞8回(特別功労賞も含め、作曲家で最多)、グラミー賞8回、ピューリッツァー賞1回、ローレンス・オリヴィエ賞1回を受賞したほか、2015年には文民最高位の栄誉ある勲章「大統領自由勲章」も受章しています。
 2010年にはブロードウェイのヘンリー・ミラー劇場が「スティーヴン・ソンドハイム劇場」に改名され、2020年にはウエストエンド(ロンドンのブロードウェイ)のクイーンズ劇場も「ソンドハイム劇場」に改名されました。
 近年は、後進の指導・支援にも熱心にあたっており、リン=マヌエル・ミランダが『ハミルトン』を作詞作曲している初期の段階から、彼を支援し、アドバイスしていたそう(おかげで『ハミルトン』はトニー賞11部門を受賞しました)

 昨年、コロナ禍のロックダウンの最中、ソンドハイムの90歳の誕生日を祝う「Sondheim’s momentous birthday with Take Me to the World: A Sondheim 90th Birthday Celebration」というオンラインイベントが開催され、ラウル・エスパルザ(ゲイの俳優)がホストをつとめ、ニール・パトリック・ハリス(ゲイの俳優)、パティ・ルポーン、ベン・プラット(ゲイの俳優)、ジェイク・ジレンホール、ビーニー・フェルドスタイン(クィアの俳優)、バーナデット・ピーターズ、マンディ・パティンキン、そしてメリル・ストリープなどがパフォーマンスしたそうです。

 『ニューヨーク・タイムズ』紙は「常に新しく、創造的な道を模索してきた芸術家で、20世紀後半のブロードウェイで最も尊敬され、影響力のある作詞・作曲家だった」と伝え、その功績を称えています。

 スティーブン・スピルバーグは、「アメリカ文化におけるアイコンにして、我が国が誇る最も偉大なソングライターのひとり」と語りました。「芸術や政治、人間といったすべてに対して、真にユニークな独自の観点を持っている彼の話に耳を傾けるのが楽しくて仕方なかった。彼を失ってとても寂しいけれども、この世に遺した素晴らしい作品群を通して、私たちに愛することの難しさと大切さを、この先も教え続けてくれるだろう」

 ヒュー・ジャックマンは、「稀に、芸術形態を根底から変えてしまう人物が現れることがある。ソンドハイム氏はまさしくそんな人だった。多くのファンとともに彼の死を悼みつつ、素晴らしいギフトを与えてくれたことに心から感謝したい」とコメントしました。

 イディナ・メンゼルは、「私たちはみな、一生をかけて、あなたに誇らしく思ってもらえるよう努力を続けます」と敬意を込めました。

 そのほか、バーブラ・ストライサンドやジョシュ・ギャッドら、多くの歌手や俳優が、追悼のコメントを寄せています。

 『太平洋序曲』の演出を手がけて日本人演出家として初めてブロードウェイに進出した宮本亞門氏は、ソンドハイムにずいぶんお世話になったそうですが(こちらに詳しく書かれています)、訃報に際し、「実の父に続いて、私のミュージカルの父が亡くなりました。スティーブとの想い出があまりに多すぎ、その才能と人柄を愛しすぎていただけに、心が締め付けられます」とコメントしました。「あなたの曲や言霊が、どれほど私を勇気づけショービジネスで働き続けることに背中を押してくれたか」と感謝の言葉をつづり、「亡くなったとは思いたくありません。今日もあなたの曲を聞き、感動の涙を流します。ありがとう、スティーブまた会いましょう」
 
  
 スティーヴン・ソンドハイムは40歳の頃にゲイであることをカムアウトしていますが、ミュージカルで最も活躍していた時代に浮いた話は全くなく、初めて恋愛をしたのは60を過ぎてからなんだそうです。初めてつきあったのはピーター・ジョーンズという劇作家の方。直近でパートナーだったのは俳優のジェフリー・スコット・ロムリーで、2017年に結婚しています。
 

参考記事:
「ウエスト・サイド・ストーリー」手がけた巨匠 死去(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211127/k10013364491000.html
《追悼》亞門、“ミュージカル界の巨匠”の訃報に「才能と人柄を愛しすぎていた」(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_geinou/articles/hot_20211127_110.html
スティーブン・ソンドハイムさん死去 「ウエスト・サイド物語」作詞、91歳(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021112700309
米作曲家のソンドハイム氏死去 91歳 ブロードウェーの巨匠(共同通信)
https://nordot.app/837143288109563904?c=39546741839462401
宮本亞門が見た巨匠の素顔 舞台への思い、日本酒飲みながら語った(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASPCW6D7RPCWULZU005.html
ソンドハイムさん死去 ブロードウェーの巨匠(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/145215
ミュージカルの作詞作曲家ソンドハイム氏、91歳で死去=米報道(BBC) 
https://www.bbc.com/japanese/59441359
ミュージカル界の巨匠、S・ソンドハイムさん死去 91歳(CNN)
 https://www.cnn.co.jp/showbiz/35180036.html
「ウエスト・サイド物語」の米ミュージカル界巨匠スティーブン・ソンドハイムさんが死去 享年91(映画.com)
https://eiga.com/news/20211129/17/
ブロードウェイを代表するソングライター、スティーヴン・ソンドハイムが逝去(udiscovermusic)
https://www.udiscovermusic.jp/news/stephen-sondheim-dies-at-91-obituary
Stephen Sondheim, Musical Theater Legend, Dead at 91(Advocate)
https://www.advocate.com/arts-entertainment/2021/11/26/stephen-sondheim-musical-theater-legend-dead-91

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