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元北海道職員が、事実婚カップルに支給される扶養手当等が同性カップルに認められないのは憲法違反だとして提訴しました

 元北海道職員が、異性の事実婚カップルに支給される扶養手当などを同性カップルに認めない北海道の制度は「法の下の平等」を定めた憲法に反するなどとして、道と地方職員共済組合を相手取り、約483万円の損害賠償を求めて提訴することが明らかになりました。事実婚の同性パートナーが被扶養者と認められるかどうかを争う訴訟は全国で初めてです。
 

 6月9日に札幌地裁に提訴するのは、札幌市在住の社会福祉士・佐々木カヲルさん(51歳)。戸籍上は女性ですが、自身のジェンダーについては「男ではなく女ともいえない」と自認しています。北海道職員として働いていた佐々木さんは、2018年7月から40代の女性と同居し(お二人は住民票では同一世帯です)、札幌市の「パートナーシップ制度」に基づくパートナー宣誓もしていました。パートナーシップ証明書や住民票を提示し、扶養手当などの支給を求めたものの、道や共済組合北海道支部は、現行法では同性間の婚姻は認められないとして扶養関係を認めませんでした。(千葉市や世田谷区では異性婚夫婦と同様に結婚祝い金をもらえるようになったという実績があるにもかかわらず)道職員互助会からも結婚祝い金をもらえませんでした。パートナーの女性の国民健康保険料は、配偶者控除などを受けずに払い続けました。
 婚姻届を出していない事実婚カップルでも、異性のカップルであれば扶養が認められます。「なぜ同性というだけで認められないのか、理解できない」と、佐々木さんは道に何度もかけあいましたが、「自治体のパートナーシップ制度を基に手当を認定した例は確認できない」「パートナーシップ制度は婚姻制度とは異なる」「公金の支出を伴う職員の手当の認定は、職員間の公平性の確保と道民の理解が必要」と言われ続けました。
 佐々木さんは2019年6月、約25年働いた道庁を去りました。退職理由には、扶養手当が支給されず、道の説明にも精神的な苦痛を受けたと書き添えました。「差別され続けることに疲れた。性的少数者を排除する制度を維持する組織で、働き続ける気力がなくなった」「このことがなければ、辞めなかったと思う」
 
「多数の人々にとって当たり前の権利は、私たちのような性的少数者には与えられていないという事実を知ってほしい」との思いから、佐々木さんは提訴に踏み切りました。
「私たちは普通に尊重されることを求めているだけ」
「性的少数者の問題ではなく、人権の問題です」 
 
「結婚の自由をすべての人に」訴訟北海道訴訟弁護団の一員で、佐々木さんの代理人を務める加藤丈晴弁護士は、「同性カップルだから扶養認定をされず、手当を支払われないのは差別に当たる」と語っています。

 ご存じのように、札幌地裁は今年3月、同性婚を認めないのは法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとの画期的な判断を示しています。今回の訴訟でも、歴史に残る、画期的な判断を示していただけることを期待します。
 


参考記事:
「当たり前の権利を」 元北海道職員、同性「配偶者」認定求め提訴(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210601/k00/00m/040/324000c
同性パートナーと「内縁関係認めないのは違憲」 提訴へ(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP615FCVP61IIPE01H.html
同性間「扶養認めないのは違憲」 元職員が道提訴へ(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/550688

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