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ハンガリーの反LGBT法への抗議として、ミュンヘンのアリアンツ・アレナがレインボーカラーにライトアップされるそうです

 ハンガリーで6月15日、LGBTQについて公に語ることを禁じる反LGBTQ法案が可決されたことへの抗議として、ドイツのミュンヘン市議会が、水曜日に行われるユーロ2020(UEFA欧州選手権)第3戦ハンガリー代表戦に向けて、試合が行われるミュンヘンのアリアンツ・アレナをレインボーカラーにライトアップするように呼びかけています。
 ミュンヘンのディーター・ライター市長は「バイエルン州の州都・ミュンヘン市は、スポーツや社会全体における多様性、寛容性、そして真の平等を重視するものです」と宣言し、UEFAやドイツサッカー連盟へと働きかける考えを示しました。
 今週水曜日に正式な決定の判断が仰がれるそうですが、ディーター・ライター市長がドイツ通信社に語ったところでは、「全ての議会グループから動議が提出された後、週明けにも主催者であるUEFAやドイツサッカー連盟に連絡する考えです。これは寛容と平等という観点からみて重要なシグナルとなります」と語っています。

 
 ハンガリーの反LGBTQ法は、「キリスト教徒の家族の価値観」を盾に「西側諸国の新たなイデオロギー形態に対抗し、イデオロギー的あるいは生物学的な妨害から子どもを守る必要がある」と述べ、トランスジェンダーの性別変更を禁止したり(ありえない…)、同性カップルの養子縁組を禁止する憲法修正を主導してきたビクトル・オルバン大統領率いる政権与党・フィデス党によって国会に提出されました。14日には国会の前で数千人による抗議デモが行われ、10万を超える反対の署名が集まりましたが、15日の採決で、圧倒的多数で可決されました。反対した議員はたった1人しかいませんでした。
 反LGBTQ法は、学校で性の多様性について語ったり描写したりすることや、未成年が見るようなあらゆる広告やメディアにおいてLGBTQのコンテンツを配信することを禁止し、違法とするものです(映画『ボヘミアン・ラプソディ』なども深夜の時間帯しか放送できず、『モダン・ファミリー』のような全編にわたってゲイが登場するドラマは放送禁止になると見られています)
 この法は、ロシアの悪名高い「同性愛プロパガンダ禁止法」になぞらえられます。やはり学校や公の場でLGBTQの権利について語ること(パレードなどを含む)を禁じる抑圧的な法として国際社会から非難を浴び、ソチ五輪開会式を欧米主要国首脳がボイコットする原因となりました。
 人権団体アムネスティ・インターナショナル・ハンガリーのデヴィッド・ヴィグ氏は声明で「ハンガリーのLGBTQにとって暗黒の日になった…。この新法はLGBTQピープルとアライにさらに深刻なスティグマを与えることになるだろう」と述べました。「いま敵対的な環境に直面している人々を、さらに苛酷な差別にさらすことになるだろう」
 ハンガリーで最も歴史あるLGBTQ団体「ハッターソサエティ」は声明で、「この法は明らかに表現の自由や人間の尊厳、平等な扱いを脅かすものです」と語りました。「LGBTQのメンタルヘルスを悪化させ、必要な情報や支援にアクセスすることを妨げます。LGBTQはスティグマや抑圧を受けることなく、平等に尊厳をもって社会の一員として生きる権利があるはずです」
 ブダペストのカラーチョニ・ゲルゲイ市長は「この恥ずべき日、反対する人の居場所は国会にはなく、ただ路上にあった」とFacebookにコメントしました。
 ただ一人、反対したアンナ・ドナース議員は、EUに対して速やかな抗議の行動をとることを求めました。「この法は、ハンガリーだけでなく欧州の民主主義社会の基本的な価値観と相容れないものです。オルバン政権はこの法だけでなく、数々の恥知らずな攻撃をLGBTQへ行なってきました」「私たちはロシアではなく、EUの受容的な事例をもっと必要とします」
 今後、ポーランドと同様、EUがハンガリーに対しても何らかの制裁措置をとっていくのではないかと見られます。

 6月19日にポーランドのワルシャワで開催されたパレードで(20周年だったそうです)、活動家のバルト・スタスゼウスキー氏は、ハンガリーの国旗と、「ポーランドが次にこうなる」と恐れているLGBTQを守ってくれるようEUに求めるメッセージを掲げました。
 ポーランドのポピュリスト政党は、ハンガリーのフィデス党と似たような政策を主張しているそうです。
 ポーランドではすでに国土の約2/3にあたる自治体が「LGBTQ排除区域」となっていますが、国全体がそうならないよう祈ります。
 
 
【追記】
 こちらの記事によると、UEFAは今回のユーロ2020に関して「11のスタジアムはUEFAと参加国の色でのみ点灯する必要がある」という規則があるため、試合日にレインボーカラーに点灯することはできないとしているそうです。が、フースバル・アレーナ・ミュンヘンは試合のない28日にレインボーカラーに点灯されるそうです。
  

参考記事:
ハンガリーの対LGBT法への抗議、アリアンツ・アレナを虹色に(kicker)
https://kicker.town/deutschland/2021/06/162496.html
Hungary passes chilling anti-LGBT+ law putting the UK’s Section 28 to shame(PinkNews)
https://www.pinknews.co.uk/2021/06/15/hungary-anti-lgbt-homophobia-propaganda-law-ban-fidesz-viktor-orban-section-28/
Euro 2020: Proposal to illuminate Munich arena in LGBT+ colors for visit of Hungary(DW)
https://www.dw.com/en/euro-2020-proposal-to-illuminate-munich-arena-in-lgbt-colors-for-visit-of-hungary/a-57966739
Warsaw pride parade returns amid LGBT rights backlash(France24)
https://www.france24.com/en/europe/20210619-warsaw-pride-parade-back-after-lgbt-rights-backlash-and-pandemic-break

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